「過去最強クラス」最大級の警戒の中… 台風１０号ドキュメント

MBC

「過去最強クラス」ともいわれ最大級の警戒が呼びかけられる中県内に上陸した台風10号。各地に爪痕を残したこれまでの動きを振り返ります。

当初、紀伊半島付近への進路が予想されていたものの次第に九州方向に進路を変えながら非常に強い勢力へと発達した台風10号。

気象庁担当者「これまでに経験したことのないような暴風、高波、高潮が予想され、最大級の警戒が必要です」

気象庁は28日奄美地方を除く鹿児島県内に暴風、波浪、高潮の特別警報を相次いで発表。

県内に台風による特別警報が発表されたのはおととしの台風14号以来でした。

「台風の強風による倒木で道が完全にふさがれている」

記録的な大雨、経験したことない暴風への「最大級の警戒」が呼びかけられる中、交通機関は軒並み欠航や運休が相次ぎ、商業施設も臨時休業に。

台風の接近に備え、事前に避難する住民も多く見られました。

避難住民「油断はできないと思って、遠いところでも被害出ているので早め早めの避難できょう来た」

その後、台風10号は中心気圧935ヘクトパスカルまで発達し最大瞬間風速70メートルで、県本土の西側をゆっくりと北上。

「激しい風と共に大粒の雨が打ちつけています」

薩摩地方と種子島・屋久島地方に、線状降水帯発生情報が発表され各地で記録的な大雨を観測しました。

「出水市です。雨風ともにかなり強い。風はうねるように渦を巻いて雨は白く霧のように叩きつけている」

一夜明け、台風は29日午前8時ごろ薩摩川内市付近に上陸。

三島村では警戒レベル5の緊急安全確保が出されるなど、県内では最大23万人を対象に避難指示が出され、一時9800人が避難しました。

各地では徐々に被害が明らかに・・・

枕崎では「風で飛ばされた鉄パイプが電線にぶら下がっている」

枕崎市では、工場の外壁が崩れたり、周辺住宅の屋根瓦が飛ばされ落下したりしていました。

住民「生きた心地がしなかった。生まれて初めて。命さえあればいいと、家は壊れてもいいと思った、それほどすごい音だった」

鹿児島市では「鹿児島高校すぐそばのバス停。根元から後ろに倒れている」

鹿児島市でも倒木やバス停が倒れるなどの被害が確認されました。

西之表市では「道路標識根元から折れ、電線垂れ下がっている」

県内ではこれまでに住宅被害は50棟近く確認されています。
また、今月8日に発生した最大震度6弱の地震の被害を受けた地域では・・・

志布志市では「日向灘の地震で崩れた斜面の上のほうの木が強風で大きく揺れている」

がけ崩れの現場近くの住民は避難しているものの被害の拡大を心配する声も聞かれます。

住民「（隣が）姉の家だが、みんな避難している。あれが崩れないか、雨が強くなれば。それが心配」

県内の一部は暴風域を抜けておらず、広い範囲で停電も続いていて、復旧にはしばらく時間がかかりそうです。