「つぶすことありきの話をしてますよね?」突然の児童館『廃止案』に利用者から批判の声が噴出 市側は"財政状況"改善のため方針決定 滋賀・彦根市
MBSニュース / 2024年9月24日 16時33分
無料で遊べる“子どもたちの居場所”として親しまれてきた滋賀県彦根市の児童館。しかし、この児童館を「今年度末で廃止」するという案が浮上していて、利用者たちは“あまりに急で一方的だ”と困惑しています。
地域に愛される児童館に“危機”
照りつける太陽の下、シャボン玉に大はしゃぎする子どもたち。滋賀県彦根市にある市立の児童館「ふれあいの館」は体育館や図書館などがあり、主に乳幼児から小学生の子どもたちが無料で遊べる施設です。
(利用者)「おもちゃも多いし、すごくほっこりした場所というか、落ち着ける場所かなと思います」
(利用者)「子どもの成長をすごく見られる場所。大きくなったら新しい遊具で遊べたりとか、いろんな成長を実感できる場所ではあるかなと思います」
開館から約30年、近隣の住民を中心に親しまれていて、昨年度はのべ8700人以上がこの児童館を利用しました。児童館ではボランティアが毎週さまざまなイベントを開いていて、利用者同士の交流の場にもなっています。
(イベントを主催するボランティア)「ちょうどいい規模で、お母さん同士仲良くもなれるし、おしゃべりもできる。子どもさんの成長を一緒に見守りながら利用できる施設で、楽しく遊べるところです」
ところが今、この児童館に危機が訪れているのです。
突然の方針に利用者は困惑「すごく助かっていたのでショック」
9月2日に始まった彦根市議会。そこで浮上しているのが…
(彦根市 和田裕行市長)「彦根市『ふれあいの館』の老朽化に伴う維持管理費の増加、および少子化に伴う利用者の減少が今後も継続して見込まれることから、令和6年度末をもって当該施設を廃止する」
児童館を今年度末で廃止、つまり閉館するという議案です。
市によりますと、児童館は年間の管理費として約1500万円がかかるほか、老朽化にともなう修繕費が今後20年間で約2500万円必要だといいます。市は財政状況を改善するため児童館を閉館する方向性を決めたということですが、それが地域住民らに知らされたのは今年7月下旬のこと。突然の方針に、利用者たちは驚きを隠せません。
(利用者)「こないだ知ったところで、青天の霹靂というか、急すぎてびっくりしてます」
(利用者)「よく遊んでいたので、さみしいなという感じです」
(利用者)「便利というか、すごく助かっていたのでショックです」
“代わりの施設”は住宅街から遠く人通りも少ない…
一方で、市は閉館にあたり、別の施設の利用を促しています。児童館「ふれあいの館」は住宅街のすぐそばにありますが、今後はそこから2km以上離れた場所にある、周りを山や田んぼで囲まれた「子どもセンター」を利用してほしいというのです。
子どもセンターは児童館よりも大きな子育て支援施設ですが、児童館周辺の住宅街からは徒歩約40分かかり、最寄りのバス停からも歩いて20分ほどかかります。センター周辺を実際に歩いてみると、周りは民家も街灯もなく、日が暮れると、ひとけもなくなります。
共働き家庭など子どもだけで児童館を利用していた保護者らは、放課後の子どもの居場所がなくなってしまうと嘆きます。
(保護者)「1回、私も自転車で子どもセンターに行ったことがあるんですけど、なかなか遠かったですね。子どもだけってなると心配もありますし、利用はちょっと難しいかなと」
(保護者)「いきなり閉館じゃなくて、何か考える点はあったんじゃないかなという思いはすごくあります」
市側「利用人数の費用対効果とかを考えると…」 住民「廃止を前提とされてますよね?」
市は閉館の方向性を決めたとして、7月末に地元の公民館で地域住民向けに説明会を開きましたが、住民らからは「あまりに急で一方的だ」と批判する声が相次ぎました。
【説明会の音声より】
(参加者)「子育て支援といろいろと言われている中で、わざわざふれあいの館をなくそうという方向に向いていくのか」
(市の担当者)「少子高齢化ということもございまして、利用人数の費用対効果とかを考えますと、機能集約ということとなった」
(参加者)「廃止を前提とされてますよね?」
(参加者)「つぶすことありきの話をしてますよね?おかしくない?おかしいと思いません?」
(子ども)「ふれあいの館をなくしたら、ぼくたちの遊ぶところがなくなって…。なくしてほしくないです」
地域住民や利用者からの不満の声を市はどう捉えているのでしょうか。インタビューを申し込みましたが、市はメールで回答を寄せました。
【彦根市の回答】
「地域のみなさまのご不安やご懸念を理解しておりますが、限られた財源の中で市民サービスを維持するためには、ふれあいの館を含めた施設の統廃合は避けられないと判断しました」
「子育てに必要不可欠な場所。何としてでも存続してほしい」
突然、閉館の方向性が示された児童館「ふれあいの館」。利用者やボランティアらは施設の存続のため署名活動を行っていて、9月19日時点でのべ3900人分以上集まっているといいます。
(利用者)「子育てをこれからも続けていくうえで必要不可欠な場所です。何としてでも存続してほしいと思っています」
(利用者)「小さい子どもさんとか、大きい施設ばかりがいいわけではないので、小さい規模のところも安心して遊べるというメリットがあるので、続いていってほしい」
地域住民や利用者たちの声は届くのか。児童館の閉館をめぐる議案については彦根市議会で9月25日に採決が行われる予定です。
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