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橋下徹氏は斎藤知事パワハラ疑惑をどう見る?「言いたいこといっぱいあると思う」一方で知事の経験不足など指摘「役職が違う下の人に同じものを求めるのは間違い」

MBSニュース / 2024年9月11日 21時33分

 兵庫県の斎藤元彦知事を巡る疑惑について、元大阪府知事の橋下徹氏が独自の視点から分析。自身の経験を交えながら見解を語りました。

まず、9月6日の百条委員会で行われた知事本人への証人尋問を受け、現在追及されている主な疑惑は大きく3つに分けられます。

(1)県産品などの受け取りとおねだり
斎藤知事が県産品などを受け取っていた、あるいは「おねだり」していたという疑惑です。知事の自宅にまで贈答品が届けられていたという情報もあります。

(2)パワハラ問題
2つ目の疑惑は、斎藤知事によるパワハラの有無です。知事の言動や行動が部下や職員に対して過度な精神的・身体的苦痛を与えていたのではないかという点が問題視されています。

(3)内部通報者への対応
最後に、そして最も重要な疑惑は、内部通報者への対応です。これは全ての問題の始まりとも言える事案です。内部通報があった際、斎藤知事や県の幹部が通報者をさがし出そうとしたり、通報者を処分しようとしたのではないかという疑いがあります。このような対応が適切だったのか、通報者の保護という観点から大きな問題となっています。

これらの疑惑について百条委員会では斎藤知事本人への再尋問が行われ、真相の解明が進められています。

橋下徹氏「斎藤さんは殻に閉じこもっちゃっている」

斎藤知事に対して「斎藤さん、1回焼き鳥でも食べに行こう。じっくり話をしよう」と対話を求めた橋下徹氏。「言いたいこといっぱいあると思う」とした上で、「職員クーデターだと、斎藤さんは殻に閉じこもっちゃっている。自分は悪くないと思っている、被害者意識がある」と話しました。一方で、斎藤知事の言動や対応に厳しい見方も示しました。

県産品の受け取り問題 全国の知事の実態は?

県産品の受け取りについて、橋下氏は自身の経験を踏まえ、「全国の知事、市長で断っている人は、僕が聞いている限りはいない」と述べています。実際、多くの知事が自宅に持ち帰ったり、職員で分けたりしているのが現状だと指摘します。その上で、「もし本当にダメなんだったら全国で一律に辞めたらいい」と提案しました。

橋下氏は、県産品の受け取りには宣伝効果があることも指摘します。生産者が知事室を訪れ、一緒に写真を撮ることで、知事が地元産品を応援していることをアピールできるということです。

一方で、受け取り方や使用方法には課題があるとし、公平な配布の必要性を訴えています。

パワハラ疑惑「役職が違う下の人に同じものを求めるのは間違い」と指摘

職員アンケートの回答などによると、斎藤知事のパワハラ疑惑について以下のような内容が挙がっています。

▼定例記者会見でペンを放り投げる
▼「インクが出にくい」と恫喝・叱責する
▼机を叩いて激高する
▼「エレベーターのボタンも押せないのか」と怒鳴る
▼助手席のシートを後ろから蹴る

特に注目されているのは出張先での出来事です。施設の入り口から20メートル手前で車を降ろされて職員を叱責したことについて、百条委員会で知事は「過大な要求では?」という問いに対して「円滑な車の進入を確保していなかったため注意した」と説明しました。その上で、この要求は「道理的」だと主張しています。

橋下氏は、自身の経験を踏まえ、「トップが必ず失敗するのは、自分の基準でその組織のメンバーを評価すること」だと述べています。さらに、「役職が違う下の人に同じものを求めるのは間違い」だと強調しています。

橋下氏は、知事という立場にある人物が、組織の基準ではなく個人の基準で評価することの危険性を指摘しています。また、現代の職場環境において、かつては許容されていた行為も、今ではパワハラとして認識されることが多いと説明しています。

問題の背景にあるのは“知事の経験不足”?

斎藤知事は総務省から大阪府の財政課長を経て、いきなり知事の座に就きました。橋下氏によれば、このような急激な昇進は役所の中では「とんでもないジャンプ」だといいます。通常であれば、その役職の下の人たちが徐々に昇進し、副知事を経験してから知事になるのが一般的です。

橋下氏は、自身も民間の経験や様々な批判を受けることで、常に自己アップデートを繰り返してきたと語っています。一方で、斎藤知事はそのようなアップデートができていないのではないかと指摘しています。

深夜・休日のメール問題“時代に合わせた対応を”

斎藤知事を巡っては、深夜・休日のチャットも問題視されています。

橋下氏は大阪府知事時代、深夜や休日にメールを送信していたことを明かしています。当時、メールは新しい取り組みとして始めたものの、すぐにその問題点に気付いたといいます。「休日夜間返信不要」という一文を必ず入れ、業務時間内の対応を求めるようにしたということです。しかし、「みんな休日・夜間も見てるんですよ」と後々、職員から言われたそうです。

現在、働き方改革が進む中で、この問題はより深刻に受け止められるようになっています。イギリスの労働党が提案している「つながらない権利」の法案化は、まさにこの問題に対する一つの解決策と言えるでしょう。これは、会社などから切り離される権利を労働者に保障するもので、深夜や休日の業務連絡を禁止する内容を含んでいます。

橋下氏は、単に「返信不要」と記載するだけでなく、業務時間外の連絡自体を控える、あるいはメールの予約送信機能を活用するなど、意識をアップデートする必要があると訴えました。

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