DAO(分散型自律組織)とは?導入事例や従来型組織との違いについてわかりやすく解説
楽天お金の総合案内 みんなのマネ活 / 2023年7月21日 10時0分
ブロックチェーン技術が広く使われるようになり、インターネットはWeb3(ブロックチェーンの技術を基盤とする分散型インターネット)の時代に移行するといわれています。そうした中、組織のあり方に変化をもたらすような概念も生まれています。それが「DAO」分散型自立組織と呼ばれるものです。これまで広く採用されていた、中央集権的な管理を必要とする組織とは違った形の組織となります。すでに導入されている事例もあります。ここではDAOとはどのようなものなのか、メリットや注意点などを含め見ていきましょう。
DAO(分散型自律組織)とは?
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ブロックチェーンを使って運営する組織
DAOとは、英語の「Decentralized Autonomous Organization」を省略したもので、ブロックチェーンを利用し、参加者が自律的に運営する組織を意味します。中央管理者が存在しない分散型の自律組織であり、従来型の組織とは違った、特徴のある仕組みとなっています。
ブロックチェーンとは、ブロックと呼ばれる単位でデータを記録し、それを鎖、つまりチェーンのようにつないで保存する技術です。データは暗号化され、改ざんされにくくなっています。ビットコインなどの暗号資産に使われている技術として、広く知られています。
ブロックチェーンは暗号資産だけでなく、より広い分野での応用が可能です。そこではスマートコントラクト(ブロックチェーン上で契約を自動的に実行する仕組みのこと)などの技術も利用されます。
DAOの仕組み
それではDAOと呼ばれるタイプの組織が、どのような仕組みで運営されているのか見てみましょう。
組織というのは人の集まりですが、これを動かすには、組織全体が従うべきものとなる「意思決定」が必要です。DAOでは、組織を構成する参加者による、提案と投票によって意思決定がなされます。提案や投票を行うためには、ブロックチェーン上で発行される「ガバナンストークン」の購入・保有が必要です。ガバナンストークンを購入すれば、誰でもDAOの意思決定に参加できるのです。
具体的な流れは次のようになります。まずはDAOに参加するためのガバナンストークンを入手しなければなりません。市場で取引されているものもあります。DAOのメンバーになると、運営に関するさまざまな議題の決定に参加できます。投票で過半数の参加者が賛同した議題は機関決定になり、自動プログラムの「スマートコントラクト」によって、新たなルールや契約などが実現するという仕組みです。
DAO(分散型自律組織)と階層型組織との違い
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DAOは、日本語にすると分散型自律組織。意思決定の権利が参加者全体に分散され、その投票によって組織が動いていきます。これと比較されるものは、階層型の組織を指す場合がほとんどです。階層型組織では、組織のトップや中央が意思決定し、組織の下位にいる参加者がそれに従って実行していきます。DAOには組織のトップや中央といったものは存在しません。この点でDAO(分散型自律組織)は従来の階層型組織と大きく異なります。
従来の階層型組織
階層型組織は、よくピラミッドに例えられます。意思決定を行うトップが頂点にいて、その下には多くの階層が重なるように存在し、下に行くほど人数が多くなるという形です。決められた範囲で下部の組織に命令する権利を与えられた中間階層は、トップの意思決定に従って命令を伝えていきます。このような組織の管理の仕方が、従来の階層型組織と呼ばれる仕組みです。参加者間の上下関係がないフラットなDAOとは対照的です。
DAOと階層型組織の比較
意思決定の方法を比較してみましょう。DAOではDAOの参加者、つまりガバナンストークンの保有者が投票により意思決定します。これに対して階層型組織では、特定の個人や、特定のグループによる投票結果が意思決定になります。意思決定参権利が分散しているか集中しているかが異なるのです。DAOがより民主的な組織と呼ばれるのはこのためです。図形によるイメージでは、フラット型とピラミッド型(階層型)のように違いを表せます。
DAOの運営に使われるのがブロックチェーン。このことがDAOを階層型の組織とは違ったものにしています。例えば投票は仲介者なしに集計され、その結果も自動的に、スマートコントラクトによって実行されます。また情報公開の透明性が高いのもDAOの特徴。ブロックチェーンを使っているため、投票や活動の記録はオープンな形で公開されることになります。
DAOの事例
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NinjaDAO
「CryptoNinja(クリプトニンジャ)」と呼ばれるキャラクターに関するコミュニティです。キャラクターは、NFTやアニメ、ゲームなど商用利用が可能です。NinjaDAOでは、NFTなどの売り上げをどう使うかについて、参加者が提案・投票することができます。DAOへの参加資格は、1点以上のCryptoNinja Nouns NFTを保有すること。投票によって可決すると、自動的に送金などが行われます。お金の流れはブロックチェーン上で確認でき、透明性が確保されています。
MakerDAO
MakerDAOは、Daiステーブルコインシステムを管理するコミュニティ。投票する権利を得るには、MKRというガバナンストークンの保有が必要です。運営維持のために必要な安定化手数料、担保タイプや担保比率などの決定に関われるようになります。MKRを多く保有するほど、議決への影響力が大きくなります。
Nouns(ナウンズ)DAO
Nounsはプログラムで生成したNFTアートを販売するプロジェクト。DAOでは、2 Nouns以上保有していれば提案もできるようになります。Nouns DAOによるガバナンスに関するWebページを見れば、過去に実行されたものや却下されたもの、これから投票が行われるものなど、これまでに提案された議題を確認できます。
Illuviumプロジェクト
Illuviumプロジェクトは、「Illuvium」というプラットフォームにさまざまなゲームを搭載していくことを目的とするプロジェクトです。ILVと呼ばれるガバナンストークンが発行されますが、これを保有している人がilluvinati評議会で投票できます。NFTの売却益などがILVの保有者に還元されます。
和組DAO
和組DAOは、Web3全般のトピックを共有・議論しているコミュニティです。運営関連では、オリジナルNFTを使った、ガバナンス投票が実施されています。オリジナルNFTである「Wagumi Cats」は1,000体あり、現在はNFTの出品や購入をするためのサイト、OpenSeaで入手できる可能性があります。
DAOのメリットと注意点とは?
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ブロックチェーンを活用し、フラットな組織として運営されるDAO。どのようなメリットがあるのか確認していきましょう。まずは透明性が確保されるという点。提案や投票、スマートコントラクトの実行などはブロックチェーン上で内容を確認できます。組織のトップや、一部のメンバーによって意思決定がなされるこれまでの階層型組織では、このようなプロセスに関する情報は得にくいことがあります。
組織がシンプルというのもDAOのメリット。参加資格は多くの場合、ガバナンストークンを保有することだけです。あとはメンバーによる提案と投票に基づいて、自動プログラムが実行されます。これまでの階層型組織では、上下関係のある組織を作り上げるプロセスや、意思決定が下部組織へ伝わるまでの時間も必要でした。
ただしDAOの運用については、いくつかの注意点もあります。DAOの意思決定にはガバナンストークンを保有することで参加できますが、この条件だけではどのような人物が組織のメンバーなのかがわからず、不安になることがあるかもしれません。また提案と投票に関しては、結果が出るまでに時間がかかる場合もあり、トップが主導する階層型組織よりもスピードに欠けるケースも見られます。
そして、これはインターネットサービス全般にいえることですが、ハッキングなどの被害にあう可能性もあります。また従来の会社組織と違い、法整備が進んでいないこともあり、トラブルの解決には時間がかかるケースも出てくるでしょう。
まとめ
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DAO(分散型自律組織)はブロックチェーンを活用した、フラットな新しい形の組織です。ブロックチェーン上で発行されるガバナンストークンを入手した人が運営上の提案や投票をし、意思決定するといったものです。例えばNFTアートをプログラムで自動生成して販売するプロジェクトにおける売り上げの配分などが議題となります。
ブロックチェーンを活用するDAOは「Web3」と呼ばれる構想の重要な部分です。静的なWebページが中心のWeb 1.0、SNSなどユーザーが動的に作り上げていくWebサービスが登場するWeb 2.0の次に来るとされるのが、Web3。分散型・ブロックチェーン・トークン・NFTなどがキーワードになります。Webサービスの進化は、DAOが組織のあり方に影響を与えたように、さらに社会を変えていくのかもしれません。
![](https://www.rakuten-card.co.jp/minna-money/common/images/line_orange.gif)
インターネット上では、新しいWebサービスが次々に登場しています。自分にあったものを見つけて使いこなせば、生活がより豊かになるかもしれません。Web上でさまざまなサービスを利用するには、どのような支払方法で決済するのかも重要です。インターネットでの決済におすすめしたいのが「楽天カード」。楽天グループのサービスで利用すると、より楽天ポイントが貯まってお得です。ネットサービスが充実する時代では、楽天カードが活躍する場面も増えるでしょう。
※この記事は2023年6月時点の情報をもとに作成しております。
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