【斎藤知事】『勝手にやるな』『聞いていない』と言った？「記憶にないです」 パワハラ疑惑めぐり知事本人に初の証人尋問

　知事のパワハラ疑惑に揺れる兵庫県。３０日午後、百条委員会で初めて斎藤元彦知事本人の証人尋問が行われました

　３０日午後３時、百条委員会に出頭した兵庫県の斎藤元彦知事。真剣な表情で「証人席」に着きました。

　今年３月、県の元幹部から「パワハラ」など７つの疑惑を告発された斎藤知事。当初、疑惑を真っ向から否定していましたが、その後の調査で告発内容に事実が含まれていたことが判明し、百条委員会が調査を進めています。

　先週公表された県職員を対象にしたアンケート調査によりますと、知事のパワハラを見聞きしたとする回答は約４割に上り、職員の記述の中には次のような証言もありました。

　『知事がエレベーターに乗ろうとすると目の前でエレベーターの扉が閉まり、乗り損ねたことに激怒して「お前はエレベーターのボタンも押せないのか」と大声で怒鳴りつけた』

　知事への疑惑が深まる中、職員への証人尋問が非公開の形式で始まり、関係者によりますと、３０日午前には出席した職員が、テレビ出演を理由に知事協議に入れてもらえなくなり、異動を命じられたことについて「当時は思わなかったが、いま聞かれるとパワハラだと思う」などと証言。

　また、斎藤知事が出張先で出入り口の２０ｍほど手前で公用車から降ろされた際に職員らを叱責したとされる疑惑に関して、当時現場にいた県の幹部は「非常に強い口調で頭が真っ白になった。理不尽な叱責を受けたと感じている」などと話しました。

　そして午後３時。ついに始まった知事本人への証人尋問。

　（奥谷委員長）「２０ｍ程度前で公用車をおりて歩かされただけで、出迎えた職員・関係者を怒鳴り散らしたという記載について、お伺いします」
　（斎藤知事）「会議が始まる直前でもあったので、外だということもありまして、大きい声でその旨伝えたと記憶しています。歩かされたことに怒ったのではなくて、円滑な車の進入を確保していなかったことについての注意をしたということです」

　県の補助金事業が報道されたときに、事前に報告を受けていないと職員を叱責したことについては…

　（奥谷委員長）「厳しい口調で叱責、『勝手にやるな』とか『聞いていない』と言ったことはあったのでしょうか？」
　（斎藤知事）「記憶にないですね。何らかの指摘をしたとしても、私もいろいろなレクを受けていますから、１つ１つ覚えていないこともあります。ただ、失念していることもありますから、そこは報告を受けていないということは、合理性あると思います」

　（奥谷委員長）「すごい剣幕で知事から『やり直し』と言われて、即座に退室を余儀なくされたそうです。『聞いていない』と言ってそのまま突き返すということはあったのでしょうか？」
　（斎藤知事）「そんな記憶はありません。注意をしたとしても、しっかり整理して、またレクをしてほしいというようなことはあると思いますが」

　自身の行為について「業務上、必要な指導だった」との認識を示しました。

　（百条委の委員）「知事は部下の皆さんにどういう評価をされていると考えていますか？」
　（斎藤知事）「厳しい上司だと思われていると思います」
　（百条委の委員）「好かれているか、嫌われている気がするか、そのあたりはどう考えていますか？」
　（斎藤知事）「それはちょっとわからないですけど、プライベートでは絶対そういうところは普段通りなので、仕事はやっぱり厳しくするというのが私のスタイルですから、そこが職員の皆さんにどう思われているかはいろいろあると思います」

　知事の説明は県民や職員から理解を得られるのか。９月６日にも再び証人として出頭する予定です。