【高校野球】近畿大会は東洋大姫路が17年ぶり優勝 中国大会は広島商が31年ぶりの戴冠!強豪・古豪が続々と明治神宮大会へ 東洋大姫路・阪下投手「神宮大会は挑戦の場、全国の舞台で自分の課題を見つけたい」
MBSニュース / 2024年11月6日 11時12分
来年3月に開催されるセンバツ高校野球大会の出場校を選考するうえで、重要な参考材料になる秋の高校野球地区大会も大詰め、11月4日(月)には近畿、関東、中国、四国、九州でそれぞれ決勝戦が行われ。明治神宮大会での日本一を争う各地区の代表校が決定しました。
『近畿大会』東洋大姫路と智弁和歌山の対決 東洋大姫路が17年ぶりの優勝
(画像:東洋大姫路・阪下漣投手)
近畿大会決勝は、エース阪下漣投手を中心に、投打にバランスのとれた戦いをみせて17年ぶりに晴れ舞台に勝ち上がってきた兵庫の東洋大姫路と、秋の近畿大会初優勝を狙う智弁和歌山の対戦。智弁和歌山は、市和歌山との和歌山対決となった準決勝を渡辺颯人投手の好投と福元聖矢選手の2本のホームランで制し決勝に進みました。
タイトルと明治神宮大会への出場権がかかった大事な決勝戦は、東洋大姫路・阪下、智弁和歌山・渡辺の両エースが先発、序盤から熱のこもった展開となります。
先制したのは、東洋大姫路。岡田龍生監督が、「試合を重ねるたびに選手たちが成長して、自分たちから(次に何をすべきかを)意識して動けるようになった」と振り返ったように3回表に阪下投手が2アウト2塁のピンチで強打者の福元選手を打ちとった後、3回裏のチャンスをすぐさま生かします。
フォアボールで出塁した先頭バッターの1番渡邊拓雲選手を確実に送りバンドでセカンドに進めると、3番見村昊成選手が初球をとらえて左中間を破る先制のタイムリーツーベースヒット。さらに智弁和歌山にミスがでて、2アウト2塁3塁とランナーが残った場面で、6番白鳥翔哉真選手も初球をしっかりと捉えてセンターへのタイムリーヒット。
この後2アウト満塁とチャンスをひろげると、今度は8番の渡邉拓人選手が粘って7球目をセンターへ、各打者が状況を踏まえたバッティングをみせて、この回3本のタイムリーを集めて渡辺投手をノックアウト、一挙4点を奪います。
智弁和歌山も4回、大谷魁亜選手のタイムリー内野安打で1点を返しますが、その裏東洋大姫路がすぐさま突き放します。智弁和歌山の2人目、田中息吹投手から2本のヒットで1アウト1塁3塁のチャンスをつくると、5番高畑知季選手が1塁線へ絶妙のセーフティースクイズ。貴重な5点目を奪いました。
失点した直後の味方の援護で余裕が生まれたという阪下投手、このあとは落ち着いた投球をみせます。「4回にこの大会で初めて失点してしまったが、すぐ味方が点を取ってくれて、凄く投げやすくなった。そのあとは、ひとりひとり丁寧にコースに投げて打たせていくピッチングを心掛けた」と話したように、コーナーにしっかりと投げ分けるピッチングで強打の智弁和歌山打線につけ入るスキを与えません。
5回以降、許したヒットは2本だけ、9回表の智弁和歌山の攻撃も3者凡退に抑えてゲームセット。投球数103球、1失点の完投でチームを17年ぶりの近畿大会王者に導きました。決勝戦で強打の智弁和歌山に5対1で完勝、試合を重ねるごとにチカラ強さとゲーム運びの巧みさを増していった東洋大姫路、近畿大会王者として各地区の優勝校が集まる明治神宮大会に臨みます。
「神宮大会は挑戦の場、攻めた投球が大事になってくると思う。その中で自分の課題や良い点をみつけてきたい」と語った阪下漣投手、関西を代表する右腕の全国の舞台での活躍に注目です。
『関東大会』決勝は健大高崎と横浜の強豪対決 横浜が17年ぶりの優勝
同じ11月4日(月)、そのほかの地区でも決勝戦が行われて、強豪・古豪が栄冠を手にしました。
強豪対決となった関東大会決勝は、今年の春のセンバツ大会優勝の原動力となった石垣元気投手を擁する健大高崎と、神奈川の名門・横浜が対戦。
試合は、7回までに両チーム3点ずつを取り合うまさにがっぷり四つの展開となります。7回表、健大高崎は石垣選手のタイムリーで3対1と勝ち越しますが、その裏横浜も2アウトから2番為永皓選手、3番奥村凌大選手の連続タイムリーツーベースで追いついて、3対3のまま延長戦にもつれ込みます。そしてタイブレークに突入した延長10回裏、1アウト2塁3塁から、再び奥村選手が石垣投手からライト前にサヨナラタイムリーヒット。
熱戦を制した横浜が、17年ぶり4回目の関東大会優勝で神宮大会出場を決めました。
『中国大会』広島商と米子松陰が対決 広島商が31年ぶりの優勝果たす
中国大会決勝は、古豪復活を期す広島商と、初めての秋の中国大会決勝進出を果たした米子松陰の対戦。
広島商は2対3とリードされた5回、米子松陰の好投手・新里希夢選手から1回に先制のツーランホームランを放っている4番名越貴徳選手がセンター前にポトリとおちるタイムリーヒット。同点においつくと、かわった2人目の惣郷峻吏投手から7番柳井晶翔選手のタイムリーなどでさらに3点を奪って勝ち越します。守っては、5回から登板したエースの大宗和響投手が米子松陰の反撃を2安打無失点に迎える安定感抜群のピッチング。6対3で勝利して31年ぶり7回目の秋の中国大会優勝を果たしました。
『四国大会』高知の明徳義塾と香川の高松商が対決 明徳義塾が4年ぶりの優勝
四国大会決勝は、高知の明徳義塾と香川の高松商の実力校同士が激突しました。
1点を先制された明徳は、4回表2アウト満塁のチャンスをつくると7番続木琥太朗選手、8番池田佑二選手、9番松井萊翔選手が3者連続のタイムリーヒット、一気に4点を奪って逆転します。
高松商業も4回に1点を返した後の5回裏、2アウト2塁3塁のチャンスに7番和泉翔大選手のセンター前へのタイムリーヒットで4対3と1点差に迫りますが、ホームを狙ったセカンドランナーは、センター山田将太郎選手の好返球に阻まれてタッチアウト、同点に追いつくことができません。
逆に明徳は6回表、松井選手のこの日2本目のタイムリーヒットで5対3と突き放すと、エースの池崎安侍朗投手が、毎回のようにランナーを出しながらも粘り強い投球でリードを守り抜きました。9回裏2アウト1塁3塁と長打が出れば同点のピンチも、冷静な投球で切り抜けてゲームセット。接戦を制した明徳義塾が、4年ぶり12回目の秋の四国大会制覇を果たしています。
『九州大会』沖縄尚学とエナジックスポーツの沖縄県勢対決 沖縄尚学が4回目の優勝
九州大会決勝は、準決勝で福岡の西日本短大付属にコールド勝ちした沖縄尚学と、大分の柳ヶ浦を接戦の末振り切ったエナジックスポーツの沖縄県勢対決となりました。
沖縄大会では、同点で迎えた終盤に沖縄尚学が抜け出した両チームの対戦。この試合も2対2の同点から沖縄尚学が先に得点を奪います。5回裏1アウト満塁のチャンスに3番比嘉大登選手が、右中間へのタイムリーツーベースヒット、4対2と勝ち越します。さらに7回裏、今度は、エナジックスポーツに手痛いミスが出ます。1アウト満塁の場面、沖縄尚学のピンチヒッター阿波根裕選手のあたりは、浅いショートゴロ。ホームダブルプレーでピンチ脱出かと思われましたが、キャチャーからファーストへの送球がバッターランナーに当たって大きくそれてしまいます。
この間にセカンドランナーがホームイン、貴重な5点目が入ります。なおも続くチャンスに5番安谷屋春空選手がレフトへのタイムリーヒット、6対2と沖縄尚学がリードをひろげました。エナジックスポーツも毎回のようにチャンスをつくりますが、沖縄尚学の小刻みな投手リレーの前にあと1本がでません。
4人の投手をつないでエナジックスポーツの反撃を抑えた沖縄尚学。最後はエースの末吉良丞投手がしっかりとしめて6対2で勝利、2年ぶり4回目の秋の九州大会優勝を飾りました。
各地区の結果は、以下のとおり。優勝校は11月20日(水)から神宮球場で秋の高校野球日本一をかけて明治神宮野球大会を戦います。
【各地区大会 結果】
近畿大会 東洋大姫路(兵庫1位) 5-1 智弁和歌山(和歌山1位)
関東大会 横浜(神奈川1位) 4-3 健大高崎(群馬1位)※延長10回
中国大会 広島商(広島1位) 6-3 米子松陰(鳥取2位)
四国大会 明徳義塾(高知1位) 5-3 高松商(香川1位)
九州大会 沖縄尚学(沖縄1位) 6-2 エナジックスポーツ(沖縄2位)
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