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番組史上最狭小の家 森の中にひっそり佇む住まいはなんと建坪"四畳半"! 建築家夫妻が編み出した狭さ克服のキーワードは「兼用」【住人十色】

MBSニュース / 2024年9月18日 12時37分

舞台は、秋田県秋田市。番組史上もっともコンパクトな、建坪“四畳半”の家を紹介する。

住人(アルジ)は、建築家夫妻と男の子がいる3人家族。2021年に建てた新居はちょっと変わっているそうで、妻によると「子どもはわくわく、大人は疲れる家」なのだという。

森の中にひっそりと佇む住まいは、絵本の世界に出てきそうな三角屋根の家。2棟あり、向かって右側の平屋が夫妻の建築事務所、左にある鉛筆のような細長い建物が家族3人の居住スペースになっている。小さく見える居住棟の建坪は、なんと畳4枚半の広さしかない。坪数でいうと2.25坪。番組史上“最狭小”の家だ。

そんな家の中は一体どうなっているのか? 掃き出し窓のような玄関扉を開けると、すぐ目の前に階段が現れる。その隣にあるのが、約2.5畳のダイニング。テーブルはなんと廊下も兼ねており、奥に行くにはテーブルを乗り越えないといけないという。

10年前に結婚した住人(アルジ)夫妻。長男誕生を機に予算2300万円で新居を構えようと決意する。インターネットで探した土地は格安の300万円。残り2000万円が建物の費用となったが、コストダウンするために建築家夫妻が出した答えが「なるべく小さくすること」。建坪を限界までコンパクトにすることで、お金のかかる基礎工事費が抑えられた。そして、空間を縦に広げて3階建てに7つのフロアを設けた。そこまでして建坪四畳半にこだわったのは、「狭くても快適に過ごせる空間を作るという意味で、“限界への挑戦”をしたかった」との思いがあったという。

そんな家の狭さ克服のキーワードは「兼用」。廊下兼ダイニングテーブルはキッチンカウンターも兼ねており、廊下を乗り越えた向こう側は約2畳のキッチンになっている。また食器棚も出窓と兼用。出窓に棚板を渡して食器を収納している。

さらに、ダイニングテーブル横にある階段兼収納棚を上がると、家の3フロア目に当たる場所に約2畳の和室がある。床柱に違い棚までありかなり本格的な造りだが、実は違い棚は階段も兼ねており、上がると2階の4フロア目へ。4フロア目には1.5畳のリビングがあり、少し硬めに作ったソファーは階段と兼用している。

ソファーの階段を上がると、3階の5フロア目が現れる。ここは水回りスペースで、小さな浴槽がむき出しで設置されている。そして、目の前にはなぜか布団が・・・。なんと浴槽の横は夫の寝室。起きてすぐ朝風呂に入れるからとお気に入りなのだとか。しかも洗面ボウルが埋め込まれているのは寝室の床。幅12センチの柱にぴったりと合わせた鏡も。これが試行錯誤の上にたどり着いたベストの配置なのだそう。

もう1つの建物は、夫妻の建築事務所兼セカンドリビング。平屋の広さは居住スペースから打って変わって32畳もある。しかし、元々建坪四畳半で暮らす覚悟だったはずが、なぜこんなスペースを作ったのか? 実は、銀行でローンを組むには延べ床面積をあと48平米分確保する必要があった。そこで、必要最小限の屋根、壁、柱だけの、まるで東屋のような平屋を建てたのだった。

限界への挑戦で建てた建坪四畳半の家。夫は「狭さを意外と感じない。四畳半とは思えないほど広い家ができたかな」、妻も「30畳ぐらいの広さ、豊かさはあるかなって思います」と住み心地を語る。

四畳半という数字では計り知れない豊かな空間を手に入れた家族。これからも3人の思い出が膨らんでいきそうだ。

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