橋下徹氏に聞く!自民党の総裁選挙と立憲民主党の代表選挙のポイント 若手の台頭に「やっとそういう社会になった」と橋下氏
MBSニュース / 2024年9月10日 18時4分
自民党の総裁選挙が近づく中、過去最多の顔ぶれが出そろい、世代交代の兆しが見え始めています。すでに出馬を表明したのが7人、出馬に意欲を示している候補者も含めると10人以上が検討しています。茂木敏充幹事長(68歳)、石破茂元幹事長(67歳)、林芳正官房長官(63歳)、河野太郎デジタル大臣(61歳)に加えて、特に注目を集めているのが若手や女性政治家です。小林鷹之氏(49歳)や小泉進次郎氏(43歳)が台頭し、女性では高市早苗氏(63歳)が出馬を表明、上川陽子氏(71歳)や野田聖子氏(64歳)も出馬に意欲を示しています。(いずれも9日時点)
小泉進次郎氏は、「足りないところを補ってくれる最高のチームを作ります」
JNNの最新の世論調査で、次の総理にふさわしい人の第1位となったのが、元環境大臣の小泉進次郎氏でした。先日の記者会見で小泉氏は、記者に「知性の低さ」について問われ、「足りないところを補ってくれる最高のチームを作ります」と答えました。
また総裁に選出された場合は「早期の解散総選挙」にも言及しています。この発言に対して、他党からも反応があり、立憲民主党の野田佳彦氏は「論戦したくない人ほど早く解散するものだ」と批判的にコメントしています。
橋下氏「やっとそういう社会になってきた。僕は非常に嬉しい」
――小泉進次郎氏の総裁選出馬について、橋下徹さんはどのように受け止めていますか?
橋下徹氏「まず、43歳での日本のリーダーに立候補するというチャレンジ、これだけで敬意です。小林鷹之さんも49歳だし、やっとそういう社会になってきた。僕は非常に嬉しい。」
小泉氏への「経験不足」批判に対して、橋下氏は異議を唱えました。「チームでやることだし、僕も38歳でなんの経験もなく知事になったわけだから」と述べ、「努力しながらやるということもある」としました。また、「知的レベル」などと問われた際の小泉氏の対応についても、「43歳ですごいな。俺だったら全く会見中止になっちゃうね」と述べました。
ただ、橋下氏は「これはあるところで聞いたんだけど」と前置きしつつ、小泉氏の会見では記者席が座席指定・事前登録制であり、質問内容も事前に把握されていた可能性があると指摘。しかし、その応対については「それが戦略だったとしても、アドリブだったとしてもすごい」と感心しました。
菅元総理の影響力「傀儡政権の懸念」あるのか
――橋下さんに聞きます。菅義偉元総理が応援していたりしていて、小泉氏を大物重鎮が操る「傀儡政権になるのではないか」という懸念はいかがでしょう。
橋下徹氏「派閥の影響をなくせというのはわかるけど、小泉さんが43歳で、誰が適材適所かなんてわかりません。人間関係も必要です。小泉さんが掲げている公約をつぶすような人を周りに固めたらアウトですよね。でも菅さんは改革魂が熱い人だから、やりきるというものが小泉チームにはあって、それを実現できるメンバーを菅さんが集めて来るんじゃないでしょうか。」
「自民党の路線に早く決着をつけてほしい」
橋下氏は、自民党には大きく2つの路線があると話します。一方は「保守」で、高市早苗氏や小林鷹之氏を挙げました。もう一方は「個人の選択を広げていこう」という小泉進次郎氏や河野太郎氏らだとし、自民党の路線に早く決着をつけてほしいと話しました。
橋下氏は、「安倍晋三元総理という大きな看板があり、全体的に人気は高かった」と当時をふりかえつつも、「選択的夫婦別姓や移民政策などは進展しなかった」として、今後、自民党員がどっちの自民党で行くのか、決めてほしいと話しました。
「政治とカネ」政策活動費に対する候補予定者の発言
――いっぽう、こちらは決着がつくでしょうか。「政治とカネ」の問題、政策活動費について、候補者らは異なる姿勢を示しています。
小林鷹之氏は「廃止を検討するべき」との考え、石破茂氏は「政治資金について、節度をもって集め、透明性を持って公開するルールを作る」と主張、河野太郎氏は「不記載額の返還」と提案しています。林芳正氏は「総裁としてどのような使い方をしていたのかを見て、不必要なら廃止」とし、茂木敏充氏は「廃止」を主張。小泉進次郎氏は「廃止、旧文通費は公開、裏金に関わった議員は要職につけない」という姿勢を示しています。そして高市早苗氏は「政治とカネについては、使途の公平性と公正性を担保できる仕組みを作る」と訴えています。
神戸学院大 中野雅至教授「実行できるかどうかです。言うことはいくらでもいえるが、もし廃止となったときに、本当にできるかどうかだ」
橋下徹氏「でも、見て思うのは、世論の人気が高いと、議員が反対しそうなことも思い切って言えるんですよね。今小泉さんがいちばん踏み込んでいる。」
橋下徹氏は、公約なら実行せざるを得なくなるはずだ、と指摘したうえで、「それだったら立憲民主がいうように、なんで先にやらないの、切羽詰まって選挙が近づいたときにやるのか」と述べ、「そういう意味で僕は立憲民主の方にも頑張ってほしいんだけど」と話しました。
立憲民主党の代表選は4氏が立候補
野党第一党、立憲民主党も代表選が行われます。当初は野田佳彦氏(67歳)、枝野幸男氏(60歳)、泉健太氏(50歳)の3人が立候補を表明して、最後に吉田晴美氏(52歳)が駆け込みで加わりました。JNNの世論調査によると、支持率のトップは野田佳彦氏で30.9%。続いて枝野幸男氏が11.3%、泉健太氏が9.7%、吉田晴美氏が7.1%となっています。
橋下氏は、自公が過半数割れになるには、立憲民主党と日本維新の会の一本化が重要だと指摘。両候補予定者が重複している選挙区が約80あると述べました。橋下氏は、調整できない場合は「くじ引き」による候補者一本化を提案し、「民主政治には親和性があるんです。古代から使用されていて、現代でも首班指名が同数ならくじ引きだ」と主張、与党を追い込むほどの迫力が必要だ、と述べました。立憲民主党の代表選は、9月23日、自民党の総裁選は、9月27日に予定されています。(MBS「よんチャンTV」2024年9月9日)
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