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ジュニアNISA廃止決定!廃止後の代わりはどうなるのか、特徴や注意点などを解説

楽天お金の総合案内 みんなのマネ活 / 2023年6月22日 10時0分

NISAのひとつであるジュニアNISAが、2023年で廃止となります。NISAは非課税で投資ができるお得な制度ということから、廃止前に始めた方が良いか悩む人も多いのではないでしょうか。ここでは廃止前にジュニアNISAを始めるメリットや、廃止後はどうなるかなどについて解説します。

2023年にジュニアNISA制度が廃止決定

2023年にジュニアNISA制度が廃止決定

2020年の税制改革によりジュニアNISAの廃止が決定しました。ここではジュニアNISAの制度と廃止に至った理由などを紹介します。

そもそもジュニアNISAとは

ジュニアNISAとは、NISA制度のひとつで、子供の教育資金準備などを目的とした未成年者少額投資非課税制度です。非課税投資枠の上限は年間80万円が上限で、投資期間は最長5年間となっています。2016年にスタートした時点での対象年齢は0歳から19歳以下でしたが、2022年4月の成年年齢の引き下げにともない、2023年は同年1月1日時点で17歳以下となっています。

ジュニアNISAが廃止になる理由

ジュニアNISAが廃止になったのは、ほかのNISAと比べて利用実績が乏しかったからです。子供が18歳になるまでお金を引き出せないだけでなく、災害などのやむを得ない場合を除き途中で引き出した場合は、過去に非課税で支払われた配当金や売却益に対し、さかのぼってすべて課税されるという規定があり、利用者にとっては使い勝手が悪いという印象もありました。そのため、口座開設数が伸びず廃止に至ったとされています。

ジュニアNISAの特徴

ジュニアNISAの特徴

ジュニアNISAは廃止になりますが、廃止となるのは2023年12月末なので、それまでは利用が可能です。ここでは、ジュニアNISAの特徴を紹介していきます。

廃止後も非課税で資産運用が可能

2023年12月末の廃止後も、ジュニアNISAで保有していた金融商品は、18歳になるまで非課税で保有できます。強制的に課税口座に移行されたり、解約されたりすることはありません。ただ、2024年以降は新たな投資ができなくなり、保有している商品を運用するだけということになります。

非課税投資枠を増やせる

成人していれば一般NISAやつみたてNISAを利用できますが、未成年で口座を開設できるのはジュニアNISAだけです。投資資金に余裕がある場合は、ジュニアNISAを活用することで世帯全体の非課税投資枠を増やせるでしょう。

相続税や贈与税対策になる

教育資金の贈与は一定額が非課税になる制度があるとはいえ、贈与税や相続税が発生する場合もあります。ジュニアNISAを活用すれば年間80万円までは、贈与税も相続税も気にすることなく子供や孫にお金を渡せます。ただし、ほかの方法でも贈与をしている場合は、年間の合計が110万円以内になるように収めないと贈与税がかかります。

子供のお金に関する教育に役立つ

ジュニアNISAの口座名義人は子供自身です。実際は親が口座開設して投資をすることになり、いずれそのことを子供に伝える必要があります。投資とはどういうものか、NISA制度はどういうものかなどを教えることは子供のお金の教育につながるでしょう。

 

ジュニアNISAの注意点

ジュニアNISAの注意点

前項では特徴についてご紹介しましたが、注意点もあります。

2023年は原則として引き出しができない

ジュニアNISAには、口座開設者が18歳である年(3月31日時点)の前年の12月末まで払い出しができないという制限があります。2023年はその制限が適用されているので、払い出しができません。何かあってもすぐにお金を引き出すことができないので注意しましょう。制度廃止後の2024年からは自由に引き出しができるようになります。

損益通算ができない

損益通算とは、同じ年の利益と損失を相殺することです。投資を行って利益が出た場合は利益に対して20%以上の税金がかかり、損失が出た場合には利益から損失を差し引くことができます。このように損益通算では、損失の分だけ税金を減らすことができますが、ジュニアNISA口座で発生した損失は損益通算の対象になりません

 

損失の繰越控除ができない

損失の繰越控除とは、本年分の損失を損益通算しても控除しきれないときに、翌年以降にその損失を繰り越して翌年以降の利益から差し引くことができる制度です。損失は最長3年間繰り越せますが、ジュニアNISAの口座内で生じた損失は繰越控除の対象にはなりません

定められた商品以外は非課税にならない

ジュニアNISAで購入できる金融商品は、あらかじめ決められています。株式投資信託に加え、国内・海外上場株式や国内・海外ETF(上場投資信託)などが対象で、債権や公社債投資信託、FXなどは対象外なので、商品を選択する際には注意しましょう。

ジュニアNISA廃止後はどうなるのか?代わりはある?

ジュニアNISA廃止後はどうなるのか?代わりはある?

ジュニアNISA廃止後の気になる点について解説します。

ジュニアNISAが利用できるのは2023年12月末まで

繰り返しになりますが、ジュニアNISAは2023年12月末で廃止される制度です。それまでは口座開設も商品の買い付けもできますが、2024年以降は新規買付ができなくなります

2024年からは新しい制度

2024年にNISAは刷新される予定です。新しい制度では、現在の一般NISAとつみたてNISAに相当するものを併用できるようになります。一方、対象者は18歳以上に一本化され、18歳未満の未成年向けのNISAはなくなります。未成年者名義で投資できるのは、現在のジュニアNISAだけということです

2024年以降は払出制限がなくなる

ジュニアNISAは、もともと利用者が原則18歳になるまで引き出しができないという制限がありました。しかし、廃止にともない2024年以降は18歳以下でも引き出しが可能になります。いつでも引き出せるので、これまでよりも利便性が良くなるでしょう。

廃止後は「ロールオーバー」できる

ジュニアNISAの非課税期間は5年間です。5年経過後はロールオーバー(継続管理勘定に移管)でき、18歳になるまで金融商品を非課税で保有し続けることができます。ロールオーバー可能な金額に上限はありません。今年始めた投資商品の時価が年末に80万円を超過した場合でもすべて移管できます。

ジュニアNISAとつみたてNISA・一般NISAの違い

ジュニアNISAとつみたてNISA・一般NISAの違い

2023年現在、現行のNISA制度は3種類あります。それぞれの違いを見ていきましょう。

各NISAの概要

廃止前にジュニアNISAを始めるべきか・始めないべきか

廃止前にジュニアNISAを始めるべきか・始めないべきか

2023年で廃止されることがわかっている制度なので、今からジュニアNISAを始めるかどうか迷う人も多いのではないでしょうか。

廃止前にジュニアNISAを始める場合

子供や孫がいて、家庭全体での非課税投資枠を増やしたい場合は始めるのもひとつの手です。ジュニアNISAは未成年名義で投資できる口座です。一般NISAやつみたてNISAの枠では足りないときはジュニアNISA口座が役に立ちます。

廃止前にジュニアNISAを始めないほうがよいと考えられる場合

投資資金に余裕がない場合や、一般NISAかつみたてNISAをすでにしているが、非課税投資枠の上限金額まで至らないという場合は、無理して始める必要はないでしょう。非課税というメリットを活用したいと考えがちですが、投資は無理のない範囲で行いましょう。

ジュニアNISA制度廃止に関するよくある疑問・質問

ジュニアNISA制度廃止に関するよくある疑問・質問

よくある疑問や質問をまとめました。

制度廃止後はこれまで投資したお金はどうなるの?

5年間の非課税期間が終了した金融商品は、ロールオーバー(継続管理勘定に移管)することで、18歳になるまで運用が可能です。

ジュニアNISA口座はNISA口座と同じように金融機関変更はできるの?

金融機関の変更はできません。できるのは、1度口座を廃止し、新たな金融機関に口座を開設することだけです。

ジュニアNISA廃止前に子供が20歳になったらどうなる?

自動的に成人用のNISA口座が開設されます。一般NISA、つみたてNISAのどちらにするかは選択でき、一般NISAを選択した場合、ジュニアNISAの金融商品をNISA口座に移すことができます。

今からジュニアNISAを開設しても意味がない?

これから開設となると、投資できる金額は80万円までとなりますが、18歳になるまでは非課税で運用ができるので、意味がないということはありません。お金を増やせる可能性は十分にあるでしょう。

ジュニアNISA制度廃止前に資産運用を始める選択肢も

ジュニアNISA制度廃止前に資産運用を始める選択肢も

これまでは18歳まで払い出しができないなどの制限があり、利用実績が思うように伸びなかったジュニアNISAでしたが、制度が廃止になることにより、今後は自由に引き出し、売却できるように変わるため使い勝手が良くなります。投資できる金額に限度はありますが、投資資金に余裕がある人は活用する選択肢もあるでしょう。

 


※この記事は2023年5月時点の情報をもとに作成しております。

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