“奈良のシカを蹴り上げビンタ”問題行為に観光客も「ひどい行為」「シカさんが痛そう」 ＤＪポリスが多言語で注意喚起

　「神の使い」への暴力にＮＯ！ＤＪポリスが出動です。

　７月、ＳＮＳで拡散された動画には、奈良公園の中を歩く男性が突然、前にいたシカの体を蹴り上げる様子が映っています。さらに、腹のあたりをもう一発。男性はそのまま歩きつづけ、シカの顔をビンタして立ち去りました。

　動画が撮影された奈良公園のシカは国の天然記念物に指定されていて、古くから「神の使い」として手厚く保護されています。

　今回の問題行為についてイタリアから来たという観光客に話を聞くと…

　「ひどい行為だ。動物への愛情の無さに賛成できない」

　東京から来た観光客の親子は、動画を見て…

　「えっひどい…」
　「痛そう…シカさんが」
　「自然と歴史が共生しているのが奈良のいいところだと思うので、ああいう悲しい行為を見るのは嫌ですね」

　周辺を管轄する奈良警察署によりますと、動画の拡散後、「シカを守って」「蹴った人を逮捕して」などという通報が、３０件以上寄せられたといいます。

　また、インバウンドの増加に伴ってシカとのトラブルが相次いでいたということで、今回出動したのがＤＪポリスです。

　（ＤＪポリス　※英語）「決してシカを蹴らないでください」
　（ＤＪポリス　※中国語）「奈良公園のシカは、国の天然記念物に指定されているので、大切にしてください」

　英語や中国をあやつり、奈良公園を訪れた観光客らにシカに危害を加えないよう注意を呼びかけました。

　（奈良警察署　中井一成刑事官）「夏休みに入って観光客がこれから増えますので、奈良に来た人に奈良公園のシカと優しく触れあっていただき、安全に観光していただきたいと思います」