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社会保険料は値上げされる?種類や計算方法、控除の対象などについて解説

楽天お金の総合案内 みんなのマネ活 / 2023年10月20日 10時0分

社会保険料の値上げが、たびたびニュースになっています。会社に勤めている人の社会保険料は給与から天引きされていますが、具体的に何を払っているのか把握していない方も多いのではないでしょうか。 ここでは、社会保険料の種類と計算方法、値上げ、控除について説明をしていきます。 給与から引かれている社会保険料の内訳を理解し、値上げによって年間の支払い金額がどの程度増えるかを把握することで、家計管理にも役立てることができるでしょう。

社会保険料とは

社会保険料とは

社会保険料とは、社会保険に加入する人が納める保険料のことです。社会保険は、会社などで働く従業員を対象に、病気や死亡、介護などのリスクに備えるしくみです。保険に加入する人たちであらかじめお金を出し合って、困った人が出た際に、集めたお金の中から支給します。保険料を支払うことによって、いざ自分が困ったときに助けてもらえるというメリットがあるのです。

 

保険には入りたくないと考える人もいるかもしれませんが、社会保険は法律で加入が義務付けられています。一定規模の事業所で正職員に準じた働き方をする場合には、社会保険の加入は義務であり、保険料を支払わなくてはなりません。

 

これまで社会保険は正規職員を対象とするシステムでした。しかし、令和4年10月以降、従業員が101人以上の企業で働いていて、以下に該当する場合は、非正規職員も社会保険の加入対象になります。

 

  • 週の労働時間が20時間以上
  • 月額賃金が8.8万円以上
  • 2カ月を超える雇用の見込みがある
  • 学生ではない

社会保険に加入すると、保険料の半分を会社に支払ってもらえるうえ、将来受け取れる年金が増えるというメリットがあります。一方、家族の扶養に入ったまま働いていた人にとっては、社会保険に加入することで、負担が増えるように感じることもあるでしょう。

 

どのくらい働くのかを考えるうえでも大切なポイントになるので、勤務先に相談するのが良いでしょう。

パート・アルバイトの皆さんへ 社会保険の加入対象により手厚い保障が受けられます。|暮らしに役立つ情報|政府広報オンライン

社会保険料の種類

社会保険料の種類

社会保険とは、企業などで働く従業員に義務付けられている保険で、具体的には以下の3種です。

 

  • 健康保険
  • 介護保険(40歳以上)
  • 厚生年金保険

狭い意味での社会保険は、労働者向けの保険のうち、健康保険、厚生年金保険、介護保険を指します。求人情報の「社会保険完備」には、一般的にこの3種に加えて、雇用保険と労災保険が含まれています。

 

ここからは、それぞれの社会保険を見ていきましょう。

健康保険

仕事や通勤中以外のけがや病気、出産などに備えるための保険です。従業員や家族が加入して、保険料は事業主と従業員で折半します。

 

加入対象は、雇用される75歳未満の人です。75歳以降は後期高齢者医療制度加入します。

介護保険

要支援や要介護認定された際に、介護サービスなどを利用するための保険です。40歳以上になった従業員が加入して、健康保険料と同様に事業主と従業員で折半して支払います。65歳になると介護保険料の支払いはなくなります。

 

介護サービスを利用できるのは原則65歳になってからです。ただし、要介護になった原因によっては65歳未満でも利用できます。

厚生年金保険

老後や障害、死亡などに備えるための保険です。高齢になった際に支給されるイメージが強いかもしれませんが、何らかのアクシデントで障害が残ったり死亡したりした際にも、年金が支給されることがあります。

 

加入対象になっているのは70歳までの従業員です。決まった保険料を、事業主と折半して支払います。

社会保険料の計算方法

社会保険料の計算方法

社会保険料を計算するためには、まず「標準報酬月額」を出す必要があります。標準報酬月額とは、会社などから受け取る給料などを、区切りの良い金額で区分したものです。健康保険料や厚生年金保険料を算定する際に使われます。全国健康保険協会の保険料額表を見ると、月額の報酬に合わせた標準報酬月額を調べられるので、チェックしておくと良いでしょう。

 

社会保険料は、標準報酬月額にそれぞれの社会保険料率(社会保険を計算するために国によって定められている値)をかけて計算します。各社会保険料率は年度ごとに見直されるため、計算する際には、常に最新のものを確認するのが大切です。

 

それでは以下のケースを例に、それぞれの社会保険料を計算していきます。

 

  • 大阪府在住
  • 40歳会社員
  • 全国健康保険協会に加入
  • 給料が20.5万円、ボーナスなし

細かい部分では実際と異なることがあるため、あくまで計算方法を知るための参考にしてみてください。

標準報酬月額・標準賞与額とは?|こんな時に健保|全国健康保険協会

健康保険料

健康保険料率は、居住地や保険組合によって異なります。大阪府の協会けんぽの健康保険料率は標準報酬月額の10.29%で、自己負担額はその半分です(会社と折半のため)。

 

月額給料が20.5万円であれば、標準報酬月額は20万円になるため、

 

健康保険料:20万円×10.29%÷2=1万290円

 

月額の健康保険料の支払いは1万290円になります。

介護保険料

介護保険料率は、全国一律で標準報酬月額の1.82%です。事業者と従業員が折半するため、自己負担は半分です。

 

具体例で計算すると、

 

介護保険料:20万円×1.82%÷2=1,820円

 

となり、月額の介護保険料は、1,820円になります。

 

厚生年金保険料

厚生年金保険料は、全国一律で標準報酬月額の18.3%です。こちらも事業者と従業員が折半して支払うため、半額で計算します。

 

厚生年金保険料:20万円×18.3%÷2=1万8,300円

 

このように月額の給料から標準報酬月額を出せば、社会保険料を大まかに把握できるのです。

全国健康保険協会「令和5年度保険料額表(令和5年3月分から)」

社会保険料の法改正と値上げ

社会保険料の法改正と値上げ

社会保険料率は、毎年見直されます。また、健康保険の保険料率は、お住まいの都道府県や組合によっても異なります。

 

令和5年3月の改定では、協会けんぽの健康保険と介護保険とで料率の変更がなされ、厚生年金保険料は変わりませんでした。

 

具体的には、介護保険の料率は全国一律で1.64%から1.82%に値上がりしました。健康保険料は、都道府県によって、値上げしたところもあれば、前年と変わらないところや値下げしたところもあります。

 

なお、全国健康保険協会が公表している保険料率の変遷によると、長い経過の中では料金が上がり続けていることがわかります

全国健康保険協会「保険料率の変遷」

保険料の料率だけ見ても、実際どれだけ支払う金額が変わるのかをイメージしにくいでしょう。ここからは先ほどの事例をもとに、料率の変化で支払う金額がどの程度変わるのかをシミュレーションしてみましょう。
(シミュレーションで算出した金額は税制改正等により実際の金額と異なる場合があります。)

 

  • 大阪府在住
  • 40歳会社員
  • 全国健康保険協会に加入
  • 給料が20.5万円、ボーナスなし

変更となった健康保険料と介護保険料を計算します。

健康保険料

大阪府の健康保険料率は、令和4年度に10.22%だったところ、令和5年3月からは10.29%に値上がりしました。

 

令和4年度:20万円×10.22%÷2=1万220円
令和5年度:20万円×10.29%÷2=1万290円

 

月額70円、年間では840円の増加です。

介護保険料

介護保険料は、全国一律の値上げです。令和4年度に1.64%だったところ、令和5年3月からは1.82%に変更されました。

 

令和4年度:20万円×1.64%÷2=1,640円
令和5年度:20万円×1.82%÷2=1,820円

 

月額180円、年間で2,160円の増加です。

 

大阪府在住のこのケースで、令和5年度に増加した社会保険料は次のとおりです。

 

840円+2,160円=3,000円(年間)

 

1カ月で見ると小さい金額かもしませんが、1年~数年で考えると、それなりの金額になるといえるでしょう。

社会保険料は控除できる

社会保険料は控除できる

支払った社会保険料は、所得から控除できます。つまり「社会保険料を支払った残りの部分にだけ所得税が課税される」ということです。

 

社会保険料の控除は、納税者本人や家族が負担する社会保険料を支払った場合が対象です。所得税の控除の対象となる社会保険料は14種類あるので、国税庁のホームページで確認しておくと良いでしょう。

 

なお、対象の社会保険料を支払っていて控除を希望する場合には、年末調整や確定申告の際に申請する必要があります。

国税庁 No.1130 社会保険料控除

社会保険料の値上げに備えて家計管理をしよう

社会保険料の値上げに備えて家計管理をしよう

少子高齢化の現状を考えると、社会保険料は上がるもの、と考えるのが自然です。社会保険料だけを考えると大きな金額ではないかもしれませんが、食費や光熱費などを合わせると、家計への影響は大きくなるといえます。数年分で考えるとなおさらです。保険料の値上がり分も考慮しながら、計画的に家計管理をしていきましょう。

家計管理には、楽天カードが便利です、楽天カードアプリに登録したうえで楽天カードを利用すると、支出が一目で確認できます。家計簿を作る手間が省けて、簡単に家計を把握できるでしょう。

 

また、日常の買い物や公共料金の支払いで楽天カードを活用すれば、楽天ポイントが貯まります。1ポイント=1円相当の楽天ポイントを活用して、効果的に支出を減らしましょう。

 

※この記事は2023年10月時点の情報をもとに作成しております。

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