1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

9つのスキップフロアで狭さも高さ制限も克服!大阪で"訳あり"の土地に建てた、明るく子育てしやすい家【家の数だけある家族のカタチ 住人十色】

MBSニュース / 2024年3月11日 18時15分

 大阪の住宅街に、“訳あり”の土地に建てた、家全体をひとつの空間にすることでどこにいても家族の気配の感じられる、9つもの階層があるスキップフロアの家がある。

 住人(アルジ)は、幼い子どもがいる4人家族。2022年、大阪の郊外に少し訳ありの土地を購入し、家を建てた。
 外観はコンパクトですっきりとした印象で、玄関前の駐車場は1階をくりぬいたような形になっていて、柱がない。間口がわずか3.6メートルしかないため、上階部分を浮かせるような形にして柱をつくらないことで、駐車スペースを確保したという。

 狭さと、土地の“訳あり”を克服するため、屋内は、スキップフロアになっている。スキップフロア1つ目は玄関、2つ目はリビング。3つ目は1階と2階をつなぐ3.4帖の通路兼キッチンになっている。作業をしていても人が通れるよう、幅80センチの広さを確保した。

 この土地が“訳あり”の理由とは何か? 以前は市内の賃貸マンションで暮らしていた住人(アルジ)一家。地価が高騰する市周辺で土地を探していたときに、格安で売り出された物件に出会い即購入した。しかしその土地は、幅わずか5メートル、奥行き15メートルというコンパクトな“うなぎの寝床”。しかも、「斜線制限」という、隣地の採光や通風を確保するために設けられた高さ制限があった。2階建てにするには6メートルの高さが必要とされるが、この土地は大部分に高さ5メートルの斜線制限があり、天井高が足りないため普通の2階建てにするには難しい物件だったのだ。

 そこで建築家である夫がひねり出したのが……、スキップフロアの家。うなぎの寝床のような空間を細かく9つの高さのフロアに分けてスペースを捻出し、それぞれを2~5段の小さな階段で繋げることにした。すると、通常の2階建て以上に子育てしやすい快適な住まいになったという。

 3つ目のフロアにあるキッチンから2段上がると、6帖のダイニングが。さらに2段上がると2.7帖の畳リビングがあり、子ども達が過ごすスペースになっている。その畳リビングは、キッチン台の真向かいにあたるため、台所作業をする親の目線の高さで子ども達が遊ぶというユニークな光景が広がる。こうしてダイニングとキッチンと畳のスペースが1つになっていることで、子どもたちがどこにいても目が届く安心の空間が生まれた。

 畳リビングの奥は、子どもたちのためのホールスペース。今は遊び場だが、将来は勉強部屋として利用する予定だ。暗くなりがちな下層フロアのリビングまで光を届けるため、床の一部を、なんとすのこ状に。光を採り入れながらスペースを確保している。さらにスキップフロアの段差の垂直部分はふさがず、アクリル板を入れることで光を通し、より開放的な明るさを実現した。

 リビングから下のフロアには水回りや8帖もある収納スペース、寝室を配置。家族4人で寝るには決して広くはない4.7帖の寝室は、備え付けのクローゼットを宙に浮かせた形にすることで、その下に足を入れることができ、狭くてもゆったりと寝ることができる。

 この家に住み始めて1年。妻は「隠し事のしようがないところがいいと思います」と笑う。さらに「私が想像する以上に子どもたちがこの家を活用して遊んでくれている。いろんな遊び方で日々楽しんでくれてますね」と喜び、夫も、「すごく楽しいというか、毎日いろんな場所でいろんなことがあるので…」と家を通して、子どもの成長も感じている。

 ひとつながりの空間で常に存在を感じられる安心感。訳ありの土地をアイデアで乗り越えたこの家で、子どもたちの発想力も育まれそうだ。(MBS「住人十色」2024年3月16日放送より TVerでも放送後1週間配信中)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください