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『東京が一段落したから』今だから進む大阪の再開発!前回万博から50年...ちょうど建物も更新時期に 住宅エリアで専門家の注目は?大阪再開発あれこれ

MBSニュース / 2024年5月30日 16時26分

 「グラングリーン大阪」いわゆるうめきたエリアが先行オープンまであと100日となり、5月29日にはその一部が公開されました。実はここだけではなく、知らぬうちに大阪がどんどん進化しているようです。大阪各地の再開発のワクワクする話、今なぜ大阪の再開発が進むの?、大阪の街づくりの最新情報をまとめました。

 まずこれまでの約20年間を振り返ります。いわゆるGDPの都道府県割合を見てみると、東京一極集中と言われています。近畿2府4県が占める割合は前回万博の1970年ころには20%ほどありました。関東は40%近くでした。しかしこの数字は下がり続け、2000年以降の近畿2府4県の割合は15%程度で横ばいの状況です。2000年以降はグローバル化がインターネット普及などとあわせて進み、そこで海外から日本進出の際に選ばれるのが、大企業の本社や官公庁がある東京で、大阪はなかなか元気がないと言われ続けてきました。

大阪・再開発が進む主な6エリア

 しかし、そんな中でも、街づくりは進んでいます。大阪府・市が定義する再開発は大きく6エリアに分けられています。▼大阪・新大阪▼中之島▼御堂筋▼なんば・天王寺・あべの▼大阪城周辺エリア▼夢洲・咲洲。

 大阪駅前の5月29日に先行オープンの100日前となったのがうめきた・グラングリーン大阪。広さ約9万1000平方メートルのエリアのうちの半分近く4万平方メートルほどが『緑』です。320種類ものいろいろな緑を植えて、整備された緑地ではなく、森のようにしようとして、持続可能なかたちを目指していくということです。

 次に『御堂筋』です。まず側道がすでに変わってきています。以前は側道がありましたが、そこが今は閉鎖されて工事が進んでいます。最終的には中央の車線も車が通らなくなる予定です。

 続いて医療や文化の拠点としての『中之島』。未来医療国際拠点・中之島クロスが6月29日にグランドオープンです。iPS細胞などの再生医療の産業化を目指す産・学・医連携の拠点で、医療機関と大学、ベンチャー企業など、官民一体となって進むことを目指しています。

 教育・文化の拠点とされるのが『森ノ宮』。環状線の東側エリアは、ゴミ処理場や、検車場という電車の検査をするような場所があり、広い区画があったけれども開発はされていませんでした。そこが変わりつつあります。まず大阪公立大学の新キャンパス。それに合わせて目の前に大阪メトロ森ノ宮新駅ができます。さらに大阪城の南側でも難波宮跡公園再開発が進みます。さらに周辺では、5月1日開業のダブルツリーbyヒルトン大阪城や、来年春開業のパティーナ大阪といったホテルも。

 そして『なんば・天王寺・あべの』。南海なんば駅前が車が通行できなくなり広場化されました。南側の玄関口としてどう開発していくかというこのエリアですが、日本総研・関西経済研究センター所長の藤山光雄さんによりますと、「大阪の雑多さ、良い意味での雑然さ、これを残しながら再開発することが課題」だということです。

再開発ラッシュの理由

 大阪で今、再開発が進む背景について見ていきます。まず一つは2025年に開催される大阪・関西万博です。そしてもう一つ、そもそも過去に大阪の街の開発が進んだのは1970年、前回の大阪万博に合わせるように、高度経済成長期で様々な開発が進みました。今、そこから50年以上が経ち、建物を立て直さなくてはならない更新時期が来ているというのです。

 そしてもう一つの理由、日本総研・藤山さんによりますと、それは『東京が一段落したから』ということです。東京スカイツリーも建設され、東京オリンピックも開催。日本一高いビルだったあべのハルカスも、東京にできた麻布台ヒルズに抜かれてしまいました。それが今、一段落したといいます。それによる建設業者の余裕ということもあり、流れが大阪に来ているということです。

住宅エリアはどう変わる?

 ここまで見てきたのは遊びに行く場所や仕事をしに行く場所の開発でしたが、住むエリアはどう変わるのでしょうか?

 グラングリーン大阪・うめきたエリアでは、ザ・ノースレジデンスで25億円の部屋が販売され話題に。こうしたものが誕生すると、釣られるように周辺の住宅価格も上がり、福島や中之島エリアでも住宅価格が押し上げられるとみられています。

 そして住宅地として今、注目のエリアは『十三~新大阪』なのだそうです。その理由の一つは十三に建設中のタワーマンション・ジオタワー大阪十三の存在。駅からすぐの区役所があった場所で、図書館や専門学校も入りつつマンションが建ちます。これまで十三は開発されにくいエリアだったといいますが、こちらも日本総研・藤山さんによりますと、1軒が建つと連鎖する可能性がある、ということです。新しい住民がやって来ることで、元々いた方の意識も変わり、新しい開発に協力する動きが生まれる場合も。ただ、逆に街が変わるのは嫌だと、抵抗する動きになる場合もあるということです。

 十三エリアはアクセスも良くなります。大阪駅から十三駅、そして新大阪駅に結ぶという新線も計画されているのです。将来的には新大阪にはリニアの計画も。どんどんと変わっていき全国的な人気エリアになるかもしれません。

懸念は万博後…2050年の人口は

 明るい話題を見てきましたが、最後に2025年大阪・関西万博の後について。2050年の人口推計が出ています。大阪の人口は約720万人に。現在は約880万人で、150万人減ってしまう計算です。さらに関西圏全体では400万人減となっています。

 前回万博の際に開発された、1962年まちびらきの千里ニュータウン(大阪・吹田市)、1967年まちびらきの泉北ニュータウン(大阪・堺市)、こうしたエリアが上手く代替わりができるのかどうかなど、長期的な視点での街づくりにも注目する必要がありそうです。

(2024年5月29日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)

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