自転車保険の加入義務化はいつから?対象の自治体や入らないとどうなるかも解説
楽天お金の総合案内 みんなのマネ活 / 2024年3月12日 10時0分
自転車保険の加入が義務化されたと聞いて、「自分の地域はどうか」と疑問に思う方もいるでしょう。加入義務化は各都道府県が独自に進めており、導入されている地域は徐々に増えています。ここでは、自転車保険の加入義務化や補償内容などについて詳しく解説します。
自転車保険の加入義務化
自転車保険とは、自転車の使用時に発生したトラブルに対応してくれる補償のことです。
万が一の事故に備えて自転車保険の加入を国が推進しているため、加入を義務化する都道府県が増加しています。
自転車保険は、相手にケガをさせたのか、自身がケガをしたのかで補償内容が異なります。一般的な補償内容の詳細は、以下の表をご参照ください。
一般的な自転車保険の補償内容
上記の中でも加入が義務付けられているのは、他人にケガや後遺障害を負わせたり死亡させたりしたときに損害を賠償する「個人賠償責任保険」です。
自転車保険の加入義務化はいつから?
自転車保険の加入義務化は、2015年に兵庫県で初めて導入されました。しかし、義務化への対応は各都道府県によって異なります。
国土交通省によると、2023年4月時点で自転車保険が義務化されている都道府県は、以下のとおりです。
自転車保険の加入が義務化された地域が大半を占めており、普及が進んでいるといえます。
自転車保険の未加入に関する罰則
自転車保険に加入していなくても、罰則はありません。
しかし、自転車保険未加入の無保険状態で万が一事故を起こした場合、賠償金が多額になってしまうケースがあります。
住んでいる地域で自転車保険の加入が義務化されていなかったとしても、万が一の場合に備えて自転車保険へ加入しておくと安心でしょう。
自転車保険の補償内容や保険料について
自転車保険の一般的な補償内容や保険料・保険金について解説します。
自転車保険の主な補償内容
自転車保険の補償内容は、保険会社や契約するプランによって異なります。ここでは、主な補償内容として以下の7つを説明します。
- 死亡保険金
- 治療費に対する給付金
- 損害賠償責任に対する補償
- 示談交渉サービス
- 弁護士費用の補償
- ロードサービス
- 車両盗難に対する補償
死亡保険金
死亡保険金は、自転車事故が原因で被保険者が死亡した場合に、遺族に支払われる保険金です。遺族が直面する可能性のある経済的な負担を軽減できます。保険金の給付額は契約内容によって異なり、一般的に数百万円から数千万円の範囲で設定されています。
死亡保険金は遺族の生活費や教育費など、今後の生活を支えるための資金源として重要です。
治療費に対する給付金
自転車事故により負傷した場合、治療費の一部または全額が補償されます。具体的には、入院や手術、通院治療にかかる費用などが対象です。
給付額や条件は保険会社や契約プランによって異なりますが、高額な医療費がかかった場合でも経済的な負担を軽減できます。
損害賠償責任に対する補償
自転車を運転中に他人を傷つけたり物を壊したりした場合、事故相手への損害賠償責任を負うケースがあります。賠償金は数百万円から数千万円に及ぶこともあり、過去には9,000万円以上の高額賠償が発生した事例もあります。
数千万円の賠償を自己資金でまかなうのは難しく、加害者が直面する可能性のある高額賠償から保護するのが、損害賠償責任の補償です。
補償の範囲には、一般的に治療費、慰謝料、修理費などが含まれます。
示談交渉サービス
自転車保険には、事故発生後の示談交渉をサポートするサービスが含まれていることが多いです。事故相手とのやり取りを自分で対応することなく、専門家が交渉を代行し、適切な解決に導きます。
示談交渉サービスを利用することにより、事故に関わる法的な手続きや交渉の負担が軽減されるでしょう。
弁護士費用の補償
自転車事故による法的なトラブルが生じた場合の、弁護士費用を補償するものです。主な補償内容は、損害賠償請求や示談交渉、法的アドバイス、書類作成などがあります。
自動車保険に弁護士費用補償の特約を付けている人もいますが、補償は自動車事故に限定されることが多いです。そのため、自転車事故に対応するためには、自転車保険に弁護士費用特約を付ける必要があります。
ロードサービス
ロードサービスは、自転車の故障やパンクの修理などのトラブル時に役立ちます。自転車のトラブルによって自力で走行できない場合でも、自転車を搬送してくれます。
車両盗難に対する補償
自転車が盗難に遭った場合、主に被害額に応じて保険金を受け取れる特約です。自宅に保管する自転車が盗まれたり、ツーリング先で盗難被害にあったりするケースもあります。
高額なスポーツ自転車を所有する人などは付けておくと安心な補償内容です。
すべての自転車保険に上記の補償内容が含まれるとは限らず、保険会社や契約プランによって適用される内容は異なります。
自転車保険の保険料は契約プランによって異なる
自転車保険の保険料は保険会社やプランによって異なります。契約プランは、主に以下3つのケースに分けられます。
- 自転車を運転する本人のみ補償する場合(本人型)
- 夫婦ともに補償する場合(夫婦型)
- 家族全員を補償する場合(家族型)
それぞれの平均的な保険料や給付金・保険金額を、下記の表にまとめました。
自転車保険の保険料の目安
自転車保険の給付金・保険金額の目安
本人型よりも夫婦・家族など補償を受ける人が多いほど、保険料はあがりますが、家族まとめて加入すると割安になるケースもあります。
なお、上記の保険料や給付金・保険金額は、あくまでも平均的なものです。実際の保険料や給付金・保険金額は、保険会社やプランによって異なるため、加入前に確認しましょう。
自転車保険は加入中の保険でまかなえる?確認すべき2つのポイント
自転車保険に加入しなくても「個人賠償責任保険」があれば、自転車事故に必要な補償が付いています。
「特約」を確認せず自転車保険に加入すると、二重に保険料を支払うことになるため、自前に確認しましょう。
以下に、2つのポイントを解説します。
火災保険や自動車保険に特約が付いているか確認しよう
火災保険や自動車保険には「個人賠償責任補償特約」や「日常生活賠償特約」などの名称で、自転車に関する事故に必要な補償が付帯しているものもあります。
上記の特約は、契約者本人だけでなく家族も対象としているものが大半のため、家族が加入中の保険やクレジットカードに付帯するサービスを把握しておきましょう。
個人賠償責任補償の補償額を確認しよう
自転車保険の個人賠償責任補償の補償額は、保険会社やプランによって異なります。補償額が無制限のところもあれば上限が設けられている場合もあるため、自分が安心できる補償額かどうか確認しましょう。
自転車による事故の事例をいくつか紹介します。
- 小学生が自転車で走行中に歩いている女性と接触し、女性が転倒。意識が戻らないと診断された
- 高校生がイヤホンを装着して自転車で走行。警察官が制止したが衝突し、警察官が死亡した
いずれの事故も、裁判所により9,000万円以上の損害賠償金を科す判決が言い渡されています。加害者になったとき多額の損害賠償を支払う可能性があるということを心に留めておきましょう。
自転車保険の加入方法3選
自転車保険に加入する手段は3つあります。
いずれも手軽に利用できるため、自分に合った方法を検討しましょう。
インターネットで加入する
インターネットを利用すれば、自宅でいつでも加入できます。
保険会社の公式ホームページや、インターネット上で取り扱っている保険など複数の種類があるため、比較しながら選べるのがメリットといえるでしょう。
自転車販売店で加入する
自転車の購入時や、修理を依頼した際に一緒に手続きできるため、加入し忘れる心配がありません。
ただし、自転車販売店で申し込む保険は、販売店が提携している保険会社に限定されます。希望している保険会社がある場合は販売店では加入できない可能性があるため、あらかじめ確認してから加入しましょう。
コンビニで加入する
街のコンビニに設置されている「チケット申し込み用の機械」や「マルチコピー機」などから自転車保険に加入できます。
コンビニによって取り扱っている保険会社が異なるため、こちらも事前に確認してから希望の保険会社を扱うコンビニで手続きすると良いでしょう。
自転車保険に加入して万が一に備えよう
自転車は子供から大人まで多くの人が気軽に利用できる乗り物ですが、事故を起こす危険性も十分にあります。自転車事故による損害賠償金が高額になった事例もあり、自分だけでなく家族の身を守るためにも、自転車保険について知っておきましょう。
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※この記事は、2024年2月時点の情報をもとに作成しております。
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