【速報】「淀ちゃん」鯨処理の契約「港湾局のガバナンス機能せず」「交渉努力で最大1400万円超の減額余地があった」大阪市の外部監察専門委員が調査結果発表
MBSニュース / 2025年1月30日 13時30分
2023年1月に、大阪の淀川河口付近に迷い込んだマッコウクジラ「淀ちゃん」をめぐり、港湾局と契約の相手方の海運業者との不適切な行為が明らかになった問題で、弁護士らでつくる外部監察専門委員が30日、市に調査結果を報告しました。
報告書は、業者との契約金額に最大で1404万円あまりの減額の余地があったことや、港湾局のガバナンスが機能していなかったことなどを指摘しました。
淀川の河口付近に迷い込んで死んだクジラの「淀ちゃん」は、大阪市から依頼を受けた海運業者が紀伊半島沖に沈めました。
鯨の処理をめぐり、大阪港湾局は、当初の試算の倍以上となる約8000万円で随意契約していましたが、港湾局が調査したところ、金額交渉の中で、直接の担当ではない当時の課長が、引き上げに慎重な担当課長に対し、金額を引き上げるよう強く進言していました。
担当外の課長は、契約交渉中に業者側と会食していたほか、私費で購入した日本酒を海運業者に贈っていたことも明らかになっています。
去年6月、市の入札等監視委員会は会食について、「看過できない重大な問題」と指摘。さらに「予定価格の積算根拠や契約金額に疑義が残る」としました。
こうしたことから市は弁護士8人からなる外部監察専門委員に調査を依頼。今月30日に、調査結果が報告されました。
▼業者との契約について
報告書は、「クジラの処分」という特殊な内容に対して、「正当な契約金額の判断は困難」とし、大阪市に法的な損害が生じたと認定するには至らなかったと結論付けました。
ただし、両者で適切な交渉がなされないまま、額が決定されたと指摘。たとえば、履行の有無を確認できていない状況での特殊清掃費。あるいは曳船作業費の加算分など、最大1404万7433円の交渉努力による減額の余地があったと見ています。
▼港湾局のガバナンスについて
報告書は、大阪港湾局におけるガバナンスが機能しておらず、対応方針の大枠を早期かつ明示的に提示できていなかったと指摘。
金額交渉に関係のない課長が関与したことについては「市民の疑惑や不信を招くような行為の防止」という契約相手方となり得る事業者との関係を定めた「マニュアル」において、不適正な行為であったとしています。
これらの調査結果を踏まえ、以下の3つの改善策が提言されました。
(1)日業業務のフローの確認と対応体制の事前検討
(2)未知の問題への対処について、作業手順等を確立しておくこと
(3)関係業者との関係をはじめとする職務規律について、契約相手方となり得る事業者との関係を定めた「マニュアル」に関する研修の継続的な実施
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