【センバツ高校野球】『21世紀枠』各地区の候補校9校の推薦理由は?「文武両道」「困難克服」「地域貢献」「甲子園での活躍が期待できるか」などが選考の要素に
MBSニュース / 2024年12月16日 18時38分
日本高等学校野球連盟は、来年の第97回選抜高校野球大会における「21世紀枠」での出場校選考をめぐり、各地区連盟が推薦する候補校9校を発表しました。 北海道を除く各地区の推薦校は、11月に各都府県連盟が推薦した46の候補校の中から、地区(東北、関東・東京、北信越、東海、近畿、中国、四国、九州)ごとに選考が行われ、候補校9校が決定しました。
各地区の『21世紀枠』候補校
北海道 北海道釧路江南
東北 県立久慈(岩手)
関東・東京 県立横浜清陵(神奈川)
東海 名古屋たちばな(愛知)
北信越 県立小松工(石川)
近畿 府立山城(京都)
中国 県立大田(島根)
四国 県立高松東(香川)
九州 県立壱岐 (長崎)
<北海道>北海道釧路江南
地区予選を勝ち抜いて秋の道大会に出場した公立高校の中から、過去に21世紀枠で出場実績のある2校を除いて選考。冬はマイナス10℃程度となる環境の中、創意工夫を凝らして雪上での練習に励み、進学校として学業と部活動を両立しながら、部員18人という少人数で強豪私学を相手に接戦を勝ち抜き、道大会で2勝をあげた北海道釧路江南高校が満場一致で選出されました。地元の「釧路まつり」では、20年以上にわたりボランティアで参加している釧路江南。地域での活動も評価され、2006年・2007年に続く3度目の推薦校選出です。
<東北>県立久慈(岩手)
各県が推薦した各校の中から、選抜大会に出場した場合に「力を発揮できる実力をそなえているかどうか」でまず3校を選択。その中で、過疎化が進む久慈地域において、地元出身の球児たちが文武両道を実践しながら県大会や東北大会で活躍することで地域に夢と元気を与え、地域の活力になっている点が高く評価されて、久慈高校が選ばれました。
<関東・東京>県立横浜清陵 (神奈川)
各都県ごとに推薦校の推薦理由の説明を行った後、この地区での推薦基準について協議。協議の結果、「部活動は何か」を考える研修を行ったうえで、部活動は生徒の「自治」のもと行うという意識をもって、常に生徒間の納得・合意を大切にして工夫を凝らした練習を重ね、レベルが高い神奈川県においてここ数年、何度も準々決勝に進出するなど県立高校の中でも安定した成果をおさめている横浜清陵高校が選出されました。
<東海>名古屋たちばな(愛知)
野球部が全校生徒に働きかけて、地元企業が行っている「カンボジア小学校建設プロジェクト」へ文房具等の支援物資を集める協力を17年にわたって継続するなど、国際社会に目を向けた活動を実施。また、出場校が多く強豪ひしめく愛知県において強豪校と互角以上に渡り合ってきた実績が高く評価されたほか、甲子園への出場が叶った場合に勝ち上がっていく期待が大きいとして、9地区の中で唯一、私立高校である名古屋たちばな高校が満場一致で選出されました。
<北信越>県立小松工(石川)
今年1月の能登半島地震や9月の豪雨で被災した輪島高校や野球関係者の自然災害からの復旧活動に継続して協力するなど、地域社会に貢献している点が高く評価。また、秋季北信越大会で強豪私立高校相手に公立高校として唯一2勝をあげてベスト4に進出し、甲子園大会での活躍も大きく期待できるとして、石川県の小松工業高校が満場一致で選出されました。
<近畿>府立山城(京都)
創立118年を迎える府下有数の進学校で、「グローバル社会でリーダーとして活躍する知・徳・体のバランスのとれた人材を育成する」というスクールポリシーの下、「質の高い文武両道」を実践。限られた練習時間と練習環境の中で練習内容を工夫し、勉強と部活動を両立した上で今秋府大会ベスト4の好成績を残しました。また、「高校球児による少年野球教室」に指導協力校として参加するなど野球の普及・野球人口の拡大、ひいては地域にも良い影響を与えている点が高く評価されて、京都府立山城高校が選出されました。
<中国>県立大田 (島根)
各県の推薦校の中から21世紀枠の選考条件の中で「困難克服」「文武両道」に重点をおいて3校を選出。その中で、島根県の大田高校は部員11人という少人数ながら、地元の中学出身の選手たちが限られた練習時間の中で効率的な練習の工夫を重ねて24年ぶりに秋季中国大会に出場を果たし、1勝をあげました。そのうえで、地域の未就学児・小学生を対象とした野球普及活動に継続して参加するなど、「競技力」や「地域への良い影響」も評価されて選出されました。
<四国>県立高松東(香川)
県大会ベスト4の高松東と、ベスト8の3校の中で1校を選出。比較の中で、1908年創立の県内有数の歴史と伝統を誇る公立高校で、選手たちが主体となる工夫を凝らした練習で、この夏の全国高校野球選手権香川大会で45年ぶりに準決勝に進出。続く秋季大会でも勢いそのままにベスト4に進んだ実績や、近隣の小学生との野球交流や川の清掃ボランティアにも積極的に参加するなど、地域とのかかわりを大切にしている点が評価されて高松東高校が選ばれました。
<九州>県立壱岐(長崎)
「壱岐から甲子園」を合言葉に、部員全員が壱岐出身の選手たちが、4つの部活でグラウンドを共有する限られた練習環境の中、工夫を凝らした練習で見事に九州大会初出場を果たした長崎県の壱岐高校。1回の遠征で30万円以上かかるという経済的負担、離島のハンデを乗り越えて、九州大会では熊本県の1位校に勝利。その実績や、野球部の活躍が島民に「100年に1度の奇跡」といわれる感動を生んでいる点、さらには部員全員が地元愛にあふれ、2022年に行われた高校野球200年構想イベント「キッズベースボールフェスタin壱岐」やボランティア活動を通して地域に良い影響を与えている点が評価されて選出されました。
21世紀枠は、来年の1月24日、21世紀枠特別選考委員会で各地区から推薦された9つの候補校を対象に選考が行われて、出場する2校が決定します。
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