【接地逆転層】桜島が霞んで見えた理由は?【晴れて寒い朝 全国どこでも見られる光景】
MBC南日本放送 / 2025年1月22日 20時10分
【冬】晴れて寒い朝なら あたり前の光景ですが……
キーンと冷えた寒い朝、空高い所は青空ですが、空の低い所では白っぽく見えることがよくあります。どこでも見られる現象ですが、なぜ起こるでしょうか?
原因は【逆転層】の発生
答えは「空気の温度が逆転した」、つまり【逆転層】ができたからです。
ふつう、大気は上空に行くにつれて《気温が低く》なっていくので
[上の層の気温] < [下の層の気温] となっています。
しかし今朝は、地上付近に気温の低い層ができてしまいました。その結果、気温の低い層の上に、気温の高い層ができてしまう、気温の逆転【逆転層】ができてしまったのです。
地上付近に気温の低い層ができた原因は【放射冷却】が強まったからです。
今朝の最低気温は、鹿児島市3.4℃(前日‐3℃)、鹿児島空港‐1.5℃(前日‐3℃)まで下がり、地上付近の大気の方が冷えてしまいました。
この逆転層は、地面に接しているので正確には【接地逆転層】と言います。
【接地逆転層】は大気の状態が安定する
接地逆転層は安定しているため、地面に近い気温の低い層で空気が滞り、空が霞んでしまうのです。
地面に接したほんの数百mの層だけ気温が低いため、日差しが出るとその数百mの層も気温が上がり、対流が起きて逆転層は解消され、霞んだ空も昼頃には、見通しが良くなることが多くなります。
もっと勉強したい方へ
もっと勉強したい方や、気象予報士を目指す方は「エマグラム」の画像を付けておきますので参考にしてください。なお、桜島の標高は1117mです。
下記は、ラジオゾンデによる上空の観測値です(00Z 22 JAN 2025速報値)。
700hpa(3089m)‐4.7℃
850hpa(1536m)4.4℃
925hpa (845m) 6.8℃
1024hpa (4m) 5.4℃
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