お酒飲んだ人に自転車「貸して」「同乗」 １１月からの新ルールで男性を書類送検「違反になることは知っていた」 大阪で初摘発

　飲酒運転と知りながら自転車を貸して２人乗り。大阪で初摘発です。

　道路交通法違反の車両提供と同乗の疑いで書類送検されたのは豊中市に住む会社員の男性（３０）です。

　警察によりますと、男性は１１月４日、一緒に酒を飲んだ知人に自転車を貸して運転させたうえ、自身が後ろに乗って２人乗りをした疑いが持たれています。

　「２人乗りの自転車が前をフラフラ走っている」と通報があり、警察が現場に駆け付けたところ、２人から酒の臭いがしたため、その日のうちに運転していた男を逮捕。男性からは任意で事情を聞いていました。

　男性は当時、２人で酒を飲んでいたことを認め、「自転車を貸して違反になることは知っていたが、家まで送ってもらうことにした」などと話していたということです。

　改正道交法が施行された１１月１日以降に、自転車の車両提供と同乗の疑いでの摘発は大阪府内で初めてです。


▼１１月から始まった新ルール
　これまでは酩酊状態での酒酔い運転のみ罰則でしたが、１１月からは酒気帯び運転も罰則の対象に。少しでもお酒を飲むと違反になる可能性があります。

　さらに、「ほう助」も処罰の対象に。お酒を飲んでいる人に自転車を提供したり、送ってもらうように依頼して同乗しても罰せられることになります。


▼２つの容疑で書類送検…罰則はどうなる？

　書類送検された男性の容疑は「自転車の提供」と「同乗」の２つ。それぞれの罰則をみてみると、「自転車の提供」は『３年以下の懲役または５０万円以下の罰金』。「同乗」は『２年以下の懲役または３０万円以下の罰金』です。

　交通問題の弁護に詳しい高山俊吉弁護士によりますと、「自転車の提供」と「同乗」は、それぞれの罪が成立します。こういった場合の最高刑は、懲役は『重い方の５割増し』、罰金は『２つの合算』。つまり、最高で『懲役４年６か月または８０万円以下の罰金』となり、飲酒運転をした人よりも刑が重くなる可能性もあるということです。