高齢出産は何歳から?どのようなリスクがあるか、気を付ける点などを解説
楽天お金の総合案内 みんなのマネ活 / 2023年11月29日 10時0分
近年、出産年齢は上昇し、40代や50代で赤ちゃんを授かる人も増えてきました。新しい命を宿した喜びがある一方「高齢出産はハイリスク」といわれているのを見聞きした経験があり、不安に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。 しかし、ただ漠然と不安を感じているだけでは良いことはありません。高齢出産には具体的にどのようなリスクがあるのかをきちんと理解することが大切です。 ここでは、何歳からが高齢出産に該当するのか、また高齢出産にはどのようなリスクがあるのかなどを詳しく解説します。
高齢出産とは何歳から?
出産年齢が何歳からになると高齢出産といわれるのでしょうか。厚生労働省は特に定義していませんが、国際産科婦人科連合は初産が35歳以上のケースを「高齢出産」にあたるとしています。
身体の状態や体力などに個人差はあっても、統計的に30歳を過ぎたあたりから妊娠や出産時のさまざまなリスクが高くなることが主な理由となっています。
初婚年齢や第1子出産時の年齢が高齢化している
近年、女性が社会で活躍する機会が増大したことにより晩婚化がすすんでいることは耳にしたことがある方も多いでしょう。初婚年齢が高くなれば出産年齢もおのずと高くなり、高齢出産が増加する理由のひとつになっています。
厚生労働省には、男性女性それぞれの初婚年齢の推移を調査したデータがありますので、下表にまとめてみました。
夫妻の平均初婚年齢の年次推移
平成7年の初婚年齢の調査では男性が28.5歳、女性が26.3歳だったのが、令和4年の調査時では男性31.1歳、女性29.7歳となっており、男性は2.6歳、女性は3.4歳年齢が高くなっていることがわかります。
また、厚生労働省の同調査では、第1子出産時の母の平均年齢も発表されています。下表にまとめましたのでご覧ください。
第1子出生時の母の平均年齢の年次推移
平成7年における第1子出産時の平均年齢は27.5歳でしたが、令和4年の調査では30.9歳と、3.4歳年齢が高くなっています。徐々に平均年齢が高くなっていることがわかります。
初産と経産婦では考え方が違う?
「高齢出産」をする人の中には、高齢になって初めて出産する人と、すでに出産経験のある人が高齢で出産するケースがありますが、同じように考えられるのでしょうか。
日本産科婦人科学会は、35歳以上で第1子を出産する女性を「高年初産」と定義するだけで、すでに出産経験のある女性(経産婦)の高齢出産という考え方は採用していません。一方、国際産科婦人科連合では、高齢出産の定義を「初産婦では35歳以上、経産婦では40歳以上」と定めており、経産婦でも高齢出産になるとしています。
高齢出産でのリスクと気を付けるポイント
妊娠の有無にかかわらず、一般的に年齢が上がっていくほど高血圧や糖尿病などの病気にかかるリスクは大きくなっていきます。そこに、妊娠や出産といった負担のかかることが重なるので、さらに影響が出る可能性があります。
では、高齢出産になると具体的にどのようなリスクがあるのか確認していきましょう。
妊婦特有の病気にかかりやすい
妊娠中は、「妊娠高血圧症候群」や「妊娠糖尿病」などの妊婦特有の病気になる可能性があります。
妊娠高血圧症候群になると、赤ちゃんの発育状態に影響が出たり、母子ともに危険な状態になったりすることがあります。妊娠高血圧症候群は妊婦の約20人に1人がなる確率があり、40歳を超えると特になりやすいとされています。しかし、定期検診などで早期発見が可能なので、検査は忘れずに受けるようにしましょう。
また、妊娠糖尿病は、妊娠後に急激に体重が増えた人や妊娠後期の人、家族に糖尿病の人がいる人などのほか、高齢出産になるほどリスクが高くなる傾向があります。糖分の摂取量に気を付けたり適度な運動を心がけたりして、予防することが大切です。
流産や早産の可能性が高くなる
高齢出産のリスクには、流産や早産といったこともあります。日本産科婦人科学会によると、流産と早産はそれぞれ次のように定義されています。
流産・早産の定義
また、日本産婦人科学会は「正期産」を妊娠37週0日から妊娠41週6日までの出産としています。妊娠22週目から37週目以前に出産した場合は早産に該当し、妊娠22週未満で出産した場合は流産として取り扱われます。
なお、22週で出産した場合、胎児は500gほどの大きさしかないため、集中治療室で長期間の治療が必要になります。
出産が長引くなど難産になりやすい?
高年齢での出産では、赤ちゃんが通ってくる産道の「軟産道」という部分が硬くなってしまい、赤ちゃんが下りてくるのが難しくなる場合があります。
一般的に、軟産道は赤ちゃんが下りてくるにしたがって広がり、赤ちゃんが通りやすくなりますが、高年齢での出産は軟産道が硬くなってしまうこともあり、出産が長引くなど難産になることがあります。
妊娠中の不測の事態はどの年代でも起こり得る?
妊娠・出産は若ければノーリスクというわけではなく、どの年代においても不測の事態は起こり得ます。それだけ妊娠・出産はデリケートなものです。
妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病、前置胎盤、胎盤早期剥離などは高齢出産でリスクが高くなります。しかし、早産のリスクは25歳~35歳にかけては比較的少なく安定していますが、20代前半と30代後半とでは同じくらいの割合で発生しており、高齢出産特有のリスクとはいえません。
さらに、切迫早産や前期破水は高齢出産になるほど発生リスクは低くなり、若い年齢での出産ほどリスクが高くなります。
このように、妊娠や出産において不測の事態は高齢出産だけではなく、すべての妊娠や出産において起こり得るものなのです。
高齢出産をもっと前向きにとらえる
高齢出産は、若い世代の出産と比べてリスクが高くなる傾向にありますが、高齢出産ならではのメリットもあります。
人生経験が豊かで経済的にもゆとりがあるケースが多い
高齢であることは、見方を変えればその分人生経験が豊富であるともいえます。これまでの人生で得られたさまざまな経験は、妊娠・出産中の不安定な精神状態を落ち着かせることに役立つでしょう。
また、これまで人間関係を築いてきた周囲の人からも、心強いサポートを受けることができるでしょう。
さらに、社会人としての経験年数が長いため、若い世代の妊娠・出産と比べると経済的にゆとりがあるケースが多いです。費用の心配を少なく出産に臨めることはメリットと考えられるでしょう。
より慎重に出産への準備ができるケースが多い
高齢出産はリスクが高いという意識があるため、無事に出産を迎えられるように、より慎重に妊娠生活を送るケースが多いです。妊婦さん本人だけでなくパートナーも妊娠や出産についての知識や理解を深め、ふたりで協力し合って過ごすと良いでしょう。
また、万が一身体から何らかのサインを感じた場合でも、長年の経験から危機的状況を察しやすいというメリットもあります。何か異変があった場合でも、体の変化やサインを感じとり早めに受診できれば、母子を守ることにつながります。
高齢出産に備えて、日頃からできること
高齢出産のリスクを軽減するために、日頃からできることを生活に取り入れてみましょう。妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などは、生活習慣に気を付けることでリスク軽減につながります。
高齢出産に備えて、日々できることを以下にまとめました。
- 妊婦検診(定期健診)は忘れずに受ける
- 栄養バランスの取れた食事をとる
- 適度な運動をする
- 適正な体重増加を目指す
- ストレスを溜めない
- 家事や仕事で無理をしない など
妊婦検診は、母子の状態を確認するうえで大切なものです。忘れずに受診しましょう。栄養バランスの取れた食事をとることや、適度な運動を取り入れることも大切です。
妊婦検診の際は体重測定も行いますので、経過に応じた適正体重増加の範囲に収まるように心がけましょう。ストレスを溜めない、家事や仕事などがオーバーワークにならないように気を付けることも大切です。
高齢出産のリスクについて正しい知識を身に付けましょう
高齢出産は母体や赤ちゃんに負担のかかるものではありますが、必ずしもハイリスクというわけではありません。妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病、流産・早産などは高齢出産でのリスクが高くなりますが、そもそも妊娠・出産自体が年齢にかかわらずリスクをともなうものと考えるべきです。
生まれてくる赤ちゃんのために、母体を健康に保つことでできるだけリスクを軽減した状態で出産に臨めると良いでしょう。
妊娠・出産では、母子の健康のためにも医療機関での健診などが大切ですが、場合によっては高額な費用がかかることもあるかもしれません。そのような場面で便利なのがクレジットカードです。例えば、楽天カードでは、100円で1ポイントの還元(※)を受けられるため、現金での支払いよりもお得といえるでしょう。
近年、クレジットカードで支払いができる病院は増加傾向にあるので、この機会に自分が利用している病院の支払い方法を確認してみてはいかがでしょうか。
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※この記事は2023年11月時点の情報をもとに作成しております。
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