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肉のハナマサもロピアもオーケーも...強豪スーパーが狙う『大阪』 人口・店舗数を分析すると見える理由 そしてスーパー戦国時代を生き残る「3つの戦略」とは

MBSニュース / 2024年6月19日 12時32分

 特徴のあるスーパーマーケットが生まれてくることは消費者にとっては良いことではないでしょうか。かつてスーパーは地元の比較的裕福な人が立ち上げるという例が多く、地元企業として各地で育っていったという歴史があるようです。しかし今はそれが全国企業に。そんな中で今、関西が「スーパー戦国時代」になっているといいます。なぜ関西が?生き残るスーパーとは?取材した様々な情報をまとめました。

関西のスーパー勢力図はどう変わっていく?

 東京商工リサーチとフードコンサルタントの池田恵里さんに聞いた、関西の主なスーパーの勢力図を見ていきます。いわゆる高価格路線では「ikari」、一方で「スーパー玉出」は低価格路線というイメージがあります。その中間の層でも、関西の店舗数が多い「万代」は比較的手ごろで、「ライフ」や「阪急オアシス」は比較的高級かな、というイメージがあるようです。人によって価値観が多様化しているので、チラシを見て少し離れたところでも10円でも安いところに行くというのは過去の話で、今はタイパ=タイムパフォーマンスで早い方が良いという人もいるということです。

 そのように価値観が多様化する中で、新しく「トライアル」「ロピア」「バロー」などが関西に出店、さらに「肉のハナマサ」や「オーケー」など、全国各地の強豪スーパーが続々と関西に上陸して、勢力図が変わりそうだということです。

 東京商工リサーチによりますと、岐阜・愛知から来た「バロー」の売り上げ2945億円。神奈川県の「ロピア」は売り上げ3270億円で、元々は精肉店から始まっています。福岡発祥で売り上げ5656億円の「トライアル」はパナソニックの元技術者が様々なIT化を試しているということです。関東の「肉のハナマサ」は売り上げ505億円で、こちらは元々は業務用のスーパーでした。そして今スーパー関係者が注目しているのが首都圏で展開して売り上げ5526億円の「オーケー」で、今年11月に東大阪市に出店が予定されています。経営方針が「EverydayLowPrice」となっていて、安さプラスクオリティも高いということです。

狙う理由は「東京の飽和」と「コンビニなどとの競争激化」

  では、なぜ今、関西が激戦区になっているのか。理由はいくつかあります。

 まず東京がスーパーの飽和状態にあるというデータがあります。1km当たりの商圏人口は、東京は9867人と多いのですが、大阪は4604人で、千葉の1217人よりは多くなっています。一方で、人口10万人あたりのスーパーの店舗数は、東京は21.5店舗と飽和状態になっていますが、大阪は17.3店舗で、千葉の16.3店舗と同じような数で、人口の割にはまだ出店の余地があるとみられています。

 もう1つの理由はコンビニ・ドラッグストアとの競争激化です。経産省の2023年上期のデータによりますと、業態別の商業販売額の小売業では、スーパーは7兆5240億円と1位で、コンビニが6兆1286億円、ドラッグストアが3兆9886億円となっています。

 ただこの金額の近年の伸び率を見てみると、スーパーが+2.8%。これは現在の物価上昇を考えると、ほぼ横ばいだということです。コンビニは+5.1%で、少し伸びているくらい。そして+7.7%と伸び率が高いのがドラッグストアです。

 そんな中で専門家によりますと、実は大阪は他の地域と比べると『安いけど質はもう少し上がる余地があるのではないか』と、特に東京の激戦を制して勝ち残ったスーパーからは、思われているようだといいます。

『総菜』を制する者はスーパーを制す

 次に見ていくのは、どういった強みがあれば、このスーパー戦国時代を制することができるのかという点です。客がスーパーを選ぶ理由には、価格や立地など様々ありますが、今、特に大事なのは『総菜』なのだそうです。

 日本惣菜協会によりますと、総菜の売り上げは年々増加して、2022年は10兆4652億円となっていて、20年で2倍となっているということです。その理由には単身者・高齢者の増加があります。スーパーは、調理をするための材料を買いに行くのではなく、食事を買いに行く場所となっているのです。

 そういえば、スーパーに入ってすぐの場所は、従来は野菜を置く店が多かったイメージですが、最近は総菜を置いている店が目立つようになっています。

フードコンサルタントの池田恵里さんオススメの総菜

 そうした状況で、それぞれのスーパーが力を入れる総菜について、フードコンサルタントの池田恵里さんに聞きました。

 例えば「平和堂」は『手作りお好み焼(税込み430円)』。普通はみじん切りになってるようなキャベツが千切りでちゃんとボリュームがあって生地も柔らかくておすすめだということです。

 「ライフ」ではフランスパンで挟んでいるサンドイッチの『カスクート(税込み386円)』。パンに硬さも弾力もありつつ、中はふわふわで、チーズやベーコンが入っていて美味しいのだそう。

 「阪急オアシス」は、アジアン弁当が充実していて、『パッタイ(税込み540円・特別店舗限定)』。脂っこくなりやすいところを脂っこくさせずに上手く調理しているのが特徴です。「万代」には名物と銘打っている『万代名物おいしい巻寿司(税込み321円)』があります。

 総菜はそれぞれ、店内調理かセントラルキッチンかの違いがある上、セントラルキッチンでも機械化などでコストをかけているとクオリティが上がっているということです。

 その充実してきているスーパーの総菜の質を、どこを見て選ぶべきなのか。それはズバリ『カツ丼』なのだそうです。カツ丼の卵は、溶き卵を使っているところもあれば、手間を省くために業者が作った加工卵を使っているところもあり、加工卵でも美味しいところはありますが、溶き卵の方が美味しいところが多いということで、そうしたところ違いが見えてくるということです。

生き残るのに重要な『小型化』と『プライベートブランド』

 では次に、スーパー戦国時代を生き残るには何が必要か、についてです。総菜も大事ですが、他に2つのポイントがあります。

 1つは『小型化』です。仕事帰りにパッと買いたい、駅前で少し良いものを買いたい、という需要が増えていて、これによりスーパーの形も変わるということで、小型店の数が年々増加しています。

 そしてもう1つ、他のスーパーと差別化するために必要なのが、『プライベートブランド=独自商品』です。各社がこれもどんどん増やしていこうとしています。品揃えが同じであれば価格で勝負するしかないありませんが、価格競争に巻き込まれないようにするためには、このプライベートブランドが重要だということです。

 例えば、イオングループの「まいばすけっと」は、商品の約半分がイオングループのプライベートブランド「トップバリュ」。ここに行かないと手に入らないものをどんどん増やしています。また「ライフ」も自然派プライベートブランド「ビオラル」シリーズが人気になっています。

 一番の敵はネットスーパーだということで、そこと戦うスーパーの進化に今後も期待です。

 (2024年6月18日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)

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