【センバツ】報徳学園4-1大阪桐蔭 好投手が激突した準々決勝 報徳・今朝丸投手「バックが好守備で助けてくれた」 大阪桐蔭・平嶋投手「成長して、必ずこの甲子園に帰ってくる」
MBSニュース / 2024年3月29日 16時42分
3月18日に開幕した第96回センバツ高校野球大会も終盤戦。28日は準々決勝が行われました。第4試合は、強力打線に加えて、好投手を複数擁する優勝候補の筆頭・大阪桐蔭が昨年この大会で連覇の夢を絶たれた報徳学園と対戦しました。
先発した大阪桐蔭のエース、平嶋桂知投手は、立ち上がり制球に苦しみます。「自信をもって投げ込んだボールが、わずかに外れて、冷静さを失ってしまった」と振り返ったように、先頭打者に四球を許すと、バントの構えから揺さぶりをかけてくる報徳学園にコントロールが乱れて連続四球。
守備の乱れもあって、無死満塁のピンチ。ここで報徳学園は、4番の斎藤佑征選手が追い込まれながらレフト前へタイムリーヒット、5番の安井康起選手の内野ゴロ間に1点を加えて、2点のリードを奪います。
「ただ良いボールを投げる投手から、勝てる投手に成長」
対する報徳学園の先発は、大角健二監督が「この1年で、ただ良いボールを投げる投手から、勝てる投手に成長してくれた」と信頼を寄せる今朝丸裕喜投手。緊張感からか立ち上がりこそ、ピンチを招きますが、緩い球を上手く使ってピンチを脱すると、その後は、140キロを超える速球を武器に、大阪桐蔭の強力打線を抑えます。
それでも、投打ともに分厚い戦力を誇る大阪桐蔭。立ち直りを見せていた平嶋投手に、5回表2死1塁の場面で早くも代打を投入、その後も、次々と選手を投入して必死の反撃を試みます。しかし、報徳学園の野手陣が、好守備を連発。鍛え上げられた守備力で、強力打線に得点を許しません。
2対0のまま試合が進んだ終盤の8回、大阪桐蔭がようやくチャンスをものにします。ツーアウトから、1番境亮陽選手がスリーベースヒット。2番吉田翔輝選手が、しぶとくレフト前に運んで、ついに今朝丸投手から1点をもぎ取ります。
1点差に迫り、迎えるバッターは大阪桐蔭打線の中でも、西谷浩一監督が最も信頼を寄せる3番徳丸快晴選手。ここで、大阪桐蔭が勝負に出ます。牽制の帰塁の際に肩を負傷した吉田選手に代わって、臨時代走で1塁に入った俊足の境選手が、2塁への盗塁を試みました。微妙なタイミングでしたが、報徳学園のキャッチャー徳田拓朗選手の好走球の前に判定はアウト。この場面でも好守にはばまれて、同点のチャンスを逃します。
今朝丸投手が躍動 113球完投
逆に報徳学園はその裏、またしても、大阪桐蔭の守備の乱れを得点に結びつけます。大阪桐蔭の4人目、中野大虎投手から、1番の橋本友樹選手がヒットで出塁すると、2番福留希空選手の送りバントを処理した中野投手が1塁へ悪送球、ピンチを拡げてしまいます。
その後2アウト満塁から、5番安井選手が、初球を積極的に狙ってタイムリーヒット。さらに1点を加えて4対1とし、勝負の流れを決定づけました。
9回、徳丸選手から始まる大阪桐蔭の中軸を3者凡退に仕留めた今朝丸裕喜投手は113球の完投。強力打線を5安打に抑える力投で、チームを勝利に導きました。「近畿大会のリベンジを果たせてよかった。バックが攻守で盛り上げてくれた」と振り返った、今朝丸裕喜投手。
大阪桐蔭の平嶋投手 森投手は「成長誓う」
いっぽう、「2回以降は、逆転を信じてリズムを意識して立ち直ることができたが、立ち上がりは、チームに勢いをつけようとして空回りしてしまった。もう一度精神面を立て直して、成長してチームを勝たせられる投手になって必ず甲子園に帰ってきたい」と話した、大阪桐蔭の平嶋桂知投手。
注目の大器と騒がれながら、この試合は登板機会がなく、甲子園を後にすることとなった2年生の森陽樹投手は、「大事な試合。正直、今日は投げたかった。この後の夏の大会、自分たちの世代が中心となる来年の春と夏の大会では、必ず日本一のチームの中心になれるように、もっと成長して帰ってきたい」と語りました。
ハイレベルな攻防は報徳学園が、昨秋、近畿大会の準々決勝で大阪桐蔭に敗れた雪辱を果たしてベスト4進出。大阪桐蔭は、またしても報徳学園の前に、日本一への夢を絶たれました。(MBSスポーツ解説 宮前徳弘)
準々決勝の結果。準決勝は、3月30日(土)に行われます。
星稜(石川) 5-0 阿南光(徳島)
健大高崎(群馬)6-1 山梨学院(山梨)
中央学院(千葉)5-2 青森山田(青森)
報徳学園(兵庫)4-1 大阪桐蔭(大阪)
準決勝(3月30日)
星稜 対 健大高崎
中央学院 対 報徳学園
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