1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

【マイコプラズマ肺炎って?】8年ぶり感染拡大で『過去最多』...症状消えても感染力あり「歩く肺炎」とも 実は「うがい」はあまり予防効果なし!?

MBSニュース / 2024年10月10日 13時18分

 マイコプラズマ肺炎の患者数が急激に増えています。国立感染症研究所の発表によると、患者は去年の同じ時期に比べて41倍、今の集計方法になったここ25年で最多となりました。 風邪やインフルエンザとの違いは?中には重症化する人も…治療や予防は?川崎医療福祉大学の尾内一信特任教授への取材などをもとにまとめました。

“コロナ禍の感染対策”で流行しなかった反動が今!?

 今回、マイコプラズマ肺炎が流行するのは8年ぶりだそうです。マイコプラズマ肺炎の「1医療機関あたりの患者報告数」(国立感染症研究所より)を2010年代から遡って見ると、前回は2016年頃に大きく増加しました。そこから8年経った今、2016年を超えて過去最多に。

 9月29日までの1週間の報告数は1医療機関あたり1.64人(全国平均)です。ちなみに大阪では2.17人、兵庫は2.57人、京都は2.71人で、関西でも感染拡大していることがわかります。

 マイコプラズマ肺炎は、3~7年ぐらいの周期で流行すると言われています。最近は4年の周期で、2012年ロンドン五輪、2016年リオ五輪のタイミングで流行しているため、通称「オリンピック肺炎」とも言われているそうです。

 2020年ごろにも波が来るはずでしたが、コロナ禍でマスク生活となったことで流行しませんでした。ただ、そのときにできるはずだった集団免疫ができなかったことで、その反動が今年に来たのではないかと推察されています。

症状はどんな特徴が?「歩く肺炎」と言われるワケは?

 症状は発熱・けん怠感・頭痛・せきです。飛まつ・接触で、肺炎マイコプラズマ(細菌)に感染することで発症します。ただ、感染しても肺炎になるのは2~3割ほど。風邪に近い症状で自分の免疫によって治る人もいます。また、肺炎になった場合の症状の程度も個人差があるということです。

 マイコプラズマ肺炎は、その特徴から「歩く肺炎」とも言われています。川崎医療福祉大学の尾内一信特任教授によりますと、より正確には「歩ける肺炎」だということです。

 どういうことかと言うと、まず「出歩くことができる」ほど軽症の場合も多いです。感染から発症までの潜伏期間も2~3週間と長い。さらに、症状が消えた後も感染力があります。つまり、知らない間に感染を広げてしまいやすいのです。

予防は「マスク」「手洗い」「咳エチケット」

 感染時は基本的に薬で治療することができますが、予防するにはどうすればいいのでしょうか。

 そもそも感染症の主な感染経路はさまざまで、主に飛まつ・エアロゾル・空気・接触・経口などがあります。マイコプラズマ肺炎については飛沫か接触で感染します。対策は主に以下の3点です。

▼マスク(飛まつを防ぐ)
▼手洗い
▼咳エチケット

 特に子どもがいる家庭では、幼稚園・学校・家庭などで注意しましょう。子どものクラスで今感染者が多いのかなど気にかけてください。また、日常的にしっかり手洗いを行いましょう。学校で流行っている、もしくは子どもが学校で感染したかもしれない場合は、家族の人もマスク着用を考えてみてください。

 よく感染対策で「うがい」が言われますが、尾内特任教授によりますと、うがいをしてものどから細菌がいなくなるわけではないので安心しないでほしいということです。

 厚労省HPの「感染対策のポイント」にも、手洗い咳エチケット・マスク着用・手洗い・換気は記載されていますが、うがいは書かれていません。首相官邸HPにも「うがいは、一般的な風邪などを予防する効果があると言われていますが、インフルエンザを予防する効果については科学的に証明されていません」と書かれています。

 もちろん、うがいをしないほうがいいというわけではありません。

 そして、せきをする人とすれ違った、など短時間の暴露ならリスクは低いので、あまり怖がりすぎないでほしいということです。

どんな人が感染、重症化しやすい?

 約80%が14歳以下という特徴もあります。尾内特任教授によりますと、これは環境の要因で、学校など密度が高い集団生活の中で広がりやすいということです。

 そして、4~5日かけてじわじわと発熱するところがポイントです。また、せきは痰が絡まない乾いたせきだそうです。ちなみに詳しく聞くと、肺胞の中で炎症を起こすと痰が出てくる、肺胞の外だと乾いたせきが出るということです。

 そして年代にも差があります。重症化しやすいのは5~50歳まで。免疫機能が過剰反応すると重症化するということですが、重症化する人としない人の差はまだわかっていないようです。

 幼児と高齢者がなぜ重症化しにくい=免疫の過剰反応を起こしにくいかというと、幼児はまだ免疫機能がしっかり成長していないため、高齢者は免疫機能が衰えているからではないかと言われています。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください