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続報!大型スーパーにずらりと並ぶ『放置自動車』ようやく撤去されるが...場所を変えて車で寝泊まりする人も 駐車場内の車上生活者らの"言い分"とは

MBSニュース / 2024年4月26日 12時59分

 兵庫県加古川市にある24時間営業の大型スーパー。その店の広大な駐車場には10台近くの「放置自動車」があります。この問題について、今年3月にMBSが番組で放送、4月にはスーパー側が対応に乗り出し、すべて徹去されて一件落着…と思いきや、そうではありませんでした。

大型スーパーの駐車場に並ぶ『放置自動車』 車内で寝泊まりする人も

 兵庫県加古川市にある大型スーパーの駐車場にずらりと並ぶ『放置自動車』。ナンバープレートもなければ、タイヤもない!サイドミラーが外れた車両や、ライトがくり抜かれたものまで。そして、車の中はというと…ゴミだらけ!脱ぎ捨てられたような衣服や女性用の下着が散乱する車まで。

 放置自動車について、スーパーの利用客はどう思っているのか聞くと…

 「撤去してほしいですよ、ほんまはね。場所とってしまうから。お客さんが1台置けなくなるから」
 「(この放置自動車は)もともとタイヤもあったし、ラジエーターまわりとか、来るたびにどんどん悲惨になっていく。1台あると2台3台と増えていくからね、こういうのは」

 24時間営業のこのスーパー、駐車場にはいつでも無料で入ることができるということもあってか、利用客によりますと、3、4年ほど前から放置自動車が目立つように。一見、普通の車と変わらないものも…

 (記者)「この車はナンバープレートもタイヤもあるので怪しい点は一見ないのですが、車検が令和4年(2022年)10月で切れてしまっています。この車は公道で走ることはできないんです」

 こうした放置自動車の数は10台ちかくにのぼり、店の関係者も頭を悩ませていました。そんな中、取材班は『放置自動車で寝泊りする人がいる』との情報をキャッチ。夜、張り込むことにしました。

 (記者)「あっきたきた。いま、車から人が降りてきました」

 あの“車検切れの車”から高齢の男性が出てきました。

 (記者)「手にタバコを持ちながらゆっくりとスーパーの方に歩いていきます。買い物客なんでしょうか」

 ところが店内には入らず、トイレへ直行。数分後、何食わぬ顔で車の中に戻ろうとするところを取材班が直撃すると…

 (取材班)「毎日放送です。これ放置自動車なんですか?すこしお話伺っていいですか?」
 (男性)「なに」
 (取材班)「車を止めているのを、お店の方が困っている。どういった理由で止めているのですか?」
 (男性)「どけようと思っとんねん。車も車検がきれてエンジンもあかんから、どこかに持っていこうと思ってな」

 なぜここで寝泊まりをしているのでしょうか?

 (男性)「息子もおるんやけど、色々事情があって、もう嫁さんもはやくに亡くなったから、一緒におるのも嫌だし、そやからこないに」
 (取材班)「スーパー側は困っているが?」
 (男性)「もうぼちぼちのきますわ」

 しかし、張り込み中、この車が移動することはありませんでした。

夜中に『放置自動車』を見に来た若い2人組「有名って聞いて」

 さらに待つこと2時間。放置自動車の前で1台の車が止まり、中から2人組の若い男性が出てきました。

 (記者)「懐中電灯をもちながら男性2人が車を物色しているようにも見えます。あっ今、車の扉を開けました」

 1台ずつ放置自動車を見て回る2人組。一体何をしているのか、こちらも直撃すると…

 (記者)「お兄さん2人は何をしている?」
 (2人組)「暇つぶしで…ふふふ」
 (記者)「ライトを照らしながら見ていたが?」
 (2人組)「面白いから、なんかあるかなって」
 (記者)「いつも来ますか?」
 (2人組)「いや初めてです。有名って聞いて」
 (記者)「なにが有名?」
 (2人組)「放置車両が」

 2人はその後も、まるで何かを探すかのようにあたりを見回り、30分後に立ち去っていきました

『放置自動車』ついに撤去へ 所有者に事情確認をしにいく業者に同行

 この1か月後、取材班が再びあの駐車場に向かうと…

 (記者)「スーパーに置かれた放置自動車がトラックにのせられていきます」

 スーパー側が放置自動車の撤去を業者に依頼していたのです。これまでに7台の放置自動車が処分されたり所有者が引き取ったりしたといいます。

 撤去を依頼された会社「放置車両撤去システム」の社長・吉川新一さん。先週、残された最後の1台の所有者がわかり、事情を確認しにいくということで、取材班も同行しました。たどり着いた先は、近畿地方にある集合住宅。吉川さんはインターホンを押しますが、応答はありません。ベランダ側にまわって室内を確認しますが、人がいるかもわかりません。

 (記者)「窓が開いているから人はいらっしゃるのでは?」
 (吉川さん)「と、僕も最初思ったんですけど…ここまでチャイム鳴らして出てこないのも珍しいですよ」

 待つこと約30分。諦めて帰ろうとしたちょうどその時!部屋から女性が出てきました。車の所有者なのでしょうか?

 (吉川さん)「すみません。○○さん?」
 (女性)「はい」
 (吉川さん)「よかったー!見覚えありますか?」
 (女性)「これ…なにこれ?」
 (吉川さん)「自動車の名義人になっているんですよ」
 (女性)「え?これどこにあるんですか?」
 (吉川さん)「あるスーパーの駐車場に4年くらい捨てられていて」
 (女性)「そうなんですか。誰かにわたし…」

 女性は10年近く前に知人男性に車を譲ったということですが、名義変更がされないまま放置されていたようです。女性は書類にサインし、車の撤去に同意しました。

 (記者)「驚かれたました?この話聞いて?」
 (女性)「はい…」
 (記者)「名義変更もされていると思っていた?」
 (女性)「そうです。これはしてはいけないことだから、今後、人に渡す時はそういうのを提示してもらって確認しないといけないなと」

 吉川さんによりますと、近年、インターネット上で個人間での車の売買が可能になったことで、車を渡した相手が名義変更をしないまま乗車し、不要になるとそのまま放置するケースが増えているといいます。

(放置車両撤去システム 吉川新一社長)「これで全て終わりということでよかったと思います。(Qあそこの放置自動車は全てなくなった?)はい、そうですね。きょうで全部終わりです」

 これで一件落着…かと思いきや、まだ終わってませんでした!

撤去で解決かと思いきや…場所を変えて再び“放置”

 取材班がスーパーの方へ再び訪れると、車内で男性が生活していたあの車検切れの車が残っていました。別の場所に移動し、撤去を逃れていたようです。

 (記者)「毎日放送の者です。あそこに止めていた方ですよね?」
 (男性)「はいはい、こっちに移動しました」
 (記者)「エンジンかかるんですか?」
 (男性)「うん」
 (記者)「なぜ場所を変えた?」
 (男性)「ここの店の人が車を移動させろと言って、それでここ来た」
 (記者)「ここもスーパーの敷地ですが?」
 (男性)「はいはい、わかりました」

 ここから離れる意思はなさそうです。しばらく様子をうかがっていると、この男性に話しかける別の人物が。話を聞いてみると…

 (別の男性)「車で寝泊りしてあっちこっちウロウロしているから」
 (記者)「あの男性が?」
 (別の男性)「いや僕が」
 (記者)「車で寝泊まりされている?」
 (別の男性)「そうそうそう」
 (記者)「え?今はどこに?」
 (別の男性)「いまはプリウス」

なんと、こちらの男性もここで車上生活をしているというのです。

 (記者)「スーパーは迷惑では?」
 (別の男性)「僕は迷惑かけないようにあっちこっちウロウロちょろちょろしてる。じっと同じところには止めない。迷惑かけるもん」
 (記者)「スーパーの利用客ではないが?」
 (別の男性)「いや利用するで、買い物ここでするもん」

 あちこちを点々としつつも一番のお気に入りはこのスーパーの駐車場なんだと、悪びれるそぶりもなく話しました。

 (別の男性)「今からもうちょっとしたら風呂に行く」
 (記者)「風呂はどこへ?」
 (別の男性)「ぷくぷく(銭湯)」

 そう言うと車に戻り、出て行ってしまいました。本来、店を利用する人のためにある駐車場。自分本位な使い方は許されるべきではありません。

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