【高校ラグビー地区大会・決勝】盛岡工・仙台育英・山形中央が"聖地"へ!名門校対決・ライバル校対決など...若きラガーマンたちの熱き戦いがスタート【岩手・宮城・山形】
MBSニュース / 2024年10月23日 15時45分
年末年始に東大阪市の花園ラグビー場で開催される「全国高等学校ラグビーフットボール大会」。今シーズンで104回目を迎える伝統の大会を前に、若きラガーマンたちの“聖地”を目指す熱い戦いがスタート。先週末、岩手・宮城・山形で決勝戦が行われ、それぞれ代表校が決定しました。
【岩手】盛岡工vs.黒沢尻工 最後まで勝敗が分からない名門校対決
10月20日、岩手県盛岡市のいわぎんスタジアムで行われた岩手県大会の決勝は、昨年度の代表校・黒沢尻工と、4年ぶり36回目の優勝を目指す盛岡工の名門校対決。両チームのOBや多くのラグビーファンがつめかけ、どちらに勝利の女神が微笑むか、最後の最後までわからない白熱の展開となりました。
前半、先にペースをつかんだのは黒沢尻工。風上を上手く利用して敵陣に入り込むと、開始6分、FL・藤村仁胡選手が右中間に飛び込んで先制のトライ。この後、持ち味の攻撃力を発揮して、10分にはペナルティゴール、24分にはSH・遠藤陽紀選手の中央へのトライで15対7とリードし前半を折り返します。
しかし、サイドの変わった後半、風上にまわった盛岡工が反撃します。13分に、「入学してから黒沢尻工には、(花園の予選では)勝てていなかったので何としても勝ちたかった」と振り返ったキャプテンの吉田勇玖選手がタックルを振り切って追撃のトライを奪うと、18分には途中出場の千葉悠真選手が逆転のトライ。ゴールも決めて、21対15と逆に6点のリードを奪います。
残り時間は10分余り。ここから両チームの気迫と執念がぶつかり合います。先に意地を見せたのは黒沢尻工。23分に藤村選手のこの日2つ目のトライで1点差まで詰め寄ります。コンバージョンゴールは外れたものの、その後も迫力満点の攻撃で盛岡工のゴールラインに迫ります。
しかし、ここから盛岡工が踏ん張ります。鋭い出足とタックルで黒沢尻工に得点を許しません。刻々と時間は過ぎて、試合はついにノーサイド。21対20、黒沢尻工の追撃を粘り強いディフェンスでしのぎ切った盛岡工が、4年ぶり36回目の花園への切符を手にしました。
【宮城】仙台育英vs.佐沼 “互角“との下馬評を覆し圧勝したのは?
同じ20日に行われた宮城県大会決勝は、大会28連覇中の仙台育英と公立高校の佐沼。3年連続で同じ顔合わせとなりました。
立ち上がり、先に流れをつかんだのは仙台育英。キックオフから素早い出足で敵陣深くまで攻め込むと、開始3分、FW陣の鋭い縦突進から最後はPR・佐藤大翔選手が中央にトライ。ゴールも決めて7点のリードを奪います。
一方、今大会は第1シードとして自信をもって臨んできた佐沼。この後の仙台育英の勢いを粘り強いディフェンスでしのぐと、18分からは、仙台育英陣内22mラインの内側に攻め込みます。ラインアウトからモールをつくって押し込む佐沼。しかし、ここは仙台育英が一枚上手でした。
モールがくずれた後、展開された攻撃に素早く反応すると、FW陣が一塊となってターンオーバー。BK陣一人一人がスキルの高さを見せて、一気に佐沼陣内ゴールライン近くまで攻め返します。そして24分、FW陣が素早くボールを動かした後、右に大きく展開して最後はWTB・植木秀哉選手がトライ。仙台育英が狙いどおりの攻撃で、12対0とリードをひろげ、前半を折り返しました。
迎えた後半。「力負けはしていない。我慢して残り15分でひっくり返そう」と白鳥直人監督が送り出した佐沼。果敢な仕掛けで、先に敵陣深くまで攻め込みます。6分には仙台育英ゴールラインまで5mのマイボールラインアウトと絶好のチャンスをつくります。しっかりボールを確保した後、モールをつくって一気に押し込む佐沼。インゴールまでボールを持ち込みます。しかし、仙台育英が執拗に絡んでグラウディング直前にノックオン。佐沼が絶好のチャンスを逃します。
逆に仙台育英は13分、敵陣22mライン付近のラインアウトから、サインプレーでギャップをついた佐藤大翔選手が、体重100kgと思えないスピードを見せ、そのまま走り切ってトライ。勝負の流れを完全に引き寄せました。
この後も着実にチャンスをものにした仙台育英が、さらに2つのトライを追加。今シーズンは互角の勝負とみられていた佐沼に29対0と完勝して、29年連続の全国大会出場を決めました。
【山形】山形中央vs.山形南 ライバル校対決
山形大会決勝は、近年、花園への出場を分け合ってきた山形中央と山形南のライバル対決となりました。
昨年は1点差の大熱戦を演じた両チーム。今年は、春先から県内の大会を全て制してきた山形中央が、前半から山形南を圧倒します。開始4分、キャプテン菊池駿選手がタックルを引きずりながら左中間に先制のトライを奪うと、1トライを追加した後の23分、FB・柴田凌選手がタックルをかわしながら70m以上を1人で走り切ってトライ。柴田選手のこの試合2本目のトライで19対0となります。この後さらに得点を加えて、24対0とリード。前半を折り返します。
後半に入っても山形中央の勢いは止まりません。後半3分に追加点となるトライを奪うと、その後もFW陣が着実に前に出て得点を重ねていきます。一方、山形南も抜群の突破力を誇るクレブス理央選手を中心に懸命な反撃を試みますが、山形中央の厚い壁の前になかなか有効な攻撃につなげることができません。
結局、最後まで攻撃の手を緩めなかった山形中央が山形南を無得点に抑え、50対0で勝利。2年連続30回目の花園出場を決めました。
【地区大会決勝戦 日程】26日は新潟 27日は青森・秋田で開催
この後も、各地区の決勝戦が予定されている全国高校ラグビー大会。今週末26日には新潟、27日には青森と秋田で決勝戦が開催されます。
▼10月20日
<岩手>盛岡工 21-20 黒沢尻工
<宮城>仙台育英 29-0 佐沼
<山形>山形中央 50-0 山形南
▼10月26日
<新潟>開志国際 対 北越
▼10月27日
<青森>青森山田 対 三本木農業恵拓
<秋田>秋田工 対 金足農
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