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『高校の授業料無償化』大阪では私立の専願者数が過去最高…一方で“公立で定員割れ”や“特色ある教育が困難”などの影響も

MBSニュース / 2025年2月10日 18時25分

『高校の授業料無償化』大阪では私立の専願者数が過去最高…一方で“公立で定員割れ”や“特色ある教育が困難”などの影響も

 与党と維新の間で議論の駆け引きが行われている高校の授業料無償化。いいことばかりではないようです。

 2月10日朝、緊張した面持ちの生徒らが門をくぐったのは、大阪市内にある私立の興国高校です。10日は大阪府内の私立高校の入試日。興国高校では募集人数590人に対し1389人が受験しました。高校の授業料をめぐっては今、国でアツい議論が繰り広げられています。

 (自民党 小野寺五典政調会長 2月7日)「私ども今回やはり教育の質を上げたいと、そういう思いでこの教育の議論をされているということだと思いますので、それに資するように検討していきたい」
 (日本維新の会 青柳仁士政調会長 2月7日)「我が党の主張というのは変わっておりませんし、両党隔たりがあるということは間違いありません」

 高校授業料の支援金制度をめぐり、維新は来年度から所得制限を撤廃し、私立高校に通う人には最大年63万円の支給を要求。対する与党側は所得制限を撤廃し、公立・私立問わず年間11万8800円を支給するものの、私立の無償化については再来年度以降に持ち越しとする案を提示していて、私立高校も含めた無償化を求める維新とは合意に至らず、議論は平行線のままです。

 一方、今年度から授業料の完全無償化を段階的に進めている大阪府。府の制度では私立に通う生徒向けに年63万円まで支援するため、授業料を払うことなく高校に通うことができます。

 (大阪府民)「(Q授業料の無償化はどうですか?)保護者にとってはありがたいのはありがたいですよね」
 (和歌山県民)「(Q高校無償化どう思いますか?)僕らは府外なもので(無償化が)得られない。大阪府の人はうらやましいですね」

 メリットは保護者だけではありません。大阪私立中学校高等学校連合会によりますと、来年度入試の私立の専願者数は約2万人となり、正確な数値が残る2003年度以降、過去最高になりました。

 (大阪私立中学校高等学校連合会 草島葉子会長)「授業料の無償化で今まで諦めていた人たちが私立を受けられるようになった。公立を併願していた人たちも『私学1本でここでやりきろう』という気持ちになれた」

 ただ、メリットだけではないようです。国や大阪府が負担する63万円を超える分は学校が負担しなければいけません。そのため、学校は授業料を63万円以下に抑えなくてはならず、これまでできていた特色ある教育が難しくなったというのです。

 (草島葉子会長)「授業料設定っていうのはもっと自由にやるべきことなんだけど、それがキャップ(制限)をかけられることによって、自由な教育ができない。国際社会の中で活躍する人々を作っていく、そんな中で自由度のある、より良い教育を提供するっていうのが、非常に重要なポイントだと思います」

 さらに、公立高校にも影響が。生徒からの人気が私立に流れてしまったことなどにより、今年度の入試で定員割れをした高校は70校にも上りました。日本維新の会の吉村洋文代表は無償化の意義について、次のように述べます。

 (日本維新の会 吉村洋文代表)「生徒の方に選択肢があれば学校は切磋琢磨して、子どもの数が減っていく中でより良い教育とは何だろうと追及していくことにつながると思っています。(無償化で)子どもたちの選択肢の幅が広がるのは、教育の質の向上にもつながる」

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