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【高校ラグビー】近畿4強目指す御所実×関西学院 天理×常翔学園 勝利を引き寄せたキャプテンの決断「ここは僕がとりきるしかない」近畿大会準々決勝リポート②

MBSニュース / 2024年2月20日 18時18分

 2月18日、高校ラグビー近畿大会は2日目。花園ラグビー場で、準々決勝4試合が行われました。第3試合は、新チームになって公式戦負けなしの安定した戦いぶりを見せている御所実(奈良)と、1回戦で関大北陽(大阪)を破って、勢いに乗る関西学院(兵庫)の対戦です。

 前半、御所実が素早い出足でボールを確保して優位に試合を進めます。8分、ゴール前のスクラムを押し込むとNO8本多守人選手が力強い突破をみせて、先制のトライ。12分にもスクラムを押し込んだ後、素早く展開してCTB若山遥斗選手がトライ。大久保幸汰選手が、確実にゴールを決めて14対0とリードを奪います。

 一方の関学、SO木山仁平選手を中心に反撃を試みますが、御所実の低く、しっかり前に出るディフェンスの前に、なかなか攻撃の糸口を見つけることができません。逆に、御所実は24分、BK陣の展開から3本目のトライを奪うと、前半終了間際には、22mライン付近からのモールをそのまま押し込んで、最後はLO服部凰真選手がトライ、前半で28対0と大きくリードを奪います。

 後半も、御所実の勢いは止まりません。185センチを超える服部選手、黒木新夢選手の両ロックをはじめ、大型選手をそろえたFW陣が力強さだけでなく、伝統のモール攻撃でも巧みさをみせて確実に得点を加えていきます。終わってみれば57対0の完勝。

大久保選手「目標は日本一 そのためにもまずは近畿大会優勝」

 ゲームリーダーの大久保選手が「目標は日本一。そのためにも、まずは近畿大会優勝。今年は、伝統のモール、ディフェンスだけでなく、BKでも取り切れるというところを目指したい」と語った御所実業。まずは、第1関門の準々決勝突破です。
【御所実 57対0 関西学院】

 第4試合は天理(奈良)と常翔学園(大阪)、全国高校ラグビー大会でも数々の名勝負を演じてきた伝統校が激突しました。前半から、両チームが互いの持ち味を出し合う拮抗した展開となります。常翔学園が一人一人の強さを武器に、前に出て攻撃をしかけると、天理は強く鋭いタックルを連発、ぎりぎりのところで、常翔学園に得点を許しません。

 逆に12分、天理が攻め込んだチャンスを確実にものにします。敵陣ゴール前10m付近のラックから素早くボールを動かすと、FB山崎祥永選手の巧みなランニングから、最後はWTB小松駿太郎選手がトライ。ゴールも決めて7点をリードします。

とんでもない同点劇 7対7から14対14、そして21対21

 先制点を許した常翔学園、それでも自分たちの戦い方を貫きます。17分、再び縦への攻撃で確実に前に出続けると、ラインアウトからのボールを直接受けたFL古谷元太郎選手がそのままトライ。ゴールも決めて7対7の同点に追いつきます。

 しかし、追いついたのも束の間、22分、またしても天理が、敵陣ゴール前のチャンスを確実に得点に結びつけました。今度は、SH渡辺天心選手がラックサイドをうまくついてトライ。14対7、前半は天理リードで折り返します。

 それでも、白木繁之監督が「体の当てあいで絶対に逃げないこと、できることを全力で、最後まであきらめずにやり続けることができてよかった」と振り返った常翔学園は後半に入っても、FWを中心に、愚直に縦への攻撃で圧力をかけ続けます。

 そして後半8分、ついに天理のディフェンスをぶち破ります。粘り強く体を当て続けて連続攻撃を仕掛けると、最後はFW陣が力ずくで押し込んでLO藤宗磨選手がトライ。再び14対14の同点に追いつきました。

 18分には、天理の攻撃をしのいで天理陣の22m以内に攻め込むと、NO8井本章介選手が20m以上を走り切ってトライ。この試合初めて21対14とリードを奪います。

 それでも、天理は慌てません。直後のキックオフから全員が集中してプレッシャーをかけ続けると、後半22分、御所実との決戦を見据えて、ここ数年強化してきたというモールで一気に押し込んでトライ。難しい角度のゴールをSO安川和志選手が決めて、21対21の同点に追いつきます。

一進一退の攻防 決着つけたキャプテンの「決断」

一進一退の攻防、両チーム一歩も譲らない展開に決着をつけたのは、常翔学園のキャプテン井本章介選手の選択でした。残り時間が少なくなった後半27分、天理のゴールラインまで5mの地点でペナルティのチャンスをつかむと、迷わずスクラムを選択。

「キッカーは、(PGを)決めることができると言っていたが、ここでショットしたら常翔じゃないと思った。攻めて(こそ)常翔だと思った、ここは僕がとりきるしかないと決断した。」と振り返った言葉どおり、スクラムからのサイドアタックを見せると、タックルに来た選手を引きずりながら、思い切り腕を伸ばしてゴールラインぎりぎりにトライ。息詰まる熱戦に決着をつけました。このトライが決勝点となって、28対21、常翔学園が粘る天理を下して、準決勝に駒を進めています。

 勝ち上がった4校は、選抜大会への出場権を獲得しました。23日(金)に行われる準決勝の組み合わせは、以下のとおりです。また、敗れた4校は準決勝の前に選抜大会への出場をかけた代表決定戦に挑みます。(MBSスポーツ解説 宮前徳弘)

【準決勝】
大阪桐蔭 対 京都成章
御所実 対 常翔学園

【選抜大会代表決定戦】
東海大大阪仰星 対 京都工学院
関西学院 対 天理

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