“実録”詐欺と同じ電話が報道の翌日に…「住所も知られていた」 「佐賀県警クロキ」名乗る女からの電話 鹿児島

MBC

ニューズナウではおととい27日、警察や検事を名乗る人物からのうそ電話詐欺の事案をお伝えしましたが、その後、同じ内容の電話が鹿児島市の男性にもかかってきました。だましの手口の音声データです。

▶27日にお伝えした「うそ電話詐欺の事案」を読む

（佐賀県警のクロキを名乗る女／録音）「クロキと一つ約束していただきたいんですけど、大丈夫ですか？この事件の捜査が終わるまで国外に行かないこと」

鹿児島県警によりますと、県内ではこの半年間で、警察や検事を名乗る人物からのうそ電話詐欺被害が相次いでいます。今月には、30代女性が600万円をだまし取られました。

（鹿児島市内の20代男性）「怖いですよね、被害額もすごいので。まさか自分にかかってくるとは思わなかった」

鹿児島市に住む20代の男性です。28日昼過ぎ、「佐賀県警のクロキ」を名乗る女から電話があり、「詐欺事件の犯人の自宅からあなたのクレジットカードが出てきた。捜査に協力してほしい」という内容でした。

（鹿児島市内の20代男性）「ニュースと同じ内容で、クレジットカードが犯人の自宅から出てきたと言われて。過去にクレジットカードの不正利用通知が来ていたので、それかなと思い聞いていたんですけど…、クロキまで一緒だったので」

携帯番号での着信を不審に思い、「佐賀県警のクロキ」などとネットで検索したところ、実際の詐欺事例でも使われていた名前だったため、録音を始めました。電話の内容です。

（佐賀県警のクロキを名乗る女／録音）「あなたも容疑者の1人、捜査対象者という形。自身の身の潔白を証明していただきたい、よろしくお願いします」「我々捜査本部のアカウントと紐づけをしていただくので、LINEのアプリを開くことはできます？」

そして、通話アプリ・LINEへと誘導され、「クロキ」に指示されたアカウントを友達に登録。会話を進めたところ…。

（佐賀県警のクロキを名乗る女／録音）「あなたのアカウントを12時56分に紐づけすることができました。一度こちらの電話をお切りします。ビデオ通話を通して録音・録画を行い、ほかの捜査官に代わります」

通話では具体的なお金の話は出てきませんでしたが、男性は警察に相談し、LINEの連絡先を削除しました。これまでのところ、クロキを名乗る女らからの連絡は来ていないということです。

（鹿児島市内の20代男性）「心当たりがあるかもしれないことを言ってきた。細かい内容、住所も知っていた。個人情報漏えいに気を付けた方がいいと思った。そこがなければ電話も来なかったと思う」

県内で去年1年間に確認されたうそ電話詐欺とSNS型詐欺との被害額は、20億円を超えています。警察官などをかたる詐欺も多発していて、県警は振り込みを指示された場合は、警察や家族などに相談するよう呼びかけています。