“ビブグルマン”は本当に安くて美味しいの?東京8店を再調査(和食/東京)

まとメシ / 2017年8月13日 9時28分

世界が認めた味を再調査!「ミシュランガイド2016」のなかにビブグルマンとして多くの店が選ばれている。しかし、ラーメンや餃子、カレーなど日本の庶民の味をどれくらい評価できているのか。世界の舌の実力を知るべく、本誌取材班が再調査! エリア:代々木上原/阿佐ヶ谷/水天宮前/浅草/銀座/大塚/押上 

本誌と結構かぶってますね

本誌で約10年間にわたって覆面ライターを務めている菜々山いく子(以下菜)が、2016年版ミシュランガイドのビブグルマンに初登場した店を、勝手に再調査。 良いも悪いも、ありのままをご報告いたします!

今回調査したのは、餃子、うどん、ラーメン、カレーなどのいわゆる庶民の味・B級グルメ。   まずは餃子部門で注目したのが代々木上原の「按田餃子」へ。

キレイになれる!? 独創的な水餃子

写真:豚 大根と搾菜 486円

按田餃子(最寄駅:代々木上原駅)
https://matomeshi.jp/articles/584

菜「へえ、この店は本誌でも取り上げたことないみたい」   ビブグルマンの料理の評価という項目にはこのように書いてある。 【5000円(サービス料、席料含む)以下で特におすすめの食事を提供している】 実は、本誌が基準とする「ひとり5000円程度で食事ができる店」という基本路線にかぶっているせいか、自慢じゃないが(自慢だが)かなりの割合で過去に掲載した店が載っている。 ぶっちゃけ、「『おと週』読んで調査する店の選定してない?」って個人的に思っているフシはある。 話はそれたが、コチラの名物の水餃子は皮に特徴アリ。健康と美容を意識したハトムギ粉入りで、厚くてモッチモチの食感だ。 同行した編集・武内氏(以下武)も武「なんか素朴な味でいいなあ。すきだなあ」 結論→ビブグルマンも質実剛健な良い店探してくるじゃん!

さて、阿佐ヶ谷の「餃子坊豚八戒」。こちらは餃子業界では有名店。

鶏ガラスープで奥深いコクの餡

写真:華餃子 580円

モチロン本誌は何度も取り上げている。改めて行ってみると、餃子の美味しさは健在。加えて、ビブグルマン掲載という敷居の高さを一切感じさせない、変わらぬ気軽さもいい。 気の合う仲間と、餃子をつまみに紹興酒をグイグイやる。そんな過ごし方が似合う店だ。

餃子坊 豚八戒(最寄駅:阿佐ケ谷駅)
https://matomeshi.jp/articles/585

さて、うどん部門。水天宮前 にある「讃岐うどん谷や」へ 足を運んだ。

“3たて”で風味豊かな讃岐うどん

写真:谷やスペシャル 1500円

武「ココも取材済み?」 菜「うん、とりあえず大将がイケメン♥なんだよね~」   久々に行ってみると、“打ちたて、切り立て、茹でたて” の “3たて”を出す方針は変わっていないようで、ひっきりなしに打ち場から、うどんを切るリズミカルな音が聞こえてくる。 讃岐うどんの中でも太麺で、かなりのモチモチ感と、強い小麦の風味がたまらない。そして大将もやっぱり男前。 数年前とちょっと違うのは、外国人観光客の姿もチラホラ見受けられるところか。もし英語が話せるなら、「東京のうどん屋の中でも、 この店チョイスしたの、ナイスよ!」と言ってあげたい。

讃岐うどん 谷や(最寄駅:水天宮前駅)
https://matomeshi.jp/articles/586

一方、それほどナイスチョイスとは思えない店もあった。六本木にある「H」だ。つまみは、どれも洗練されてていい味だし、接客もカンペキ。 肝心のうどんについては、 武「悪くないですね」 喉ごしもいいし、美味しいと言ってもいい。 しかし! 菜「かけうどんが1000円ってどうなよ?」   私が最もよく行くうどん屋「丸亀製麺」なんて290円だっつの! 武「それは、比べるモノではないんじゃないかと……」   そんなの分かってる!   賃料もめちゃくちゃ高そうだし、センスのいい和の設えの内装にもお金かかってそう。スタッフだって大勢いる。菜「でも、うどんって、もっとニッポン人の日常に寄りそう食べ物だと思うの!」   ビブグルマンの調査員さん、コスパってものをもうちょっと意識してみてもいいかも。

  おでん部門で、今年新規に掲載されたのは1軒だけ。大正4年創業の浅草・千束にある「大多福」だ。 ビブグルマンの紹介記事はこう綴られている。【古き良き日本を肌で感じることができる1軒だ】 菜「月並みな表現だけど、実際そうなんだよね」

丁寧な仕込みで変わらぬ味を守る

写真:おでん盛り合せ(大根 330円、たこ足 760円、焼どうふ 220円 、つみ入れ 330円、こんにゃく 110円 、昆布 110円、半ぺん 430円)牛すじ煮込み 900円

大きな提灯の灯る風情ある入り口の扉を開けると、ダシの香りがぷぅんとくる。カウンターでは店主と談笑しながらおでんをつつきつつ酒盃を傾ける人々。 百年前と変わらぬ光景だろう。 武「いい雰囲気ですなあ」   約40種類あるおでん種は、それぞれ素材によって仕込みを変えているそうで、実はとんでもなく手間ひまをかけているのだ。 それを自慢するでもなく、サラッと出す。粋ですねえ。 菜「歴史、味、風情。東京のおでん屋の王者です!」   この店が選ばれるのは道理。 なんならもっとはやく掲載して欲しかった。

大多福(最寄駅:浅草駅)
https://matomeshi.jp/articles/587

さてさて、ここからは、みんなが大好きラーメン部門です。 今回、再調査したのは計4軒。 「銀座篝」、大塚「鳴龍」、上北沢「らぁめん小池」、野方「花道」だ。それぞれ、鶏白湯、担々麺、煮干し、味噌と、ジャンルは様々。 鶏白湯の「銀座篝」は、超人気店。

行列の絶えない人気店も登場

写真:鶏白湯SOBA(並) 950円

白濁したスープはトロリとして、鶏の旨みを凝縮しつつも、不思議と軽やか。トッピングの野菜も手が込んでおり、調査したこの日は、正月があけて間もない頃。六方剥きにされたクワイが乗っていた。 菜「季節感を演出してくるラーメンは初めてだわ」

銀座 篝(最寄駅:銀座駅)
https://matomeshi.jp/articles/588

「鳴龍」の担々麺も見事。

奥深いコクのスープに合わせた自家製麺

写真:担担麺 800円

歯切れのいい自家製の細麺に絡むのは、ゴマの風味たっぷりで、キレのあるスープ。 武「担々麺ってワリとずっしりくるタイプが多いけど、ここのはバランスがサイコーです!」   でしょう。実は以前から何度も通っている。行列ぎらいな私でさえも、この店だけは開店前から並んででも食べたいと思う味なのだ。

創作麺工房 鳴龍(最寄駅:大塚駅)
https://matomeshi.jp/articles/589

他にも味噌ラーメンの「花道」では、シャキッと炒められたモヤシの食感と、モチモチ太麺の相性が抜群だったし、 「らぁめん小池」では、ガツンときかせた煮干しスープが後をひく旨さ。どこも、甲乙つけ難いかなりの高レベル。 ただ! 前述の2軒が、ほんの少し抜きん出ている印象。どの店でも共通していたのが、接客にも、すごく気を配っていたこと。味はモチロン、そんなところもビブグルマン調査員の目にとまったことは明らかだろう。

お次はこれまた国民食のカレーだ。カレー部門にノミネートされたのは、すべて新規掲載店。つまり、2016年版からこのジャンルが創設されたのだ。   荻窪の「トマト」は、本誌の常連。たっぷりの野菜やフォンドボーを使って、1週間以上かけて作られる欧風カレーは、とんでもなく深みがあるし、他店ではマネできない美味しさだ。 神保町の「共栄堂」も“スマトラカレー”という独自の味を、 大正13 年から打ち出し、全国にファン多し。 押上にある「スパイスカフェ」の南インド料理をベースにしたカレーは、都内屈指とも言われている。

スパイスの香りきわだつ南インド風カレー

写真:ペアカレーランチ 1400円

スパイスカフェ(最寄駅:押上駅)
https://matomeshi.jp/articles/590

菜「国別にカレーのトップバッターを揃えたって感じかな」   王道すぎて意外性にかけると思っていたら、あるじゃないですか。スープカレーの「Y」が! 本誌でも未掲載なので、さぞかし隠れた名店なのかと思っていたのだが、食べてみるとふたりの頭に「???」が。 菜「……フツーじゃない?」 武「フツー……ですよね?」   ひょっとして調査員さんって、 スープカレーの店、あまりご存知ない? もっと旨い店、他にいっぱいあると思うけど。なんなら本誌カレー特集のバックナンバーをご購入&熟読していただき、来年のラインナップの参考にされてはいかがかな。   そして、最後はお好み焼き。 「OSAKAきっちん。銀座本店」は、接客も雰囲気も良く、 接待やデートにも使えそう。

フワフワ食感のお好み焼きを

写真:OSAKAきっちんスペシャル 1620円

鉄板焼きも充実していて、単なる焼きトマトも、パリパリのチーズの羽根をまとわせるなど、演出も巧みだ。さて、お好み焼きはというと、 武「サクッとしてふわっふわ」   かなりの厚みはあるけど、飲んだ後でもペロリといける軽やかさ。ともすると、ソースの味が勝ってしまいがちだが、ここのは具材の味も、生地のダシの風味も、それぞれがキチンと存在感を主張している。 菜「この1枚に大阪の英知が結集してる!」   有名店とは言い難いこの店を発掘して評価するって、なかなかやりますね。

OSAKAきっちん。銀座本店(最寄駅:東銀座駅)
https://matomeshi.jp/articles/591

とまあ、ここまで色々書いてきたけれど、世界的権威のある本に、本誌がこれまで取り上げてきた数々の飲食店が載るってのは、実はちょっとうれしかったりもする♥   今後も、『おとなの週末』は、ビブグルマンに注目していきたいと思います。

まとメシ

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