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“1コマ40分・午前5時間授業”導入から半年 長くなった放課後…どうする? 鹿児島市

MBC南日本放送 / 2024年8月2日 19時40分

MBC

2日の特集は、長時間労働が問題となっている学校教員の働き方改革です。ニューズナウでは今年2月、教員の負担を減らそうと、長年続いた時間割のあり方を見直した鹿児島市の小学校の取り組みをお伝えしました。あれから半年。どんな変化が生まれたのか?取材しました。

鹿児島市にある全校児童722人の広木小学校です。正午前に始まった5時間目の授業。

一般的に5時間目は昼休みのあとですが、学校では今年1月から1コマを45分から40分に短縮。午前中の授業を4コマから5コマに増やしました。

短縮した分は、学校独自の学習時間をつくり、1年間に必要な授業時間は従来通り確保。さらに、昼休みなども短縮して児童の下校時刻を最大で70分早めたことで、教職員が放課後に教材研究などに充てる時間を倍以上に増やしました。

今年2月に取材した際、子どもたちや教員には概ね好評でした。半年が経ち、子どもたちは…。

(児童)
「今は慣れた」
「お腹は空くけど集中して一生懸命だから、みんなも多分同じ」
「(帰宅して)先に遊んでいても時間がある、宿題とかする」

意外なところにも効果が表れていました。学校でのけがの発生件数です。4月からの3か月間で、去年の692件から今年は576件と、100件以上減少。授業時間を短縮することで、子どもたちの集中力が途切れづらくなったのではと、学校は考えています。

学校ではさらに新たな取り組みも。

社会の授業中の5年生。授業をしているのは、担任の教諭ではありません。

(5年4組の担任 前田庸介教諭)「今は子どもたちがやってきた宿題を見たのと、きょう授業をして、もう少し必要だと思ったのをプリントにした。教科担任制で時間ができて、その日のうちに宿題がつくれる。授業と家庭学習のつながりができる」

クラスの担任が全ての授業を担わず、教科ごとに専任の教員が教える「教科担任制」を一部で導入しました。1週間の担当授業が28コマから20コマに減った教員もいます。

さらに、通知表を年3回から2回に減らし、学期末には、通知表のかわりにオンラインの成績処理システムでまとめられたテスト結果の一覧を配ります。

「どこを学習したほうがいいかわかる。学習プラン・目標が立てやすい」

(今年度赴任 田村慶教諭)「(これまで)学期末にテストの集計と通知表作成が重なり、時間内におわらせるのが難しかった。子どもたちとの時間も増えるし、自分が帰ってからの時間も有効に使える」

こうした取り組みによって、広木小学校では、教員の時間外勤務が減少。1年で最も多忙な年度初めを見ると、去年は平均で30時間を超えていましたが、今年4月は14.6時間、5月、6月も20時間ほどに減りました。

(今春から教員に 髙田廉人教諭)「自分の時間が確保できるので、リフレッシュしながら仕事に取り組めている。(採用前との)ギャップを感じてきついと思うことはない」

一方で、保護者からは当初、午前5時間授業をして下校が最大70分早まったことに、「仕事があるなか子どもが早く帰ると困る」などの否定的な意見が70件寄せられていました。

特に下校が早まる水曜日。長くなった放課後に始めたのが…。

外部講師による放課後の「寺子屋」です。この日は、学校では学ぶ機会の少ないプログラミングを使ったゲームづくりにチャレンジ。

Q.興味はあった?
「あまりなかった。楽しかった」

「難しかった」
Q.なぜチャレンジしようと?
「ママがやってみる?って」

現在の月に1度の開催から今後は週1回に増やす予定です。こうした放課後の取り組みもあり、半年がたった今では、下校が早まったことに保護者から意見は寄せられていません。

教員の働き方改革を児童の学力向上にもつなげることが次の課題です。

(広木小学校 池浦也寸志校長)「学力向上・生徒指導・不登校の問題、(働き方が変わり)土台がしっかりしていれば、先生が保護者と話す時間・心の余裕ももてる、子どもの話を聞く余裕も(教員の余裕が)学力向上につながるのではないか」

教員の働き方改革を進めながらも、子どもたちの学びの質をどう高めていくか?学校現場では模索が続いています。

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