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室内に『大きなシマトネリコ』植えた家 東京都内、限られた予算...狭小住宅を克服した秘策は4人家族のシンボルツリー【住人十色】

MBSニュース / 2024年7月16日 19時13分

舞台は東京都豊島区。リビングにある「大きなもの」を取り入れるという驚きの方法で狭小を克服した家を紹介する。

住人(アルジ)は2人兄妹の子どもがいる4人家族。都内で会社員として働く夫妻が昨年建てた新居は、コンクリートの外壁に覆われ、真四角の形をしている。住宅密集地の中でもひときわ目を引く存在感を放っているが、建坪はわずか8.8坪。駐車場2台分にも満たない大きさだ。しかも、広くないにもかかわらず、子どもによると「家の中にでっかい“アレ”がある」そうで…。

玄関から中に入ると、なんと室内に高さ4.5メートルもある巨大な木が植わっている。このスペースは、住人(アルジ)自慢の「庭」だという。しかも天井まで突き抜けそうな木を見上げると、屋根の半分以上がガラス張りに。実は、この屋内庭とガラス屋根が狭小克服の秘策なのだという。長男の小学校入学を機にマイホームを計画した住人(アルジ)夫妻。通勤に便利な都内を中心に探し、限られた予算内で購入できたのは建坪8.8坪の狭小地だった。この場所で家族4人が快適に暮らすために目指したのが、のびのびと暮らせるまるで「外のような家」。そのために貴重な床面積を削ってまで作ったのが、天井まで届くほどの巨大な木がそびえる屋内庭だった。そして大空を望める巨大ガラス窓を設け、その下を全て吹き抜けに。屋内庭・ガラス屋根・吹き抜けの3点が合わさることで、建坪以上に広く開放的に感じる“外のような家”が実現したのだった。加えて、地面を1メートルほど掘り下げて半地下を設け、家を3層構造にすることで床面積を確保した。

 木が植わる1層目は、リビングダイニング。木のすぐ横には幅2.5メートルもあるコンクリート製の大きなテーブルがある。
 テーブルの後ろは、幅4.5メートルの巨大キッチン。業務用厨房メーカーに注文したもので、調理だけでなく、お絵描きや工作をする子ども達が気負わず使えるよう、実験室のようなオールステンレス製にした。

 リビングダイニングでやはり目を引くのが、一家のシンボルツリーであるシマトネリコの木。道路側にある大きな窓からの視線を遮る役割も担っている。木は、床をくり抜いた地面に直接植えた。土の栄養と日当たりの良さもあって、この1年で1メートルも成長したそう。

階段はアイアン製。メッシュ状なので、天井からの光が家全体に降り注ぐ。そんな階段を上がった家の2層目は、踊り場を中心に左右にスペースが分かれていて、片側は寝室。吹き抜けに面した部分には壁がないため、木の真横で寝ている形になり、まるで毎日がキャンプ気分なのだとか。
 反対側の壁は一面、大容量の収納を兼ねた本棚になっている。しかも壁の一部が隠し扉になっていて、押すと秘密部屋が現れる。実はリモートワーク専用部屋として作ったスぺ―スだったが、今ではすっかり子どもたちの遊び場になっているそう。

 一番上の3層目にあるのは、ガラス屋根。しかし家の中には容赦なく日差しが入るため、夏には外気温より室温が高くなることも。そこで、ランドリースペースなど滞在時間が少なめの部屋を3層目に置いているという。

 狭さを克服した外のような家に暮らして1年。夫は「自然の影響をダイレクトに受ける家なので、それとどう戦っていくかが結構面白い」と明かす。妻も「暑かったら涼しいところに自分が行けばいいし、みんな自分で工夫しながら生きる力を身につけていってくれるんじゃないかと思います」と笑う。

 外を取り込み自然を受け入れる家。わずか建坪8.8坪と限られた空間にも関わらず、木も人も成長できる、無限の伸びしろがある。(MBS「住人十色」2024年7月20日放送より TVerでも放送後1週間配信中)

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