小口現金とは?特徴や管理の手間を減らす方法について詳しく解説
楽天お金の総合案内 みんなのマネ活 / 2023年9月8日 10時0分
小口現金とは?特徴や管理の手間を減らす方法について詳しく解説
ここでは、小口現金とはどのようなものかを詳しく解説します。管理に用いられる2種類の制度や、小口現金出納帳と現金出納帳の違い、管理の手間を減らす方法を解説するので、小口現金についてよくわからない方や経理処理に携わっている方は、ぜひ参考にしてください。
小口現金とは
小口現金とは、「手元に用意しておく少額の現金」のことです。郵便料金や交通費など、日々発生する経費を精算するために用いられるほか、急に少額の現金が必要になった場合にも使用されます。
小口現金を管理するための2種類の制度がある
小口現金の管理には、「定額資金前渡制度」または「随時補給制度」のいずれかが用いられます。
定額資金前渡制度とは、1週間~1カ月程度の期間ごとに、一定の現金を各部署の小口現金係に前渡しする仕組みです。「インプレスト・システム」とも呼ばれます。
定額資金前渡制度を採用した場合、一定期間が経過したら、各部署の小口現金係は、期間内の決済額と内容を会計担当者に報告します。その後会計担当者が、使用された金額と同額の現金を、各部署の小口現金係に補充します。
一方の随時補給制度とは、各部署の小口現金係の請求に応じて、随時必要な金額の現金を補充する仕組みです。
小口現金で用いられる勘定科目は?
勘定科目とは収入や支出などを性質が似たものごとにわかりやすく区分して集計したものを指し、会社の帳簿を作成するときなどに用います。
各部署に小口現金を補充したら、借方には「小口現金」を、貸方には「当座預金」などの勘定科目を用いて記帳します。
補充された小口現金が使用されたら、借方には「消耗品費(筆記具など)」「旅費交通費(タクシー代、電車代など)」「通信費(切手代など)」「雑費(お茶代など)」などを、貸方には「小口現金」の勘定科目を用いて記帳してください。
記入漏れやミスによって、実際の小口現金額と帳簿上の金額にズレが生じるケースがあります。その場合は、「現金過不足」という勘定科目で処理をしたうえで、原因が判明しなければ「雑損失」として処理します。
小口現金出納帳と現金出納帳の違い
小口現金出納帳とは、「小口現金による決済内容を記録するための帳簿」です。切手代やコピー代といった「少額」の現金のみが対象となり、各部署の小口現金係などが管理・記帳します。
一方の現金出納帳は、「現金による決済内容を記録する帳簿」です。小口現金出納帳と異なり、金額に制限はありません。管理・記帳するのは、経理部門の担当者です。
小口現金出納帳と現金出納帳は、「金額」および「帳簿を管理する担当者」が異なることを把握しておきましょう。
小口現金の管理の手間を減らす方法
小口現金の管理の手間は、以下に示す方法で減らすことが可能です。
- 会計ソフトを利用する
- 定額資金前渡制度を採用する
- 備品などの購入を一括して行う
各方法に関して、詳しく解説します。
会計ソフトを利用する
手書きで小口現金出納帳を作成することも可能です。ただし、記入漏れや転記ミス、金額の計算ミスなどが起こる可能性もあるので推奨できません。
会計ソフトを利用すれば、画像読み取り機能で記入漏れを防げたり、自動計算機能により計算ミスを防ぎやすくなったりします。
さらに、線を引いたり項目名を記載したりする手間が省けることや、ほかの帳簿(仕訳帳、総勘定元帳など)と連携され、転記が不要になることも魅力です。
会計ソフトは有料の場合が多いですが、導入すれば経理処理の手間の軽減に繋がります。
定額資金前渡制度を採用する
前述のとおり、定額資金前渡制度とは、1週間~1カ月程度の期間ごとに、一定の現金を各部署の小口現金係に前渡しする仕組みのことです。
必要に応じて小口現金を補充する「随時補給法」を採用している場合、小口現金が頻繁に用いられる部署では、何回も申請や補充という作業を繰り返さなければならず、事務処理が煩雑になります。
定額資金前渡制度であれば効率的な管理が可能となることもあり、さまざまな法人で採用されています。
備品などの購入を一括して行う
各部署がバラバラに備品などの購入を行うのではなく、各部署の使用量をヒアリングしたうえで、まとめてインターネット経由で注文するなど、一括で購入することも小口現金の管理の手間を減らすひとつの方法です。
小口現金を使用する機会が少なくなれば、経理処理の手間が軽減されるほか、小口現金を廃止できる可能性もあるかもしれません。
小口現金の経理処理の方法を知ることはビジネスを営むうえで重要
手元に用意しておく少額の現金を「小口現金」と呼びます。小口現金の管理方法には「定額資金前渡制度」と「随時補給制度」の2種類ありますが、定額資金前渡制度のほうが効率的に経理管理できるでしょう。
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※この記事は2023年8月時点の情報をもとに作成しております。
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