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ロケット延期しすぎ問題 当初の予定通り打ち上げられたのは4年前が最後

MBC南日本放送 / 2024年10月29日 19時55分

MBC

H3ロケットが30日に種子島宇宙センターから打ち上げられる予定でしたが、天候不良により延期となりました。種子島宇宙センターから当初の予定通りに打ち上げられたのは、4年前が最後です。

防衛省の通信衛星「きらめき3号」を搭載したH3ロケット4号機は、あす30日、種子島宇宙センターから打ち上げられる予定でしたが、JAXA=宇宙航空研究開発機構は、雷や強風が予想されるとして延期を発表しました。

打ち上げは当初、今月20日に予定されていましたが、H2A49号機の打ち上げが遅れたことから26日に延期。さらにその後の点検で冷却バルブの不調がわかり、30日に延期されていました。これで3度目の延期です。

ロケットを見に来た人は。
(宮城から)「26日をあてにして来たが、30日に延期になったので屋久島に行ってきた。きのう帰って来たが、途端にまた伸びるっていう…」

(千葉から)「きょう帰るので残念ながら見られない」(見られたらよかったのにね)「うん・・・炎がどうやって出るのかが気になってた」

度重なる打ち上げ延期。種子島宇宙センターからは、H2Aロケットと新型のH3ロケットが打ち上げられていますが、最初に設定した日程で打ち上げられたのは2020年の11月のH2A43号機が最後で、この4年間、当初の予定通りに打ち上げたことはありません。

2001年から20年以上打ち上げられているH2Aは、成功率およそ98%と世界最高水準を誇る一方、天候不良などで過去10年間で23回打ち上げが延期されています。搭載する衛星や探査機によっては宇宙での運用開始が遅れる可能性があるほか、対応する職員の人件費などコストもかかります。

地球の遠心力は赤道付近が大きいため、ロケットは赤道に近いほどより少ない力で打ち上げられます。

日本の南にある種子島宇宙センターは赤道に近く、打ち上げ方向となる東側に障害物がないことが利点ですが、台風の発生が多く、海からの風の影響を受けやすいというデメリットもあります。

海外のロケットは延期しても翌日には打ち上げ可能なものもありますが、日本のロケットは延期となった場合、燃料の抜き取りや点検などで、再打ち上げまでに2日間はあける必要があります。

種子島宇宙センターでは、打ち上げ当日、射点から3キロ圏内と、飛行経路に指定されている海上は立ち入りが制限されます。

警戒区域内で漁業を営み、その都度、予定の見直しが求められる地元漁師は。

(地元漁師)「この道をまっすぐ行くと橋がある。それより手前はダメ。3キロ外に出ないと」
Q.漁に出たいというタイミングで打ち上げが決まることも?
(地元漁師)「ある。その時は協力しないと」

世界で宇宙輸送ビジネスが激化する中、今月28日の説明会で、三菱重工業の担当者は「打ち上げ延期は、衛星の受注への直接的な影響にはならない」と述べました。

(三菱重工業 志村康治プロジェクトマネージャ)「少しでも早く打ち上げることが望ましいが、焦るよりも無事に打ち上げることが期待されている。受注に対しての直接的にネックにはならないと今は考えている」

現在の主力ロケット・H2Aは、打ち上げ費用がおよそ100億円と世界水準より3割ほど高いことから、今年度打ち上げ予定の50号機で運用を終え、コストがおよそ半分のH3に移行します。

H3は来年度、H2Aのおよそ2倍の6機の打ち上げを予定しています。打ち上げの信頼度を維持しながら、世界での存在感を高めることが出来るか、注目されます。

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