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奄美群島の妊婦に影響 名瀬徳洲会病院11月から産科休診 鹿児島

MBC南日本放送 / 2024年9月5日 19時10分

MBC

奄美市にある名瀬徳洲会病院は、先月14日に、今年11月から産科を休診すると発表しました。出産を控えた妊婦や、病院から異動を命ぜられた産婦人科の医師から、不安や戸惑いの声が上がっています。

(松元亜海さん)「衝撃。私が11月半ばでの予定日だが『えっ、どうなるの』と思った。(休診になると)お産の数はもっと減るんじゃないか」

今年11月の中旬に7人目の出産を控えている奄美市の松元亜海さん(38)です。3人目の出産から名瀬徳洲会病院に通っています。

(松元亜海さん)「雰囲気が一番温かい。(病院のような)感じがしない、一番雰囲気がいい」

産科の休診については、担当の医師から直接説明があったといいます。

名瀬徳洲会病院の産婦人科医・小田切幸平医師(51)です。

(名瀬徳洲会病院産婦人科 小田切幸平医師)「自分の意思で人事異動を希望した望んだということは一切ない。今後もここで診療を続けるつもりだったし、お産をやめるつもりはまったくなかった」

静岡出身の小田切医師は、2007年に奄美大島に赴任しました。

17年間、奄美の産科医療に携わる中で、病院から遠い地域に住む妊婦をオンラインで見守る「遠隔診療」や、「宿泊型の産後ケア」を取り入れるなど、島のお産を支えてきました。

奄美大島に2つしかない産科。もうひとつの県立大島病院との連携も進めてきました。

(小田切幸平医師)「重症の赤ちゃんが生まれるという時もあるので、そういう時は大島病院の先生も駆けつけてくれてお産に立ち会ってもらうという体制も作ってきました」

県立大島病院と名瀬徳洲会病院では昨年度、342件の妊婦を受け入れてきました。奄美大島以外の周辺の島々の妊婦も含まれ、2つの病院は互いになくてはならない存在でした。

ただこの数年間全国の出生率低下と同じように奄美大島の出生率も下がり、お産をめぐる環境に大きな変化が起きています。

名瀬徳洲会病院での分娩数はピーク時の2012年度には280件ありました。しかし、2023年度には120件と半分以下にまで減少しました。

(小田切幸平医師)「どうしても収益としては落ちているというところは、責任を感じている。ただ、そういう収益面だけではとらえれない周産期医療とか産科医療は、地域にとって非常に大事なこと。将来のことを考えたら、島で出産できる場所が少なくなれば、出産したいという女性も減ってきてしまう」

産科休止の発表は地元では驚きと不安がひろがっています。継続を求めてオンライン署名の活動を始めた女性たちがいます。

先月、3人目の子どもを出産したばかりの久倉美枝子さんもその一人です。

(3人目を出産 久倉美枝子さん・37)「できれば現状が少しでも変わってくれればなという思いから署名活動だったりとか。先生に対してのお礼の言葉を先生に伝えたいなという気持ちから始めました」

西谷倫子さんは周りでも不安の声が広がっていると話します。

(1人目を出産 西谷倫子さん・33)「私の周りでも次の子どもを考えることを一旦考えるというふうな声も出ている。病院が2つ選べる選択肢が1つになってしまう、女性の権利として選べる選択肢がなくなるのは心配ですね」

先月17日から始めたオンライン署名は、5日までに、1800人を超える人が署名し、産科継続を求めています。

小田切医師は現在受け持っている患者とは最後まで向き合う意向を示しています。しかし、今後の身の振り方は決まっていません。

一方、名瀬徳洲会病院は産科休診の理由について、小田切医師の異動により産婦人科の医師が1人になり安全が担保されないためとしています。

名瀬徳洲会病院の産科休診は奄美大島の出産に少なからず影響を及ぼしそうです。

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