遺族「不当な判決で受け入れがたい」出向先の中国でマンションから転落…川重社員の死亡めぐる裁判 神戸地裁は遺族の訴え退ける「過重だったとはいえない」

　川崎重工業の社員が死亡したことをめぐる裁判、遺族の訴えは退けられました。

　訴状によりますと、川崎重工業の社員だった男性（当時３５）は１２年前、中国にある関連会社に出向したあと、うつ病のような症状が出始め、マンションから転落し死亡しました。

　男性の妻らは、会社が中国語が不自由だった男性に過重な業務を押しつけたことで男性が自殺したとして、川崎重工業に約１億円の賠償を支払うよう求めていました。

　１月１５日の判決で神戸地裁は「男性は出向前に語学研修を受け、現地には専属の通訳もいた。業務に忙殺されていたと認められず、時間外労働時間が急増した事情もないことから（業務が）過重だったとは言えない」などとして、訴えを退けました。

　（男性の妻）「不当な判決で受け入れがたい現実を目にして戸惑っています。泣き寝入りしたくないという気持ちは変わりありません」

　遺族は控訴する方針です。