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築110年の古民家 レトロなタイルにひとめぼれ!移住してビジュアル重視と節約両立のリノベーション"カフェ板"も駆使【住人十色】

MBSニュース / 2024年11月7日 13時5分

 「秋の移住スペシャル」と題して、兵庫県丹波市に移住した夫妻の家を紹介。仕事を辞めて、無職で始めた移住生活だったが、“ビジュアル重視“で古民家をDIYしたおかげで人生が180度変わるほどのミラクルが起きたという。

住人(アルジ)は、夫妻と1匹の柴犬。2年前、奈良市から自然豊かな丹波市に移り住んだ。一家が暮らすのは、大正時代に建てられた築110年の古民家。空き家バンクで出会い、290万円で購入したが、そのままでは住めない状態だったため、自らの手でリノベーションしたという。

昔ながらの玄関土間は、床一面のレトロなタイルが印象的。タイルは元から敷かれていたそうで、妻は内覧に来たときに玄関タイルのかわいさにひとめぼれしたという。

土間を進むと、明るく開放的な9帖のキッチンがある。かつては暗くて閉鎖的な造りだったため、天井板や壁を取り払った。タイルが貼られたシンクは当時のままで、これも妻がひとめぼれしたものの一つ。実は古民家の内装が気に入り、“ビジュアル重視”で購入を決めたと明かす。

以前は介護福祉の仕事をしていた住人(アルジ)夫妻。結婚後、奈良市内の賃貸マンションで暮らしていたが、コロナ禍で介護士の人手が足りなくなったことから、夫は激務の毎日に。そんな中、妻も倒れてしまったことから生活を変えようと退職を決意。心機一転、穏やかな田舎に移住したのだった。

丹波市で出合った古民家は安く購入できたが、改修を業者に依頼すると1000万円もかかることが判明する。そこで節約のため、昔からものづくりが好きだった夫が転職活動の傍ら、DIYすることに。一方、ビジュアル重視の妻が内装のイメージやデザインを担当。それぞれの強みを活かして、古民家を素敵かつ格安でリノベーションしたのだった。

空間を埋め尽くすように食器や調理器具が並ぶキッチン。古民家は湿度が高いため、カビ対策としてしまい込まず、見せる収納にしている。キッチンツールは出しっぱなしでも様になるよう、妻がビジュアル重視で厳選したもの。中でもお気に入りなのが、持ち手の付いたまな板。同じようなデザインのものは高価なため、妻の要望で夫が作ってみたところ、思いのほか素敵な仕上がりになったそう。そのため今では、さまざまな雑貨を妻が夫にオーダーしている。

また、セルフリノベでフル活用しているのが、「カフェ板」というホームセンターなどで販売されている杉の無垢材。板の側面に凹凸があり、噛み合わせるだけで簡単に並べられるうえカフェのような雰囲気に仕上がることから、最近DIY界隈で人気なのだとか。夫はこれをキッチンの作業台や棚などに利用している。

天井高3メートルの広々としたダイニングスペースは、床下を基礎から解体し、一面フローリングに張り替えた。ノウハウや経験はなかったが、本やYouTubeなどを活用し、独学で方法を習得したという。

ダイニングがあるのは北側。そこで古い壁を抜き、ガラスの建具を入れて南側からの光を採り込み古民家特有の暗さを克服した。建具は古道具店ではなく、リサイクルショップで購入。丹波市周辺は古民家が多いため、リサイクルショップでも素敵なものに出合いやすいのだそう。そんなスペースにマッチしたおしゃれな照明やカフェ板を使ったダイニングテーブルも、夫がDIYしたものだ。

水回りスペースの洗面所にもレトロなタイルが装飾されたシンクがあるが、これは近所の人が捨てようとしていたのをもらってきたものだそう。
一方、リノベで新設したという風呂場は外にあるという。浴槽がむき出しで置かれており、ほぼ屋外にある極小の風呂はおしゃれなビジュアルとは程遠い。ビジュアルが理想が高すぎるあまりイメージが固まらないという。

仕事を辞め、ゼロから始まった移住生活。その不安を解消し、2人の人生を大きく変えたものが、家の一角に並ぶキッチンペーパーホルダーだという。ろうそくのようにも見えるデザインで、使わないときでもおしゃれにたたずんでくれる。

妻が考え、夫が作ったそんなペーパーホルダーを何気なくSNSにアップしたところ、問い合わせが殺到。あまりにも反響があったので試しにネットで販売してみたところ、用意した70個が即完売したという。これに手ごたえを感じ、夫は木工作家を本業にすることを決意したのだった。今では夫が製造、妻が運営を行うネットショップは、百貨店やセレクトショップに出店するなど大人気に。そしてこの秋には、自宅にギャラリーをオープンする予定だ

夫は、「家族との時間や自分で考えてやる時間っていうのが増えた。会話の時間も増えたし、すごく今充実して幸せですね」。妻も「こっちに来てから夫のポジティブな部分がよりわかったというか、何でも楽しもうとしてくれる人なんだなっていうのがすごくわかりました」とその恩恵を語る。

“好き”を武器に、自分たちで切り拓いた新生活。古民家のぬくもりに見守られながら、今日もここから新しい作品が生まれていくのだろう。(MBS『住人十色』2024年11月9日放送より TVerでも放送後1週間配信中)

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