ロストバゲージとは?遭遇した際の対処方法から防止策、補償についても解説
楽天お金の総合案内 みんなのマネ活 / 2023年12月20日 10時0分
海外旅行や出張で目的地の空港に到着後、預けた荷物が見当たらない場合はどうしたら良いでしょうか。 ここでは、空港で自分の荷物が見当たらないロストバゲージの原因や、具体的な対処法について解説します。 見知らぬ地で心細い思いをしなくても済むように、ロストバゲージ対策のポイントをしっかりと把握してから、海外に出発しましょう。
ロストバゲージとは
ロストバゲージとは、出発空港のカウンターで預けた荷物が行方不明になり、到着した空港で受け取れないトラブルです。国際線やトランジットといわれる飛行機の乗り換えを利用する海外旅行・出張で発生しやすいため、これから海外に行く予定がある方は注意しましょう。
ただ、ロストバゲージの発生確率は非常に低いという調査結果もあります。アメリカ運輸省のデータによると、2022年10月にアメリカの主要航空会社で発生した荷物の取り扱いミスの割合は平均で0.49%程度と非常に低い数値です。また、このデータには紛失だけでなく損傷や遅延も含まれており、完全に荷物を紛失してしまうケースは稀であるとも考えられます。
とはいえ、空港に到着してから荷物が見つからないと心配になるでしょう。ロストバゲージに見舞われると、空港の手荷物取引所や航空会社の職員とコミュニケーションを取らなければいけない場合もあるかもしれません。
ここからは、ロストバゲージにあわないための対策や、実際に遭遇したときの対処法を詳しく見ていきます。
ロストバゲージが起きる原因
ロストバゲージが起きる主な原因は、次のものが考えられます。
- タグ発行時のミス
- 経由地での荷物の積み忘れや遅れ
- 荷物の取り違え
ロストバゲージの原因の中には、渡航者が防ぎようのないこともあります。一方で、原因を知ることで対策を取れるものもあるため、ひとつずつ確認しておきましょう。
タグ発行時のミス
ロストバゲージの発生原因のひとつは、荷物を預ける際に発行されるタグの発行ミスです。
タグには行先や搭乗便などが記載されますが、発行に誤りがある場合、実際の行き先とは別の場所に荷物が運ばれてしまいます。この場合、荷物が手元に戻ってくるまでに時間がかかる可能性があります。
タグ発行時のミスの対応策
荷物を預けた際には控え(半券)が発行されるため、行先や搭乗便の記載に間違いがないか、必ず確認しましょう。搭乗券の裏側に貼られていることも多いため、注意して見直してみてください。
また、タグを自分で発行するケースもあるため、丁寧に確認して間違いのないように発行しましょう。
経由地での荷物の積み忘れや遅れ
長距離のフライトや複数の空港を経由する場合、途中の空港で荷物の積み込みミスが発生する可能性があります。
乗り継ぎ便を利用する際の乗り継ぎ時間が短く、荷物の積み替えが間に合わないなどの原因が考えられます。
この場合、荷物は次の便に乗せられるので、遅れて受け取ることが多いです。ただし、1日1便のみなど便数が少ない場合、数日待たなければならないこともあります。
なお、このケースは荷物を紛失したというロストバゲージではなく、単に荷物の到着が遅れているディレイドバゲージという状態です。
経由地での荷物の積み忘れや遅れを防ぐ対策
乗り継ぎ時間に余裕のある計画を立てることで、ディレイドバゲージを避けられるでしょう。
また、出発地の空港で出航時刻直前に荷物を預けると、荷物の積み込みが間に合わないことがあります。海外旅行に慣れていない方は、計画や行動に余裕を持つよう心がけましょう。
荷物の取り違え
空港に到着すると、バゲージクレームという荷物を受け取るエリアで、多くの渡航者が自分の荷物を待っています。
似たようなスーツケースも多いため、間違えて持って行ってしまうという可能性もあるでしょう。荷物のタグと半券番号の確認が行われないこともあるため、荷物の取り違えが発生しやすいと考えられます。
荷物の取り違えを防ぐ対策
到着空港で荷物を受け取る際には、必ず荷物に付いているタグと控え(半券)の番号を確認しましょう。
また、デザインがシンプルなスーツケースは、間違えられやすいことが多いです。自分のスーツケースに目立つベルトやバンダナ、ネームタグを付けたり、珍しい色や形など特徴のあるスーツケースを利用したりすると、他人に取り違えられるリスクを抑えられるでしょう。
ロストバゲージに遭った際に役立つ事前対策
ロストバゲージに遭った際に役立つ事前対策は以下のとおりです。
- 旅行中のトラブル補償がある保険に加入する
- 英語の準備をしておく
- 貴重品は手荷物に入れる
- 預ける荷物の写真を撮る
- 預ける荷物や中身をメモする
- 過去のタグはすべて外す
- 乗り継ぎのときに預けた荷物を1度受け取る
万が一あった場合にも慌てないよう、事前の対策をしっかりと知り、海外での時間を楽しめるように準備をしておきましょう。
旅行中のトラブル補償がある保険に加入する
ロストバゲージのトラブルに備えるには、旅行保険への加入がおすすめです。荷物の紛失や遅延、損傷などによる補償を受けられるものもあります。
英語の準備をしておく
ロストバゲージにあうと、空港職員や関係者と会話をしなければなりません。基本的には外国語での会話になるため、使用頻度の高い英語の準備をしておくと良いでしょう。
ロストバゲージで利用しやすいフレーズをいくつか紹介します。以下をメモしたり、印刷したりして準備すれば、焦らずに対応できるでしょう。
自分の荷物が見当たらないとき
英語フレーズ:Excuse me, I can't find my baggage.
日本語訳:すみません、私の荷物が見当たりません。
ほかの乗客の荷物は出てきたが、自分の荷物だけがまだ出てこないとき
英語フレーズ:I've waited for a while, but my baggage hasn't come out.
日本語訳:しばらく待ちましたが、私のスーツケースが出てきません。
荷物の所在や返却までの時間を尋ねるとき
英語フレーズ:How long will it take to find my baggage?
日本語訳:荷物を見つけるのに、どれくらい時間がかかりますか?
荷物が見つからない場合の手続きや対応について尋ねるとき
英語フレーズ:What should I do if my baggage is not found?
日本語訳:荷物が見つからない場合、どうすれば良いですか?
荷物が遅延または紛失した場合の補償について尋ねるとき
英語フレーズ:Is there any compensation for delayed or lost baggage?
日本語訳:遅延や紛失した荷物に対する補償はありますか?
荷物が見つかった際に、ホテルまで配送してもらいたいとき
英語フレーズ:Can you deliver my baggage to my hotel once it's found?
日本語訳:荷物が見つかったら、ホテルまで届けてもらえますか?
貴重品は手荷物に入れる
飛行機の預け入れ荷物には、貴重品や到着後に必要なアイテムを入れないようにしましょう。万が一、荷物が紛失した場合でも、大切なものが手元に残るようにするためです。
預ける荷物の写真を撮る
写真は荷物が紛失した際、スーツケースの特徴を伝えるのに役立ちます。また、中身の写真も撮っておくと、内容物の確認や補償の際に有利になる可能性があります。
預ける荷物や中身をメモする
荷物が紛失した際にスムーズに捜索などの対応してもらえるよう、荷物の特徴や中身を英語で記載したメモを持っておくと便利です。
メモには荷物のサイズや色、メーカーなどを書いておくと、よりわかりやすいでしょう。
過去のタグはすべて外す
古いタグが付いていると、荷物が誤って別の目的地に運ばれる原因となります。出発前に確認し、古いタグは取り外しましょう。
乗り継ぎのときに預けた荷物を1度受け取る
乗り継ぎが短時間の場合や、異なる航空会社を利用する場合は、積み忘れや遅れが起きやすいものです。一旦荷物を受け取り、再度預けることを検討しましょう。
ロストバゲージにあった際の対処方法
しっかりと対策をしていたにもかかわらず、ロストバゲージにあってしまったときの対処法を紹介します。
周りの乗客が荷物を手にしていくのを横目に、自分の荷物が見当たらないときの不安は大きなものです。以下のポイントを押さえて、落ち着いて行動しましょう。
- タグの控えと搭乗券を準備
- カウンターで荷物がないことを伝える
- 手荷物事故報告書などの申請書類を作成する
- 保険会社等に連絡
いくら待っても荷物が見つからないときは、ロストバゲージの可能性があります。まずは、出発の際に荷物に付けたタグの控え(半券)と搭乗券を用意してください。
空港のカウンターに行って、荷物がないことを伝えます。カウンターの場所やどこに行けば良いのかわからないときは、近くの職員に声をかけましょう。どのように声をかけたら良いかわからないときは、先述の英語フレーズで尋ねてみると良いでしょう。
職員が荷物を探してくれるため、しばらく待ちましょう。それでも見つからないときは、荷物を失ったことを証明するための書類を作成します。手荷物事故報告書や紛失証明書という書類(PIR:Property Irregularity Report)で、のちの補償などにも使うため、控えは捨てず大切に保管してください。また、書類への記入は基本的にすべて英語です。荷物の特徴などを英語で書いたメモがあれば、書類を作成するときに役立ちます。
航空会社によっては、アメニティなどのトラベルキットを受け取れるかもしれません。そのため、賠償についても必ず尋ね、航空会社の連絡先をメモしておきましょう。英語に自信がない方は、先述の英語のフレーズを活用してください。
海外で心細いという気持ちもあるかもしれませんが、臆せず言うべきことは言い、聞くべきことは聞く姿勢が大切です。
ロストバゲージに補償はある?
航空会社によっては、荷物が紛失した際に生活必需品や着替えを入れたセットを提供してくれることがあります。また、必要なアイテムの購入費用も、一定の範囲内で補償してもらえる可能性があるため、必ず航空会社の職員に尋ねましょう。
最終的に荷物が見つからない場合は、一般的に1〜2カ月程度で航空会社から紛失通知が届きます。
国内航空会社大手の全日本空輸株式会社(ANA)は、公式サイトで以下のように明言しています。
ただし、補償の詳細や金額は航空会社ごとに異なり、具体的な補償は航空会社のガイドラインに沿って行われます。
高価なお土産などが荷物に入っていた場合、購入時のレシートなど証明できるものがあると、補償の際に役立つでしょう。
また、海外旅行保険に加入していれば、荷物の遅延や紛失に対する補償が受けられるかもしれません。詳しい内容や補償の範囲は、保険の契約内容や保険会社によって異なるため、事前に確認しておくと良いでしょう。
ロストバゲージ対策をして渡航を楽しもう
ここまで、ロストバゲージの原因や防ぐ方法、遭遇したときの対処法を解説しました。
航空会社の企業努力や先進的なシステムの開発により、ロストバゲージの確率は低くなっています。しかし、万が一荷物を失ってしまったときや見当たらないときでも、対処法を知っていれば落ち着いて行動できるはずです。
これまでに紹介した対策を確認し、充実した渡航を楽しみましょう。
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※この記事は、2023年12月時点の情報をもとに作成しております。
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