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【フジテレビ】港社長会見は「車の衝突事故と言うべきもの」と"物言う株主"が猛批判 今後の命運握る!?『第三者委員会の結論』...経営コンサルタント・小宮一慶氏が解説【中居正広さん女性トラブル】

MBSニュース / 2025年1月25日 17時1分

 中居正広さんの“女性トラブル”をめぐる一連の問題で、『第三者委員会』の設置を決めたフジテレビ。今回の対応には、“物言う株主”である米投資ファンドが影響を与えたとみられています。 そもそも、物言う株主とは何なのか?株主にはどのような権利がある?そして、フジテレビの今後は…。経営コンサルタント・小宮一慶氏の見解などをまとめました。 ◎小宮一慶:経営コンサルタント 京都大学法学部卒業 数々の企業の社外役員や顧問を務める

「憤りを禁じ得ない」米投資ファンドがフジを厳しく非難

 中居さんをめぐる一連の問題で、フジテレビを批判した米投資ファンドのダルトン・インベストメンツ。“物言う株主”と言われています。物言う株主とは、“積極的に提案を行い、企業に影響を与えようとする株主”を指す言葉で、「投資ファンドは基本的に物を言います」と経営コンサルタント・小宮一慶氏は指摘します。

 投資ファンドとは「投資家から預かったお金を投資・運用する」仕組みで、投資先の企業が問題を抱えている場合、物を言うのは自然なことです。というのも、ファンドは投資家たちに対し『説明責任』を負っていて、この責任を果たさないと、投資家がファンドからお金を引き上げたり、ファンドを訴えたりする可能性があるためです。

 フジ・メディアHDの株式を7%以上保有するダルトン・インベストメンツ。今回、フジテレビ側に『2通の書簡』を送り、フジテレビ・港浩一社長の会見を受けて出された2通目は、特に厳しい言い回しで非難しています。

 【ダルトン側からフジテレビ側への書簡の内容(※ダルトンのHPより抜粋)】
 『港浩一社長の記者会見は、バーチャルな車の衝突事故と言うべきものでした。今回のような危機をどのように処理すべきでないかを教えてくれました』
 『これは港社長の(コーポレート・ガバナンスに問題はないとの)意見に反して、貴社自身が作り出したコーポレート・ガバナンスの問題です。注視しているのは私たちだけではありません』

 小宮氏は「フジテレビ側としては、“小さな問題”として処理したかったのではないか」との可能性を指摘。ダルトン側の発信が、1月27日の会見や第三者委員会の立ち上げにつながったのかもしれません。

 そして1通目の手紙には、「We are outraged!」(憤りを禁じ得ない事態です)という表現がありました。この「outraged」という言葉は日常会話ではあまり使われず、「道徳的に許容できない」「社会的に見過ごせない」など、社会に一石を投じたいときに使われるような言葉で、オバマ元米大統領が人種差別に対する意見を述べたときに使っていました。「angry」「disappoint」などとはレベルの違う言葉です。小宮氏は「それくらい言わないとフジは動かないと思ったのか?」と話します。

保有株式7.19%は「大多数でもないが、それなりの影響力」

 ダルトン・インベストメンツ(など)は、フジ・メディアHDの株式を7.19%保有しています(2024年9月30日 有価証券報告書より)。この7.19%という数字について小宮氏は「過半数でもないし、大多数でもないが、物を言えばそれなりの影響を与えられるパーセンテージ」だと言います。

 会社法では次のような権利を株主に認めていて(※定款で定めがない限り6か月以上の保有が必要)、ダルトン・インベストメンツはこれらの権利を行使できる立場にあります。

 ▼株主総会の議案を提案する権利
  →持ち株比率が「1%以上」必要
 ▼株主総会の招集を請求する権利
  →持ち株比率が「3%以上」必要

 ただ、小宮氏は「一番大きいのは議決権(1単元株あたり1票)」だと指摘。仮に、経営陣の刷新を行うかどうか諮られた場合、株式を多く保有しているほど影響力が大きくなります。

 ちなみに、電波法では「放送分野の外資規制」があり、テレビ局の場合、外国人などの議決権割合は20%未満と決められています。

 【規制の理由】
 ▼電波は有限で希少。利用は原則として自国民を優先させるべき
 ▼放送は言論報道機関としての社会的影響力を有する

 例えば、外国の株主が、ある放送局の株を大量に買って経営方針に大きな影響力を持った場合、放送局はその株主の国に忖度しない報道ができなくなる危険性があるためです。

フジの今後はどうなる?「第三者委の調査結果」次第で株主の対応に変化か

 今後、フジテレビはどうなるのでしょうか。小宮氏は「3月末をめどに出される第三者委員会の調査結果でフジの今後が決まる」と言います。その結果次第で、6月の株主総会での株主たちの対応が変わるということです。

 第三者委員会が、以下のような結論を出した場合、どんな可能性が考えられるのか。

 小宮氏によると…
 ▼「中居氏と女性の間だけの個別問題。フジの関与なし」と判断した場合
  →フジと株主、フジとスポンサーの問題は“一旦決着”を迎えるのでは
 
 ▼「フジが組織的に関与」と判断した場合
  →株主総会で経営陣の責任追及
  →株主総会を待たず社長退任もありえる

 この第三者委員会は、日弁連のガイドラインに則ったもので、「非常にクリーン」だと小宮氏は指摘します。3月末に出るとみられる調査結果を、フジテレビ側はどのように受け止めるのでしょうか。

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