【高校野球】準決勝はともに激闘!劇的な幕切れで初めての決勝進出『関東第一』 鮮やか逆転で粘る青森山田を振り切った『京都国際』
MBSニュース / 2024年8月22日 17時57分
夏の全国高校野球選手権大会も、いよいよ大詰め。8月21日(水)は、準決勝2試合が行われました。
劇的な幕切れとなった第1試合「関東第一」対「神村学園」
準決勝第1試合、東東京代表・関東第一と鹿児島県代表・神村学園の対戦は劇的な幕切れとなりました。4回に神村学園が、関東第一の先発、甲子園初マウンドの大後武尊投手から1点を先制するも、関東第一は7回、それまで完璧に抑えられていた神村学園のエース・今村拓未投手をとらえます。
5番・越後駿祐選手が、チーム初ヒットでチャンスをつくると、7番・熊谷俊乃介選手が、ライト線を破るタイムリーツーベースヒット、さらに続く市川歩選手のセカンドゴロをセカンドが後逸する間に、熊谷選手がホームイン、ワンチャンスを生かして2対1と逆転します。5回を1失点と粘投を見せた大後投手の後、6回からは、エース・坂井遼投手をマウンドに送り込んだ関東第一、そのまま逃げ切りを図ります。
しかし、粘る神村学園も1点を追う9回、2アウトながら、1塁、2塁のチャンスをつくり、ピンチヒッターの玉城功大選手。神村学園・小田大介監督が、「玉城はチームを引っ張ってきてくれた選手。この夏は、なかなか出番がない中でも、朝から晩までバットを振っている姿をみていたので、あそこは玉城に託した」と語った玉城選手が、気持ちの強さを見せます。カウントノーボール2ストライクと追い込まれてから坂井投手の繰り出す渾身のストレートに食らついていきます。
そして、粘って5球目を見事にセンター前へはじき返します。セカンドランナーが返れば同点、果敢にホームを狙いますが、センター・飛田優悟選手から素晴らしい送球、キャッチャーの熊谷選手が「絶対にボールを落とさないという気持ちでタッチに行った」というタッチが一瞬勝ってホームタッチアウト。小田監督が「最後は、0.1秒の差。センターの飛田選手すばらしい送球だった。関東第一は、本当にいいチーム」と振り返った劇的な幕切れで、関東第一が初めての夏の甲子園大会決勝進出を果たしました。
春のセンバツ大会でも好勝負を演じた第2試合「青森山田」対「京都国際」
第2試合は、春のセンバツ大会でも好勝負を演じた、青森山田(青森)と京都国際(京都)の対戦。1回から青森山田が、京都国際の先発のエース・中崎琉生投手に襲い掛かります。中崎投手が「センバツでは、ストレートを狙われたので、変化球から入ったが、逆に、そこ(変化球)を狙われてしまった」と振り返ったように、今大会威力を発揮していた中崎投手の決め球・スライダーを積極的にたたいて得点につなげてきます。立ち上がり制球に苦しむ中崎投手から、2つのフォアボールで1アウト1塁2塁のチャンスをつくると、4番・原田純希選手が、中崎投手のスライダーをとらえて、ライトへのタイムリーツーベースヒット。続く5番・吉川勇大選手も、1ボールからの2球目のスライダーをたたいてセンターへの大きな犠牲フライ。瞬く間に2点を先制します。
一方の京都国際は、青森山田の先発・下山大昂投手をなかなか捕まえることができません。4回まで、わずか1安打。5回に、ようやく1アウト2塁のチャンスをつくると、中崎投手の打順で、代打高岸栄太郎選手を送り込んで、早めの勝負に出ます。しかし、セカンドランナーがサードへの盗塁を狙ってタッチアウト、チャンスを逃してしまいます。それでも差は2点、5回からは、チームの快進撃を支えてきたもう一人の左腕・西村一毅投手をマウンドに送り込んで、反撃を狙います。
「絶対に抑えなければいけないと、プレッシャーがかかったが、お前なら大丈夫と中崎さんから声をかけられて落ち着いた」という西村投手。リズムに乗った素晴らしい投球で、チームに流れを呼び込みます。そして6回、打線がこの回から、マウンドに上がった青森山田のエース・関浩一郎投手の立ち上がりを捉えます。1アウトから連続ヒットとデットボールで満塁のチャンスをつくると、5番・長谷川颯選手が、ライトへのタイムリーヒット、ついに2対2の同点に追いつきます。甲子園に来てから、7安打目と絶好調の長谷川選手、大事な場面で結果を残しました。
さらに、つづく服部颯舞選手のピッチャーゴロの間に、3塁ランナーの藤本陽毅選手が、判断よくホームイン、3対2と逆転に成功します。逆転した京都国際、その裏、今度は、長谷川選手が守備でビッグプレーを見せます。1アウト1塁から、青森山田吉川選手が、ライト前にクリーンヒット、1塁ランナーが一気に3塁を狙いますが、ライトの長谷川選手がサードへ目の覚めるような好返球。サードタッチアウトで、青森山田の反撃ムードを断ち切ります。
しかし、青森山田もあきらめません。7回からは、関投手が奮投。持ち味の動くボールを上手く使って、京都国際に追加点を許しません。試合は、そのまま9回裏へ、青森山田は、先頭の原田選手が粘ってフォアボール、同点のランナーが出塁します。続くバッターは、6回に西村投手からヒットを放っている吉川選手。送りバンドも考えられる場面でしたが、吉川選手の「打ちます」の言葉を信じた青森山田・兜森崇朗監督の選択は、強硬策。しかし、西村投手のチェンジアップに、タイミングを外されてショートゴロダブルプレー。2アウトと追い込まれます。
続くバッターは、キャプテンの橋場公祐選手、6球目まで粘りますが、最後は打たされてセカンドゴロ。「ここまでベンチに入れないメンバーも含めて全員で戦ってきた。苦しい練習を一緒に乗り越えてきた仲間に、優勝してメダルをかけたかった」と話した、青森山田・橋場主将の夢は、京都国際の前に絶たれました。
「春、センバツ大会で青森山田に敗れたことで、ひとりひとりが、この夏に向けて大きく成長できた」と語った京都国際・小牧憲継監督。京都国際がセンバツ大会の雪辱を果たして2021年103回大会のベスト4を上回る初の決勝進出を果たしました。
「チームの雰囲気は最高、このまま決勝戦も戦い抜きたい」と語った、関東第一・熊谷選手。「大きな山を乗り越えたが、まだ戦いは残っている。ここからが大事」と気を引き締めた京都国際・小牧監督。
関東第一と京都国際、どちらが勝利しても初優勝となる、注目の第106回全国高校野球選手権大会の決勝は、8月23日(金)午前10時から行われます。
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