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【速報】飛行中断の「カイロス」2号機 スペースワン「原因究明し、打ち上げに再挑戦したい」 「ノズルの駆動制御に異常、飛行経路がズレた」

MBSニュース / 2024年12月18日 14時35分

【速報】飛行中断の「カイロス」2号機 スペースワン「原因究明し、打ち上げに再挑戦したい」 「ノズルの駆動制御に異常、飛行経路がズレた」

小型ロケット「カイロス」の2号機が、午前11時に日本初の民間ロケット発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げられましたが、スペースワンはミッション達成困難と判断し、飛行中断措置を行いました。

スペースワンは午後2時半から会見を開き、飛行中断措置を行った理由について「カイロス2号機は打ち上げから80秒すぎにノズルの駆動制御に異常、ロケットの姿勢にも異常がみられた。1,2段分離し、第2段の点火、フェアリングまでは計画的にできていた。我々の目標ステップ3までは達成していた認識。想定よりも南に飛んでいくが、西側に飛行がずれていく、計画していた経路の限界線を超えたために中断が行われたのでは」などとしました。


●スペースワン豊田社長「前向きにとらえ、次の挑戦に望みたい」

スペースワンの豊田正和社長は「打ち上げに協力いただいた関係者にお詫びしたい。応援してくれた期待に応えられず申し訳ありません。ミッション4のステップ3まで達成。ステップ4の段階でリフトオフから中断の体制がとられた。原因は対策本部で調査中一刻も早く原因究明し再開する。でも前向きにとらえ、次の挑戦に望みたい。9か月で2号機打ち上げ、ミッション3まで達成した。今後も小型ロケット打ち上げに向け邁進していく」と話しました。

小型ロケット「カイロス」の2号機は、全長約18メートルの東京の宇宙ベンチャー企業「スペースワン」が開発したものです。ロケットには5基の人工衛星を搭載していて、打ち上げから役50分後に高度500キロ付近の軌道で順次、衛星を切り離すことになっていました。

 人工衛星の軌道への投入が成功すれば、民間単独の打ち上げとしては国内で初めてとなる予定でした。カイロス2号機は当初、14日に打ち上げ予定でしたが、予定時刻のおよそ30分前に「発射場上空の風が強くロケットの打ち上げに適さない」として延期に。15日に予定していましたが、同じ理由で延期となっていました。

カイロスは和歌山県串本町の発射場から打ち上げられた後、次の流れでカイロスのロケットや衛星が切り離される予定でした。

▼約2分28秒後、ロケットの1段目が燃焼を終え切り離し
▼約2分55秒後、「フェアリング(人工衛星を覆うカバー)」を切り離し
▼約4分40秒後、ロケットの2段目が燃焼を終え切り離し
▼約7分50秒後に、ロケットの3段目が切り離し
▼約53分35秒後、1つ目の衛星を高度500キロ付近で分離し順次他の衛星も切り離し
▼約54分1秒後、京都のベンチャー企業が開発した人工衛星を最後に分離予定


●岸本和歌山県知事「少し残念だが、一歩前進二歩前進。ぜひ次のチャレンジを」

和歌山県の岸本周平知事は「衛星を軌道に乗せるミッションが達成されなかったという意味では、少し残念ですが、かなり進歩した。一歩前進二歩前進ぐらいの感じで、今日は和歌山県にとりまして記念すべき日になったと考えています。相当進んでいると思います。スペースワン社は3月に1号機が失敗して、わずか9カ月で2号機の打ち上げまでいたりました。青空に向かってロケットが飛んでいる姿を見て感動いたしました。ぜひ次のチャレンジをしていただきたいと思います。この会見の前に、豊田社長から連絡をいただきまして、今回の飛行中断の原因究明とそれに対する対策本部を作ったと聞きましたので、スペースワン社は原因究明をして対策を立てて3号機の打ち上げを近い将来、楽しみにお待ちしております」などと話しました。

 そのうえで岸本知事は「これは負け惜しみではありませんが、民間で初めて衛星を軌道に乗せるということについては和歌山県の子どもたちに非常に良い教育効果をもたらしていただいていると思っています。これで5回うまくいかなかった。失敗して延期になっても大人たちが何度も挑戦する。人生はうまくいかない、でも、めげずに大人たちが挑戦する姿を見ている子どもたちへの教育的効果は非常に良いと思っています」などと話しました。

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