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「レギュラー満タン、カブトムシもどうぞ」ガソリンスタンドで20年続くプレゼント…きっかけは照明に集まる虫

MBC南日本放送 / 2024年7月24日 19時11分

MBC

子どもたちが大好きなカブトムシ。20年ほど前から毎年夏休みに、このカブトムシやクワガタが日置市のある場所でプレゼントされています。カブトムシのプレゼントを続けるわけは?取材しました。

周囲に山林が広がる、日置市吹上町のガソリンスタンド。

(記者)「一見普通のスタンドですが、そのわきにいるのが、大きなクワガタ」

虫かごの中にいるのは、20匹ほどのカブトムシやクワガタです。大きな角が特徴のオスのカブトムシに、平べったい体のヒラタクワガタや、特徴的な長いあごを持つノコギリクワガタ。

いずれも、飼育されているわけではありません。このガソリンスタンドでは毎年、梅雨明けから夏休みが終わる8月末まで、給油した人に1匹ずつ無料でカブトムシやクワガタをプレゼントしています。

(小学4年生・女子)「くすぐったい、元気でかわいい。毎日えさやりして大切に育てたい」

(母親)「子どもが楽しんでいるので、夏休みの楽しみが1つ増えてとてもうれしいと思う。怖くない?」

(小学4年生)「怖くない、くすぐったい」「大切に育てよう」

(福田石油店 福田晋拓店主)「県外からとか帰ってくる人たちも楽しみにして帰ってきてくれたりする。『捕っておかないと』という義務感もある」

カブトムシやクワガタをプレゼントしているのは、福田石油店の店主・福田晋拓さん(52)。福田石油店は1960年に創業し、福田さんは2008年に父親から経営を引き継ぎました。

3年前から日置市の市議も務め、カブトムシなどのプレゼントは20年ほど前から始めました。プレゼントをはじめたきっかけは、ガソリンスタンドの照明でした。

(福田石油店 福田晋拓店主)「夜にスタンドの水銀灯にカブトムシが飛んでくるので捕まえておいたら、子供たちがほしいほしいと言う。それならどんどん捕まえておこうと思い、こういう風に入れてあげるようになった」


あかりに集まったカブトムシやクワガタを、近所の子どもたちにプレゼントしたところ「カブトムシがもらえるガソリンスタンド」として知られるようになったといいます。

やがて、照明に集まってくる虫だけでは足りなくなり、福田さんは毎年夏、妻の直美さんと毎晩、近くの山にとりに行くようになりました。

(福田さんの妻・直美さん)「毎日大変だなと思うが、やっぱりお客さんの喜ぶ顔がうれしい。夫が続ける限りはしようかなと思う」

取材している最中にも…。

(福田さん)「常連はかご持参で来ます。子どもだけじゃなくて大人の人たちももらいに来る」

(直美さん)「孫にばれますね」

(毎年カブトムシをもらう客)「ばれる、ばれる」
(直美さん)「孫にほしいと言われて、もらいに来たみたい」

(毎年カブトムシをもらう客)「山に行くかわりにここに来る」

(福田さん)「結構大人が喜んでます。わざわざ遠くから来てくれる人もいる、喜んでもらえるとうれしい」

この日、ガソリンスタンドに集まった子どもたち。向かった先は…。

福田さんは週に1回ほど、地域の子どもたちを連れてカブトムシをとりに行っています。ところが…。

慣れない虫に、悪戦苦闘。次第に慣れてきたのか、最後にはカブトムシやクワガタと触れ合っていました。

(参加した子ども)
「普段はあんまり行かない。お母さんが好きじゃない、虫が」
「うれしかった。カブトムシ捕るのが楽しかった。大きく育てたい」

(福田さん)「キャーキャー言いながらも触ってくれるのですごくうれしい。ただ、飼育かごからあげるよりも、自然にいる姿を見るほうが命の大切さもわかるんじゃないか」

15年前から日置市吹上浜で、ウミガメの保護を続けるなど、生き物を守る活動を続けてきた福田さん。

カブトムシやクワガタのプレゼントを通じて子どもたちに伝えたいのは、命の大切さです。

(福田石油店 福田晋拓店主)「ほとんどのカブトムシ、クワガタムシは1年で死んでしまう。命の大切さを学んでほしい」「オス、メスで飼っていたら卵を産んで、幼虫が生まれる、生き物の大事さを知ってほしい」

昼はガソリンスタンド、夜はカブトムシ捕り。夫婦二人三脚で20年、子どもたちを笑顔にするため福田さんは今夜も山へ向かいます。

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