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【水原一平被告】司法取引の『合意文書』読み解くと見える"量刑レベル25"...国際弁護士に聞く「プリズンコンサルタント」とは?さらに早くもドラマ化の動きも?

MBSニュース / 2024年5月10日 19時40分

 ドジャース大谷翔平選手の元通訳・水原一平被告をめぐり、検察側との司法取引で交わされた『合意文書』が公開されました。その内容から何が読み取れるのか、国際弁護士・村尾卓哉さんに話を聞きました。さらにアメリカでは今回の事件をめぐり早くも『ドラマ化』という話が?こちらは放送プロデューサーのデーブ・スペクターさんに話を聞いています。

水原被告が司法取引で認めた2つの罪

 日本時間の5月9日にアメリカ司法省は、水原被告が検察側との司法取引で2つの罪を認めたことを発表し、合意文書を公開しました。1つは大谷選手の口座から日本円で約26億円を不正送金した銀行詐欺の罪。もう1つは約6億円の所得を隠して虚偽の納税申告をした罪です。

 また水原被告が大谷選手からだまし取った金を歯の治療に使っていたことも発覚。アメリカ司法省によりますと、水原被告は去年9月、歯の治療で約900万円が必要になり大谷選手に相談。水原被告は大谷選手から900万円の小切手を受け取りましたが、支払いには受け取った小切手を使わず、大谷選手に紐づくカードを使用して、小切手の900万円は自分の懐に入れていたといいます。

 1000万円近いという歯の治療。治療を受けたとされる去年9月の前後の映像で比べると、確かに水原被告の歯は白くなり整っているように見えます。

公開された『合意文書』の内容とは?

 2つの罪をめぐり水原被告に科されるのは合わせて最大で禁錮33年となりますが、今回の司法取引で減軽される見通し。そうしたことが事細かに書いてあるのは25ページにわたる司法取引の合意文書です。インターネット上で公開され誰でも見ることができます。

 これについてカリフォルニア州の弁護士資格を持つ国際弁護士・村尾卓哉さんに話を聞きました。

 (村尾弁護士)「今回の書面が特別公開されたというより、アメリカでは裁判所に提出された書面をみんなが見られる。(Q減軽が条件の司法取引をする理由は?)やっぱり合理化ですよ。(陪審員では)時間もかかるし、今の量刑より高くなるかもしれないけれども、逆に有罪にならない可能性も0ではないので。アメリカでは95%程度は司法取引で終わる」

 合意文書には一体どんなことが書かれているのでしょうか。公開されている内容を確認すると、「私はこの合意について誰にも脅されていないし無理強いされていない」「私は有罪で罪状を認める」などとあり、水原被告の直筆のサインと日付が入っています。

 水原被告が認めた2つの罪を見ると、銀行詐欺罪では最高で禁錮30年、虚偽の納税申告をした罪では最高で禁錮3年とされていて、禁錮の上限合計は33年となります。また合意書では“禁錮に加えて最高で5年間の監視付き釈放”とあります。村尾弁護士によりますと、これは何年間かの服役した後に、例えば▼居住エリアの限定▼カジノへの立ち入り禁止▼更生プログラムへの参加、といった内容になる可能性があるということです。ただ、この期間については裁判官が最終的に決定するもので、制限がつかない可能性もあるということですが、村尾弁護士は75%くらい何かの監視付き釈放はつくのではないか、としています。そして監視の方法については、例えば▼アプリのダウンロードが指示されGPSで行動把握▼電話を持たされ電話でどこにいるか把握、などが考えられるということです。

量刑ガイドライン“レベル25”

 次に注目するのは水原被告に下される量刑について。アメリカには法定刑の範囲の中でどれだけの刑罰を科すかの目安となるレベル示す「量刑ガイドライン」があります。犯罪歴と量刑レベルによって段階があり、これを目安に、最終的には裁判官の判断で禁錮の期間が決まります。

 そのうえで今回の水原被告の合意書から、村尾弁護士は「レベル25で手を打ったのではないか」と話します。その理由として合意書の中で▼水原被告は裁判所がレベル25“以下”の禁錮刑を科す場合…同意する▼検察側は裁判所がレベル25“以上”の禁錮刑を科す場合…に同意する、との記述があることをあげています。つまり双方が合意するのはレベル25だけというのです。量刑ガイドラインでレベル25の場合は、仮に初犯であれば、禁錮57~71か月、約5~6年となります。

 さらに、もし禁錮刑となった場合のその後について、村尾弁護士が教えてくれたのは「プリズンコンサルタント」という存在。刑務所の中での暴力などから身を守るためのアドバイスをしてくれるのがプリズンコンサルタントで、護身術や刑務所内の社会での振る舞いなどについて教えてくれ、受刑者が希望すれば自費で雇うことができるということです。

早くも『ドラマ化』の動き?

 こうした状況の中で、海外の複数メディアによりますと、大谷選手と水原被告について、アメリカの映像プロダクション「ライオンズゲート」がテレビドラマ化に向けて動いているといいます。

 世界のエンタメ業界に詳しい放送プロデューサーであるデーブ・スペクターさんに話を聞きました。

 (デーブ・スペクターさん)「こんなに早く制作発表するというのはかなりびっくりしました。ややこしいのは水原一平被告、すなわち犯罪を実際に犯した人が(著作権など)収益を得てはいけないことになっているんです。場合によってはこのようなことが起きたら、被害者が『ドラマ化でお金もらうんだったら、その金くれよ、返してよ』ということになるから、被害者たちに回す・返すというやり方もあるんです。(Qアメリカでは犯罪が絡むスキャンダルのドラマ化・映画化の流れは多い?)今、ほとんどと言ってもいいくらい、ありとあらゆる起きた事件は映画化やテレビ化されています」

 デーブさんによりますと、世界的にエンターテインメント業界では実話を基にした話が人気で、様々なプロダクションが取り合いをしていた可能性もあるということです。その中で、今回の事件の結末がわからなくとも権利だけ抑えておこう、ということで動き出したのではないかといいます。ドジャースの本拠地ロサンゼルスにはハリウッドもあり、話は進みやすいのではないか、ともデーブさんは分析していて、今後が注目されます。

(2024年5月10日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)

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