日本一おいしい桃を決める全国桃選手権！野菜ソムリエたちが審査 ４６品種から選ばれた最高金賞は…

　今の時期にしか味わえない夏の味覚、桃。そんな桃の“日本一決定戦”が行われました。４６品種の頂点になった桃とは？

　７月２４日に行われた「第３回全国桃選手権」。全国の産地から集めた過去最多４６品がエントリー。日本野菜ソムリエ協会の主催で、味・食感・全体のバランスなどで審査して、今年最もおいしい桃を決めます。

　「野菜ソムリエプロ」の資格を持つＭＢＳ玉巻映美アナウンサーは２つの桃に注目してみました。

　訪れたのは和歌山県海南市にある３代続く桃農家「８ｆａｒｍ」。去年、銅賞を獲得した桃「川中島白桃」で、今年は最高金賞を狙います。

　（玉巻映美アナウンサー）「きれいに実っていますね、美しい。枝に対して逆の方向に力を加えます…簡単に取れました。左右対称にぷりっと丸くて発色も良くて、そして産毛がびっしり。これ新鮮な証拠ですよね」

　注目は桃にしてはめずらしい“かたさ”。

　（８ｆａｒｍ　北原欣治さん）「普通、桃ってやわらかいじゃないですか。これは握っていただくとかたいです」
　（玉巻アナ）「確かにしっかりとかたさを感じます」
　（北原さん）「ボールみたいな感じでしょ。食べるとシャキシャキして食感がいいんです」

　海南市がある高津地域は土が赤土のため、ミネラルを豊富に含んでいて、桃を作るのに適した土地になっているんだそうです。ただ、今年は桃農家を始めて以来、最も桃づくりが難しかった年だと北原さんは言います。

　（北原さん）「高温が今、一番ネックです。ここがいま病気なんです。高温障害で。皮をむくとこんな感じ」
　（玉巻アナ）「色が変色してしまっていますね」
　（北原さん）「だから商品価値がゼロなんです」
　
　さらに。

　（北原さん）「越冬したカメムシが卵産んで２代目になって今、親になって桃食べちゃうんですよ」
　（玉巻アナ）「高温障害とカメムシでどれくらい影響が出ていますか？」
　（北原さん）「６割ぐらいしかないですね、例年の収穫の」

　いまだかつてない難しさに見舞われながらも、より良い桃を作る努力を怠らなかった北原さん。

　（玉巻アナ）「去年の銅賞を受けて桃づくりを変えた部分はありますか？」
　（北原さん）「ここを見ての通り、除草剤やってないんですよ。大変なんですけどね」
　（玉巻アナ）「できるだけ薬を使わずに桃を育てる？」
　（北原さん）「そうですね。桃しゃべらないんでね。毎年、試行錯誤でやってます」

　北原さんの力作の桃を試食しました。

　（玉巻アナ）「んー甘い！おいしいです。本当に歯ごたえシャキシャキしてリンゴみたいですね」

　もうひとつの注目の桃は岡山県にありました。赤磐市の皿井洋志さんが育てている「つきあかり」。選手権に出品された中では珍しい黄桃です。

　その特徴は高い糖度と南国フルーツのような香り！玉巻アナが注目したのは、皿井さんの黄桃への熱い思いでした。多くの桃農家は贈答品として人気な白桃を育てていますが、皿井さんは選手権に白桃ではなく、あえて黄桃の「つきあかり」を出すと決めていたんだそうです。
　
　（皿井桃果園　皿井洋志さん）「愛ですね。これが１番僕は好きっていう思いです。今の時期、一番おいしい桃はどれだっていうのに重きをおいた賞だと思ってるので、今の時期、日本一おいしい桃だよっていう勲章をいただければ」

　そして２４日の選手権。一切の情報を伏せて審査員は評価しているため、私が注目している桃がどんな評価を受けているかわかりません。２時間の審査を終え、審査員に評価のポイントを聞いてみました。

　（審査した野菜ソムリエ）「もうおなかパンパンです。（評価のポイントは）香りですね。桃特有の香りに注目して審査しました」
　（審査した野菜ソムリエ）「食べた瞬間のかんだ食感と、そのあと口に広がるジューシーさ。幸せな時間でした」

　第３回全国桃選手権、最高金賞に選ばれたのは和歌山県紀の川市「前田農園」の「紀州白桃」でした。品評としては「とてもジューシーで喉を潤してくれる感が非常に快適。笑顔になれる桃」だということです。