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【闇バイト強盗】実行犯を勧誘『リクルーター役』逮捕で捜査は大きく動く可能性 指示役に近く闇バイト界の"出世ポジション"?【ジャーナリスト石原氏が解説】

MBSニュース / 2024年11月6日 11時28分

 関東で相次いでいる“闇バイト”をきっかけとした強盗事件。闇バイトに応募する人が後を絶たない一方、一連の事件で初めて、実行犯を勧誘した「リクルーター役」の男が逮捕されました。リクルーター役とはどんな役割なのか?実行犯以外のポジションの人物が逮捕されたことで捜査は進展するのか?ジャーナリスト・石原行雄さんの解説です。◎石原行雄:ジャーナリスト 日本や海外で特殊詐欺をはじめ危険地帯・裏社会で多数潜入取材

初めて逮捕された『リクルーター役』

 今回逮捕されたのは、リクルーター役の名倉優也容疑者。犯罪ジャーナリストの石原行雄さんによると、リクルーターとは、闇バイト犯罪において末端の実行犯を集める役割を担うといいます。実行犯をSNSで募るなどして、指示役と実行犯をつなぐ存在です。これまで実行犯の逮捕は相次いでいましたが、一連の事件でのリクルーターの逮捕は今回が初めてです。

犯罪グループの役割分担と組織構造

 一連の強盗事件では、役割が細かく細分化されているのが特徴です。実行役、下見役、運転役など、それぞれに専門の担当者がいます。また、奪った現金を回収する回収役や、犯行に使う道具を調達する道具調達役なども存在します。

 このように役割を分担することで、指示役は捜査の手から逃れやすくなるだけでなく、作業を単純化することで、SNSで集めた“素人”に犯行を成功させることができるといいます。

闇バイト界の出世ポジション!?

 リクルーターは、闇バイト業界の中ではある意味“出世ポジション”とされ、指示役に近い存在だといわれています。多くの場合、特殊詐欺などの末端の仕事から始まり、信頼や評価を得ることでリクルーターへと昇格していきます。しかし最近では犯罪の案件が増えていて、人材不足からいきなりSNSで集められた人がリクルーターを任されるケースも増えているようです。

 石原さんによると、今回の一連の事件のポイントは、強盗の現場にいなかった人間が続々と捕まっているということで、上の役割を担う犯人に対しての捜査の手がどんどん及んでいるという一つの表れではあるといいます。

リクルーター・名倉容疑者と指示役の関係性は?

 今回逮捕された名倉容疑者は、指示役と直接やり取りしていた形跡があるものの、指示役のアシスタントのような役割も担っていたといいます。石原さんによると「リクルーターは基本的には人集めだけを担うというポジション」で、アシスタントのような役割を担うことは「まずありえないこと」だといいます。

 このことは、組織として未分化であることを示唆していて、あまりポジションが高いリクルーターではないと考えられるそうです。

 一方で、リクルーターの逮捕は、捜査に大きな進展が期待できるといいます。実行犯にも指示役から直接指示が来きますが、それとはまた別に名倉容疑者のスマートフォン解析で指示役とのやり取りの形跡が出てくるため、もう一つのルートで指示役に迫れるという可能性があるということです。

“常軌を逸した”犯行…犯人の心理とは

 一連の強盗事件では、15の事件、そして36人の逮捕者が出ています。犯人はどのような心理状況なのでしょうか?

 石原さんによると、あらゆる犯罪の中でも特に「常軌を逸している」と言えるといいます。警戒が高まり、関東では警察の合同捜査本部まで立ち上がっているにもかかわらず、連日のように犯行が相次いでいます。さらに、被害額が数万円という少額のケースもあり、指示役の常軌を逸した心理がうかがえます。

 そして、犯行の稚拙さや荒さをみると、“何が何でもお金が欲しい”という焦りがあるのではないかといいます。

関西で起こる可能性は?

 今回の事件は、高齢者宅や資産家を狙った『闇名簿』を基に行われている可能性が極めて高いといいます。そうだとすれば、今回はたまたま関東の名簿だっただけで、関西でも同様の事件が起こる可能性は十分にあるそうです。

警察への相談窓口:#9110
少しでもおかしいと感じた、強盗グループに脅されているという場合は、すぐに警察に相談を。

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