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元阪神・北條史也選手の現在地 38年ぶり日本一の裏で『戦力外』そして舞台は社会人野球へ「プロじゃなくても頑張っている姿を見せたい」

MBSニュース / 2024年8月20日 11時43分

 元阪神タイガースの北條史也選手。去年、阪神を戦力外となり、今は兵庫県が本拠地の社会人野球チームに所属しています。環境も戦い方も違う新天地での挑戦に密着しました。

「歓喜の輪に入れず悔しさとむなしさ」去年秋に戦力外 新天地は社会人野球

 去年、18年ぶりのリーグ優勝、さらに38年ぶりの日本一に輝いた阪神タイガース。その栄光の裏で、こう話す人がいます。

 「11年ぐらいいて、その1回の優勝に参加できなかったというか、(歓喜)のなかに入れなかったので、悔しい気持ちとむなしさがありました」

 元阪神タイガース、北條史也選手(30)です。去年、11年間プレーしたプロの世界を後にしました。

 (北條史也選手)「終わってみれば、あっという間でした。いろんな経験をさせてもらった11年間かなと思います。野球は好きですね。好きですけど、ケガとかいろいろあったから、悩みました」

 新天地は社会人野球。今年1月から、兵庫県が本拠地の三菱重工West硬式野球部に所属しています。

 北條選手は大阪府堺市出身。幼いころから野球で頭角を現します。

 高校は青森の強豪・光星学院(現・八戸学院光星)に進学。甲子園ではチームの主力として3季連続の準優勝に貢献し、清原和博さん(PL学園)と並ぶ甲子園歴代トップ・通算29打点をマークしました。

 2012年ドラフト2位で阪神に入団すると、4年目の2016年には勝負強いバッティングを買われレギュラーをつかみ取ります。しかし、度重なるケガなどで出場機会が徐々に減り、去年秋、戦力外になりました。

 (北條史也選手)「球団に残るか、(オファーの来た)社会人野球に行くかで最後は迷っていましたけど、野球を辞めていった人に話を聞いてもらったときは、続ける場所と体力があればやった方がいいって言われたので、後悔しない方を選びました」

「大ファン」「北條さんの打ち方をマネしていた」チームメイトは喜び

 プロの世界で活躍した有名選手の加入に、チームメイトは喜びを隠しきれなかったといいます。

 (三菱重工West硬式野球部 中山将太主将(27))「北條さんが高校生のときから知っていたので、大ファンで。最初は信じられなかったんですけど、最近は楽しくやらせてもらっています」
 (三菱重工West硬式野球部 竹田祐投手(25))「自分らの世代は憧れている人が多いと思います。中学生の頃、北條さんを見て打ち方をマネしていました」

 プロ生活で培ったすべてをチームメイトに惜しみなく伝えます。

 (三菱重工West硬式野球部 湯口郁実副主将(25))「人一倍アップとかトレーニングに対して真摯に取り組んでいる姿を見て、北條さんの背中を見て、すごくいい刺激をもらっているなと。チームにとってもいい雰囲気でできているんじゃないかなと思います」
 
 (北條選手)「(コメントが)うまいなと思ってやっぱり。うまく言えるんで、いつも。でも本当に思ってくれていたらうれしいです」
 (湯口副主将)「心の底から、かっこいいです」

 (三菱重工West硬式野球部 津野祐貴監督)「プロ野球で10年やっている選手なので、技術はすばらしいものを持っていますし、それ以上に人間性というところですばらしい選手。試合で負けたりすると、一番悔しがっていますし、勝ったときは喜んでいますし。野球に対する取り組み方は若い選手の見本になっていると思います」

 プロ野球と違って選手全員で準備や後片付けをします。グラウンド整備は高校以来。感覚が徐々に戻ってきました。

 (北條選手)「(地面の)穴を埋めるのキレイにできたら、結構、自己満足」
 (チームメイト)「泥臭さがありますもんね。こういうことをやらなあかんアマチュアは。プロは環境がいいですもんね」
 (北條選手)「プロはそれが仕事やから。野球が。野球だけが」

「社会人野球で頑張っている姿を見せたい」都市対抗野球に挑む

 社会人野球の選手になって半年。この夏、初めて挑んだ大きな大会があります。それが都市対抗野球。全国から地区代表の32チームが出場する最高峰の大会です。プロ野球とは違い、負けたら終わりのトーナメント制。三菱重工Westは2年連続で初戦敗退と結果を出せていません。

 (北條史也選手)「まず1勝して、そこから優勝までいきたいというのが目標。プロ野球じゃなくても、社会人野球で頑張っているところを見せられたらいいなと思います」

 7月23日、迎えた初戦。舞台は巨人戦で何度も歓声を浴びた東京ドームです。都市対抗野球は、会社だけでなく本拠地の都市が街を挙げてチームを応援します。相手は前回ベスト4の強豪・王子(愛知県春日井市)です。北條選手は2番サードでスタメン出場。

 試合は、3対3の同点で迎えた7回。均衡を破ったのは北條選手でした。この日2本目のヒットで出塁すると、そこから打線がつながります。北條選手がうまくタッチをかいくぐり勝ち越しのホームイン。さらに8回、チームメイトがホームランを放ち、5対3で3年ぶりに初戦を突破しました。

“去年の王者”を相手にホームランを放つなど5打点の大活躍

 そして7月25日に行われた2回戦。相手は去年の王者・トヨタ自動車(愛知県豊田市)。全国大会で8度の優勝を誇る名門です。

 厳しい展開が予想されましたが、0対0で迎えた3回、北條選手がいきなりの特大2ランホームランでチームを鼓舞します。

 その後、同点に追いつかれますが、7回には満塁のチャンスでまたしても北條選手が走者一掃のタイムリーツーベース。9対2の快勝でベスト8進出を決めました。

 5打点の活躍でチームを勝利に導いた北條選手。ヒーローインタビューも社会人野球では初めてです。

 (ヒーローインタビューに応じる北條選手)「社会人野球、最高です。純粋に野球を楽しんでやっているところが最高です。ありがとうございました」

「成功も失敗も次の人生に生かしたい」

 その後、チームは準々決勝で敗退。優勝には届きませんでした。決して順風満帆とは言えない野球人生。それでもこれまでの経験すべてを糧に、再び輝きを放ちます。

 (北條史也選手)「成功も失敗もしていますし、自分なりに考えて次の人生に生かしていきたいなと思います。いつ辞めてもいいと思えるくらい毎日充実した1日を過ごしていきたいと思います」

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