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【高校ラグビー】『南北海道大会』札幌山の手が函館ラ・サールを撃破 『北北海道大会』両校優勝で抽選...遠軽が花園へ「旭川・空知合同チームと一緒に戦うつもりで臨みたい」

MBSニュース / 2024年10月6日 12時34分

 毎年、年末年始に東大阪市花園ラグビー場で開催される全国高校ラグビー大会。南・北北海道大会の決勝戦が9月28日、札幌市の月寒屋外競技場で行われ、聖地に立つ代表校が決まりました。

「南北海道大会」札幌山の手 vs 函館ラ・サール

 午前11時に始まった南北海道大会の決勝は、2年連続22回目の出場を目指す札幌山の手高校と、道下有数の進学校でありながら過去3度の花園出場を誇る函館ラ・サール高校の対戦。

 前半は、去年に花園を経験したメンバーが4人残る札幌山の手が、風上を利用して優位に試合を進めます。函館ラ・サールが繰り出すライン攻撃を、規律の取れたディフェンスで跳ね返すと、高校日本代表候補にも選出された吉川昌宗選手、ニュージーランドからの留学生タレマイトガ・ウルイラケバ選手といった屈強なフィジカル持つプレイヤーが密集サイドでプレッシャーをかけて、函館ラ・サールのペナルティーを誘発。キックを有効に使って敵陣深くまで攻め込みます。

 そして開始7分、ゴール前5mのラインアウトからモールをつくって押し込むと、最後はプロップの白幡塁斗選手が力強い突破を見せてトライ。ゴールも決めて7点をリードします。さらに16分、今度は敵陣22mラインの外側からモールを巧みにコントロールして一気に前進すると、キャプテンの古谷飛翔選手が、2人のタックルをはねのけて左隅にトライ。12対0とリードをひろげます。

 縦に強い札幌山の手の攻撃を、低く鋭いタックルで食い止めていた函館ラ・サールですが、平均体重で10kg以上上回るFW陣が一塊となって攻めてくるモールの圧力を止めることができませんでした。それでも、点差は12点で2チャンスで挽回可能。過去の大会では、同じような状況から逆転した実績もあるだけに、函館ラ・サールもここから反撃を試みます。持ち味のスピードを生かした攻撃で、札幌山の手陣内に入り込むと、23分からは2分以上にわたり相手をゴールラインにくぎ付けにして攻め込みます。しかし、札幌山の手の粘り強いディフェンスの前に、あと一歩のところでトライに結びつけることができません。最後は、インゴールに持ち込もうとしたボールがノックオンとなって得点ならず。12対0のまま札幌山の手リードで前半を折り返します。

札幌山の手・古谷主将「花園ではベスト8以上を目指したい」

 サイドの変わった後半、前半終盤の勢いのまま反撃に転じたい函館ラ・サール。しかし、開始早々に札幌山の手にビッグプレーが出ます。ハーフタイムに「上がれるところは上がって、しっかりと(ラ・サールの攻撃に)プレッシャーかけていこう」とチームメイトに声をかけた古谷キャプテン。その掛け声に全員が反応しました。後半1分、函館ラ・サールのキーマン、スタンドオフの荒木鷲摩選手に対して、FW陣も含めて複数でプレッシャーをかけると、ウイングの秋山拓哉選手が荒木選手のキックをチャージ。そのまま拾い上げて中央にトライ。ゴールも決め、19対0としてさらにリードをひろげました。

 風上に立って攻め込みたかった函館ラ・サールにとっては、手痛い失点。このトライで、試合の流れは再び札幌山の手に傾きます。この後、短い時間で得点を狙ってくる函館ラ・サールの攻撃をしっかりとしのぐと、確実にボールを保持しながら時間を使っていきます。そして後半17分、FW陣が縦をついた後、素早く展開して、最後は後半から出場したウイングの真田亘太朗選手がトライ。この試合、4本目のトライを奪って勝負を決定づけました。

 20分に函館ラ・サールも意地の1トライを返しますが、反撃もここまで。札幌山の手が33対7でライバルを下し、2年連続22回目の全国高校ラグビー大会出場を決めました。激戦を終えた後、「花園ではベスト8以上を目指したい」と語った古谷キャプテン。持ち味であるフィジカルの強さに加えて、粘り強いディフェンス力も加わった札幌山の手。花園での活躍に注目です。

「北北海道大会」遠軽 vs 旭川・空知合同

 南北海道大会につづいて行われた北北海道大会の決勝は、2年連続の出場を目指す遠軽高校と、3校の距離が100km以上離れているというハンデを乗り越えて合同チームとして今大会初の決勝進出を果たした旭川・空知合同チーム(芦別・富良野・羽幌)が対戦しました。

 立ち上がりは、合同チームが気迫を前面に出して試合を進めます。鋭い縦突破を中心に、開始から10分近く遠軽陣内に攻め込みます。しかし、大事なところでミスが出て、なかなか得点につなげることができません。

 ピンチをしのいだ遠軽、10分を過ぎたあたりからようやく反撃に転じます。12分、相手ボールのスクラムにプレッシャーをかけて、敵陣深い位置での攻撃につなげると、ペナルティーからの早い仕掛けでフッカーの清水泰雅選手が先制のトライ。5点のリードを奪います。

 ワンチャンスで遠軽に先制を許した合同チームですが、この後慌てず立て直します。18分、ウイングの山口太雅選手がディフェンスのギャップをついて一気に前進。遠軽陣内22mライン付近まで攻め込みます。そして23分、FW陣がラックサイドを執拗について遠軽のディフェンスを引き寄せると、最後はスタンドオフの位置に入ったフルバックの苫米地愁選手からのパスを受けた山口選手がトライ。ゴールも決めて、7対5と逆転に成功します。

 勢いに乗る合同チームは、前半のロスタイムに突入した31分、自陣から一人一人が的確な判断を下しながら粘り強くボールをつないで攻め続けると、最後はフランカーの吉田釉選手が右隅にトライ。12対5とリードをひろげて、前半を折り返しました。

遠軽・石崎主将「花園には旭川・空知合同チームと一緒に戦うつもりで臨みたい」

 風下の前半、強い風の中で、なかなかラインアウトが安定せず合同チームにリードを許した遠軽。風上の後半に入ると見事に修正します。後半開始1分、キックで敵陣深くまで攻め込むと、正確なラインアウトからしっかりとしたモールをつくり、一気に押し込みます。遠軽から詰めかけた大勢の応援団を背に、20m以上を押し切ってそのままトライ。鍛え上げられたFW陣が伝統校の底力を発揮して、12対10と2点差まで追い上げます。

 モール攻撃に絶対的な自信を持つ遠軽はさらに7分、再び的確なキックで合同チーム陣内22mライン付近まで攻め込むと、ラインアウトからモールをつくって合同チームのゴールラインに迫ります。ゴールライン直前でモールは崩れますが、タイミングよく突っ込んできたロックの市川晴選手が、鋭い突破をみせて中央にトライ。ゴールも決めて、17対12とついに逆転しました。

 残り時間は20分以上、ここからは、お互いが相手の強みを消しあう一進一退の攻防が続きます。ボールをつなぎながらスピードのあるアタックを仕掛けてくる合同チームに対して、FW陣が上手く絡んで連続攻撃を許さない遠軽。逆に合同チームは、相手チームの武器であるモールを回避するために、自陣でのラインアウトになる局面を避けながら試合を進めていきます。

 息詰まる攻防が続く中、試合を動かしたのは合同チーム。16分、途中出場の2年生・橋詰遙斗選手が、自陣からスピード抜群のランニングで一気に遠軽ゴールラインに迫ると、フォローしたフランカーの吉田選手がタックルを引きずりながらトライ。17対17の同点に追いつきました。しかし、ゴールを狙ったコンバージョンキックは惜しくも外れ、勝ち越しとはなりません。

 同点で迎えたラストの約15分、この後は花園を目指す両チームの気迫と執念がぶつかり合います。ボールを継続して攻める合同チーム、的確なタックルとフィジカルで跳ね返す遠軽。手に汗握る攻防が続きます。しかし、両チームとも大事なところでボールが手につかず、大きなチャンスをつくることができません。そのままロスタイムに突入して、ついにノーサイド。北北海道大会は、17対17の引き分け。両校優勝で幕を閉じました。

 健闘を称えあった両チーム。花園への出場権は、トライ数とトライ後のコンバージョン数も同じため、抽選にゆだねられました。そして抽選の結果、遠軽が2年連続12回目の全国高校ラグビー大会への出場権を獲得しました。遠軽高校の石崎比呂キャプテンが「花園には、旭川・空知合同チームと一緒に戦うつもりで臨みたい」と語り、両チームともに涙が止まらなかった結末。会場では、最後まで惜しみない拍手が鳴りやみませんでした。

▼第104回全国高校ラグビー大会 北海道地区決勝
<南北海道大会>
札幌山の手 33-7 函館ラ・サール

<北北海道大会>
遠軽 17-17 旭川・空知合同(芦別・富良野・羽幌)
両校優勝。抽選の結果、花園への出場権は遠軽が獲得。

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