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読書を生活に活かすのは、攻略本を読んでゲームクリアするのと同じこと。らこさんに聞く、投資初心者が実践に繋げられるおすすめ書籍4選

楽天お金の総合案内 みんなのマネ活 / 2023年8月1日 10時0分

新生活が始まって早数カ月。新しい生活に慣れてきたこのタイミングが、いつか始めようと思っていたことに取り掛かるチャンスです。今回は、読書が好きになり、本をもっと読みたくなるメディア「ラコブックス」を運営し、Twitterでも良書を紹介する活動をしているらこさんに、資産運用や投資を始めたい初心者におすすめの書籍をご紹介いただきます。

本業の傍ら、20代後半~30代前半をメインにおすすめ書籍&読書を活かした実践ノウハウを発信

マネ活編集部:まず、らこさんのご活動内容からお聞かせください。

 

らこさん:事業会社のマーケターとして働きながら、読書を軸にTwitterやブログで発信しています。本の紹介だけではなく、読書を活かした実践ノウハウも発信しているのが特徴です。いつか自分がセレクトした本を並べた書店をつくるのが夢で、ブログ名「ラコブックス」はその夢を込めて名付けました。

 

マネ活編集部:どのような方に向けて発信されているのでしょうか。

 

らこさん:20代後半〜30代前半ですね。私自身が20代後半のころ、もがきながら本を読んで乗り越えてきた経験をしているんです。当時の自分を思い浮かべながら、同じような20代後半〜30代前半の方が何か変われる本に出会えたらいいなと思い、発信しています。

らこさん流・日々の生活に活かせる読書術

マネ活編集部:おすすめ本をご紹介いただく前に、らこさんがどのように読書を日々の生活に活かされているのかをお聞きしたいです。まずは本の選び方から教えていただけますか?

 

らこさん:私の読書スタイルは目的ありきですね。投資やお金関係の本を読む場合は、「知識を身につけたい」「投資できるレベルになりたい」など、目的を持つよう意識しています。心構えがないと、読んだところで内容が響いてこないんですよ。

 

ただ、目的ありきのみだと読書が義務的なものになってつまらなくなってしまうため、好奇心も大事にしています。「株の仕組みを知りたい」など、「知りたい」欲求に素直になることで楽しく読めますよ

 

私は知らない領域の本を読むときは、まとめて何冊も読むようにしています。同じ領域の本をいくつも読むことで、「同じことを述べているけれど、この本の書き方のほうがわかりやすいな」と違いが見えてくるんです。その繰り返しで、本を選ぶ目が養われていくと思います。

 

マネ活編集部:どのくらいの冊数を読めばいいでしょうか。

 

らこさん:私は過去に不動産投資の本を100冊読みましたが、そのジャンルの基本となる本を5〜10冊くらいは読めると良いのかなと思います。

 

レビューや目次も見てみることをおすすめします。目次は内容のフックとなるものを並べたもので、目次が問いで本文が答えなんですよね。目次を見て「ここにはどういう内容が書かれているんだろう」と気になるものは、その人にとって良い本なんじゃないかなと思います。目次を見るだけで魅力的だと思う本は買って良い本だといえるでしょう

 

また、自分なりに目次の問いに対して答えを仮説として立ててみて、本文を読んで答え合わせをするのも楽しいですよ。

 

マネ活編集部:読むだけで終わらせず、生活に活かすにはどうしたら良いでしょうか。

 

らこさん:読書ノートを付け、自分の読んだものを集約化することをおすすめします。私は「投資」「不動産投資」「マーケティングなど本業に活かせるもの」と、テーマごとに1冊ずつノートを用意していたこともあります。

 

書き方としては、自分が読んで響いたポイントをざっと書き出すのがファーストステップです。それだけでも血肉になりやすいと思います。

 

同じジャンルの本を読むたびにポイントの書き出しを行い、読んだ数が増えてきたら、マッピングしたりグルーピングしたりしてみましょう。例えば、「なぜインデックス投資がいいのか」について響いたポイントをまとめたり、「そもそもなぜ投資が必要なのか」をまとめたりといった具合です。

 

読書ノートを書くのが手間だと感じられるのであれば、その本を読んで響いたポイントを発信するのもおすすめです。私自身も、ブログのように記事をアップできる「note」に1日1冊書評を続けてみようと1年ほど発信していたことがあります。

 

本をおすすめするのも良い経験でしたね。その本がどういう内容なのかきちんと理解できていないとレコメンドできないんですよ。私は有志で読書会みたいなものを開催していた時期があり、そこで月に1度、本を1冊持ち寄ってシェアしていました。投資やお金に関する本をいきなり知人に紹介するのはハードルが高いと感じる人もいるでしょうから、そうした場合は何かしらのコミュニティでシェアする場を設けるのも良いかもしれません。

 

読書を生活に活かすことって、実はそんなにハードルの高いものではないんですよね。私は小学生時代に野球チームに入っていまして、イチロー選手のようにヒットを打ちたくて野球の本を買って流し打ちの練習をし、打てたという経験があります。ゲームの攻略本を読んでクリアするのも本を読んで実践できた例のひとつです。料理本を読んでレシピに挑戦する経験のある人だっているでしょう。

 

このように、趣味でも仕事でも日常生活でも、読んですぐに実践できる小さなことで成功体験を積むことが、生活に活かせる読書に繋がるのではないかと思います。ジャンルが投資やお金になったところで、根っこは同じ。特殊なことだと思ってハードルを上げないことが読書を続けられるコツかもしれません。

 

らこさんおすすめ!投資初心者に読んでほしい4冊

マネ活編集部:ではここからは、らこさんに投資初心者におすすめの4冊をご紹介いただきたいと思います。よろしくお願いします。

1.父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え|ジェイエル・コリンズ

らこさん:著者自身が自分の娘に投資の教えをしたためたブログの内容が書籍になったものです。「あなたはどう生きたいの?」と問いかけられた気がした本ですね

 

著書は会社から縛られずに経済的な自由を得る、いわゆる「FIRE( Financial Independence, Retire Early )」を提唱しています。年間の生活費の25年分の資産を貯め、その資産を年4%で運用する。そして、生活費などの年間支出をこの4%以内に抑えて生活していけるのであれば、資産は目減りせず経済的自立が可能となるとされていまして、その「4%ルール」を最初に目にしたのがこの本でした。

 

面白いなと思ったのは、経済的自立=億万長者である必要はないということです。つまり自分の必要な生活費をベースに準備する資産の目標金額を定めて年4%で運用すれば、1億円がなくても良い。例えば年間200万円で生活できる人ならば25年分の5,000万円の資産を準備して、年4%で運用して年間200万円の収益を得れば、支出額と同額になりバランスが取れる計算となります。必ずしもFIREするために億万長者にならなければいけないわけではないんです。「FIREにはとりあえず1億円が必要」と思っていたことが覆されたことがこの本を読んで得た気づきのひとつでした。

 

あとは、自分に問いかけられている気持ちにもなる本だと思います。知識やノウハウを求めて読んでみたら、その前に「まず自分がどういう生活をしていきたいのかを考えなければならないんだな」と気づかされた。

 

書かれているエッセンスとしては、収入の半分を貯蓄に回す、借金をしない、インデックス投資が大事という3つなのですが、それよりも「自分の内側に基準があればそんなに資産はいらない」と教えてもらったことが私には大きかったです。

2.くそつまらない未来を変えられるかもしれない投資の話|ヤマザキOKコンピュータ

らこさん:パンクさがにじみ出ているタイトルが印象的な1冊です。投資関連の本は難しく書かれているものが多いため、そういった既存の本へのパンク精神なのかなと感じました。

 

この本を読んで学べたことを一言で言うと、「なぜ貯金じゃなく投資をしたほうがいいのかがわかった」です。私たちは貯金のつもりでも、預け先の銀行がそのお金を運用しているんですね。運用とは誰かに貸すものもあれば、銀行自身も「投資運用」しています。「だったら自分で主導権を握って投資先を選んで生活していこうぜ。自分で主導権を持って物事を決めていきましょうよ、そうすればつまらない未来を変えられるかもしれないよ」と伝えてくれている本ですね。著者のヤマザキOKコンピュータさんは沖縄に移住されて生活しているユニークな方で、パンクさだけではなく読者目線で投資に関わる本質を語ってくれている1冊です。

3.投資の大原則 人生を豊かにするためのヒント|バートン・マルキール、チャールズ・エリス

らこさん:アメリカの投資業界の巨頭、バートン・マルキールとチャールズ・エリスによる1冊。投資の世界には「大御所の書いた原著を読むべきだ」という風潮があるのですが、いきなり原著に手を出すと挫折してしまう可能性があります。この本は大御所が投資信託やインデックス投資についてわかりやすく書いてくれているので、ど真ん中の本を読みたい方におすすめしたいですね。

 

なぜ長期投資、インデックスファンドが良いのかについて、非常にシンプルに教えてくれています。簡単にご紹介すると、まずはキャッシュフローの見直しをすること、要は支出と収入を把握して生活に必要な金額を見直すこと。そして、投資は分散かつ長期的に行うことで、これがインデックス投資を指しますね。2018年発売の第2版は、リーマンショック後の期間で仮説検証するなど比較的に新しいデータを扱っているのもこの本の特徴です。

4.33歳で手取り22万円の僕が1億円を貯められた理由|井上はじめ

らこさん:ここまでに紹介した3冊を順に読み、投資が自分の人生に大切だとわかり、インデックス投資についてわかった。さて、じゃあどう運用していくのかという実践に活きた1冊です

 

タイトルは俗っぽいですが、著者の経験を惜しみなくノウハウとして丁寧に優しく伝えてくれています。銘柄や配分、あとは「このタイミングで売るといいよ」という売り方まで丁寧に伝えてくれているのが特徴ですね。

 

こういう本はその方にしか当てはまらない成功事例にしか過ぎないこともあるのですが、この本では「世界経済がこうなっているからこう分析して、これに張りました」と根拠を示してくれているのでわかりやすいのが魅力です。

 

面白いなと思ったのは、「120%ルール」。つまり、投資信託で含み益がプラス20%になったら売却し、売却したお金を投資金額に乗せて再投資するループを繰り返すという考えです。正直いろいろな考え方があるので、これが絶対正解なわけではありませんが、私自身はこの考えを実践しています。情報過多な中、「こうすれば良い」と売却基準をひとつ自分の中に持てたのは、投資を続けられているひとつの要因だと思いますね。迷いが生じると考えるのが面倒くさくなってしまい、結果投資をやめてしまう人もいるでしょうから。

 

マネ活編集部:ありがとうございました。基本的にはご紹介いただいた順で読むのがおすすめですか?

 

らこさん:そうですね。2冊目に紹介した「くそつまらない未来を変えられるかもしれない投資の話」は短くて語り掛けてくる口調の本で、読書慣れしていない方も手に取りやすい1冊なので、2冊目、1冊目、3冊目、4冊目の順で読んでいただいてもいいかと思います。

 

プロセスも発信し、夢の実現を目指したい

マネ活編集部:最後に、らこさんの今後についてお聞かせください。

 

らこさん:本が好きだと表明し、おぼろげに本屋を作りたいなと意識し始めたところ、祖父の家業が本屋だったと教えてもらいました。結果論ですが、好きを発信していたら夢が見つかったんです。

 

本を読み、発信することで新しい発見や実践に繋がるいいエッセンスをもらえています。今後も活動を続けながら、リアル本屋を実現し、文化の発信拠点としてWebやリアル両面で活動を広げていきたいです。夢の実現までのプロセスも発信していきたいですね。最近では書店×〇〇とユニークな複合書店が増えていて、個人的にもそうした場所を好ましいと思っています。書店にはまだまだ可能性があると信じて、今後も活動していきたいです。

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