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"催事のプロ"に密着!バッグ・ジュエリーなど約15万点が並ぶ『質流れ市』開催までの3か月 成功の秘訣は「出展者の話をまずは聞く」 阪神梅田本店

MBSニュース / 2024年9月1日 12時25分

 8月28日に大阪の阪神梅田本店で始まった「質流れ品大バザール」。全国から22の質店が集まり、バッグや時計、ジュエリー類など約15万点が並びます。今回で40回目を迎えた阪神の名物催事、過去には1日で4億円を売り上げたこともあるということです。取材班は会場を取り仕切る“催事のプロ”に密着し、開催までの3か月間の奮闘を追いました。

“催事のプロ”だが「質流れ市」の担当は今回が初

 ここ数年、値上げラッシュが続くハイブランド。それゆえに、少しでも手ごろに買おうと中古品の人気も高まっていて、「質流れ品大バザール」も例年以上に熱気を帯びています。会場を取り仕切るのは、“催事のプロ”小田匠一郎さん(44)。これまで100以上の催しを手掛けてきましたが、「質流れ市」は今回が初めてです。

 (阪神梅田本店・催事企画担当 小田匠一郎さん 8月28日)「初めてなので、手探りな部分もあった。プレッシャーを感じながらやっていましたね」

 今年6月、小田さんはオフィスでひっきりなしに電話をかけていました。

 (小田匠一郎さん)「どれだけ商品を集めてもらえるかが成功するかどうかの鍵になりますので、定期的にご連絡しています。『頼むよ!』という感じです」

 20年前に入社した小田さん。紳士服売り場などを経験した後、13年前に催事担当に抜擢されました。これまで、「北海道物産展」から「海のいきもの展」まで、幅広いジャンルの催しを手がけてきました。

 7月下旬、小田さんは神戸の質店にいました。数ある質流れ品の中でも、今回の催事で特に集めたいものが「リュックサック」。街中でリュックスタイルを目にする機会が増えているため、充実させれば必ず人気コーナーになるとふんだのです。

 (小田匠一郎さん)「リュック系やバックパック系ってありますか?仕事されている女性とか、遊びに行かれる方も、かっこいいバッグパックを背負っている人を見かけるようになって、傾向として増えているのかなと思ったので」
 (鑑定質屋ゲンロク 森谷博章さん)「それはちょっと、私も把握していなかったですね。あらためて勉強になりました」

 狙いを説明し、リュックを集めてもらえることになりました。

 一方、苦戦していたのがジュエリー類です。指輪1つで数百万円はざらにある世界。小田さんの前任者・連藤誠一郎さんは「質流れ市」に20年以上携わってきた大ベテランで、鑑定士の資格も持っていた“宝石の目利きのプロ”でした。知識では前任者に遠く及ばないだけに、焦りは募ります。

 (小田匠一郎さん)「女性に比較的人気の傾向は?」
 (天六 まるみや 西村壮史さん)「年配の方はゴージャスなものですね。若めの方ですと“重ね付け”が流行っていますね」

 小田さんが大切にしているのは、出展者の話に耳を傾けること。これが催事成功の秘訣だといいます。

 (小田匠一郎さん)「催しって、ひとつひとつ全然性格も違いますし、関わる方もガラッと変わっていくので、『前やっていた催しがこうだった』というのが通用しない仕事なんです。一緒にやる方のお話をまずは聞くのが自然と身についてきた」

小田さん「通路を広げたい」 質店側「ショーケースの数が減るとつらい」

 この日、小田さんは質店の代表者らと会場についての話し合いをしていました。

 (質店側に説明する小田さん)「売り場と売り場の間の通路もかなり混み合っていて、なんとか通路を広げることで回遊性を高めたいなと」

 会場の通路の幅をこれまでより40cm広げようというのです。通路を少し広げるだけで混雑しても買い物がしやすくなり、結果的に売り上げが増える、これまでの経験からそう確信しています。しかし、通路を広げれば売り場は圧迫されます。出展する店の理解は欠かせませんが…

 (出展する質店の代表)「微妙に難しいところがあるというか。質屋さんの立場から見ると、ショーケースの数を減らされるとつらい部分もあるので。どっちを立てたらいいかなと」

 やはり、簡単に納得とはいきません。

 開催まで約1か月。8月上旬、百貨店の特設会場では、出展予定の質店が一般の人から中古品を買い取るイベントが行われていました。オークション形式で各店から値段が提示され、どんどんと買い取られていきます。ブランド物のバッグでは…

 【買い取りの様子】
 「せーの、15万9000円、14万6000円、13万2000円、13万8000円、14万8000円。ということで15万9000円です」

 そこに思わぬ逸品が舞い込んできました。製造数が限られた高級ブランドのオルゴール。マスコットが回転する希少な品です。

 (岡崎屋本店 吉田裕哉さん)「好きな方がこういうものを集めたり、コレクションでマニアの方が集めたりするので、(中古)市場には出にくいかなと思いますね」

 また、ジュエリーでも…

 (質ショップコニシ 小西尚典さん)「先ほど買い取らせていただいたこちらは、ホワイトゴールドのTスマイルのダイヤネックレス、ラージサイズ。少ないですね、特にダイヤ入りですし。これは前回お客さんが探していたけど、なかなかない商品だったので」

 人気シリーズのダイヤ入りネックレスなど、長く使われる定番アイテムは手放す人が少なく、願ってもない収穫となりました。

お客さん・スタッフが笑いながら会話「いい景色だなと」

 迎えた催事初日の8月28日。開店1時間前、小田さんは、最後の確認に余念がありません。神戸の質店にお願いしていたリュックサックは、思った以上に揃いました。

 (鑑定質屋ゲンロク 森谷博章さん)「お客様のニーズがあると教えていただいたので、20~30個は集まったと思います」
 (小田匠一郎さん)「(集めるのは)難しいんじゃないかなと思っていたのですが、さすが」
 (森谷博章さん)「軽いものばっかり集めさせてもらったので、これは売れてくれると思います」
 (小田匠一郎さん)「期待しています」

 午前10時。開店とともにお客さんが店内に流れ込みます。

 (客)「(Q何を購入?)ルビーのリングとアレキサンドライト(宝石)のブローチを。これは80万円です。新品の商品を買うよりは、かなりお得に買えるんじゃないかなと思います」

 熱気を帯びる店内。混雑はしていますが、質店の理解もあって、通路を広げることに成功。狙い通りの「質流れ市」になったようです。

 (小田匠一郎さん)「ベビーカーがすれ違っても、両脇ではちゃんとお客様が商品を見られている状況があったので、(通路を)広げて正解だなと」

 (小田匠一郎さん)「やっぱりうれしいですね。スタッフとお客様が、笑いながら商品を見ながら、会話されているのを見ていると、いい景色だなと。これからも楽しみにしていただけるような仕掛けや商品とか、新しい魅力を今後はより発揮していけたらと思います」

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