【台風１０号】近畿で金曜の夜から土曜の午前中に「線状降水帯」発生の可能性 九州～関東ですでに大雨や突風による被害

　８月２９日、強い勢力を保って鹿児島県に上陸した台風１０号。一日かけてゆっくりと九州地方を北上。関東に至るまで大きな被害をもたらし続けています。

　最大瞬間風速５１．５ｍ／ｓを観測した鹿児島県枕崎市では、自動車工場の外壁部分が強風ではがれ落ちたり、ブロック塀が無残に倒壊したりしたほか、屋根瓦が飛ばされた家屋もありました。

　宮崎県では２８日に竜巻とみられる突風が発生。突風が過ぎ去ったあとの宮崎市内の道路にはたくさんの物が散乱。電線には大きな飛来物がぶら下がっていました。８月３０日午前、現地では撤去作業が進められました。

　（住民）「ゴー！ドン！って音がしました。え？台風がまだ真ん中に来ていないのに。本当に怖かったです」

　台風の脅威は風によるものだけではありません。大分県由布市では観測史上最大となる１時間に７５．５ｍｍの非常に激しい雨が降り、河川が氾濫し、一時、警戒レベルが最も高い「緊急安全確保」を発表しました。

　九州から遠く離れた地域でも影響があり、三重県松阪市では道路が冠水し、車が立ち往生。救出に向かった男性が足元が見えず、突然の深みにはまってしまう様子もみられました。

　そして、８月３０日午前６時４５分ごろ、神奈川県伊勢原市では国道脇の斜面が崩れ、トンネル入り口をふさぎました。大雨の影響とみられています。車２台が巻き込まれましたが、けが人はいません。

　また、東京都世田谷区の国道２４６号では膝の高さあたりまで冠水。車も通れない状況となっています。

　近畿や四国にも影響が出ています。２９日の夜になり徳島県・香川県・兵庫県では線状降水帯が発生。徳島県上板町では木造２階建て住宅の天井部分が崩壊。下敷きになった８０代の男性が死亡しました。

　（近隣住民）「普段はあんまり（雨が）降らんし、家の中にいても（雨の音が）ごつかった。おそろしかった」

　上板町付近では２９日午後６時半までの１時間に１１０ミリの猛烈な雨が降り、記録的短時間大雨情報が発表されていました。

　今後の見通しについて、３０日午前、大阪管区気象台は次のように発表しました。

　（大阪管区気象台　海老政徳主任予報官）「８月３０日の夜から３１日の午前中にかけて線状降水帯が発生し、大雨災害の危険度が高まる可能性があります。近畿地方のどの場所で起こってもおかしくない」