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【高校ラグビー開幕】『京都工学院』伝統の"赤黒ジャージ"が躍動...広川主将「自分を信じて、仲間を信じる」 『秋田工業』名門の底力をみせて大熱戦を制す 『佐賀工業』モール攻撃で松山聖陵を振り切る

MBSニュース / 2024年12月28日 11時4分

 第104回全国高校ラグビー大会が開幕。開会式では、参加51校の選手たちが高校ラガーマンあこがれの聖地・花園ラグビー場の芝生を踏みしめました。徳島・城東高校の小野晏瑚主将の「参加選手全員が一つになり、この世界に夢と希望を与えたい。そんな願いをラグビーで体現します」という力強い選手宣誓とともに始まった今大会。第1日は、開会式直後の第1試合から手に汗握る大熱戦となりました。

<秋田工業vs高川学園>「1対1で勝つ」にこだわり伝統校が大接戦を競り勝つ

 第3グラウンド第1試合は、初出場の昨年度に続き2回目の花園となる高川学園(山口)と名門・秋田工業(秋田)の対戦。強風の中始まったこの試合、序盤は風上の秋田工業が落ち着いた試合運びで主導権を握ります。風上を上手く利用して敵陣で試合を進めると、開始2分に先制のトライ。その後も一人ひとりが決定力の高さを発揮して、13分までに3つのトライで21対0とリードします。

 一方、「点数は取られているが、全然実力差はない。しっかり逆転はできる」とフィールド内で話していたという高川学園。この後、焦らず反撃します。15分にラインアウトから鮮やかなサインプレーを決めて1トライを返すと、再び21点差とされた28分、SO林香凜選手のディフェンスラインの裏へのキックに素早く反応したBK陣がインゴールでボールを押さえてトライ。さらに前半ロスタイムに突入したラスト1プレーでは、ミスなくボールをつないで秋田工業のゴールラインに迫ると、最後はWTB山下仁大選手が切れ味鋭いステップをみせて左隅にトライ。鍛え上げられた攻撃と個々のスキルレベルの高さをみせつけて、28対17と11点差に詰め寄って前半を終了します。

 後半に入っても高川学園の勢いは止まりません。風上の後半、今度はキックを上手く使って敵陣深くまで攻め込みます。そして後半8分、FW陣の執拗な連続攻撃からCTB大嶋惺楽選手が縦への力強い突破をみせて中央にトライ。ゴールも決めて28対24で、ついに4点差に迫ります。

 ここからは、両チームの意地とプライドのぶつかり合い。全国優勝15回の誇りにかけて、負けられない秋田工業は、この後、果敢にボールをつないで高川学園陣内まで攻め込みます。しかし、高川学園も集中力高いディフェンスで対応し、12分、一瞬のスキをついて相手ボールを奪うと、WTB山下選手が抜群のスピードをみせて、50m以上を1人で走り切ってトライ。ついに29対28と逆転します。「去年はメンバーには選ばれたが、1回戦・2回戦とも出場機会がなかったので、今年はスタメンでフィールドに立てて本当にうれしかった」と語った山下選手が大舞台で躍動しました。

 しかし、さすがは数々の修羅場を経験してきた名門・秋田工業。ここから伝統校の底力を発揮します。三浦颯太主将が「自分たちは、1対1で勝つことにこだわって練習を積み重ねてきた。逆転はされたが、1対1で勝つことから試合の流れを引き戻そうとみんなには話をしていた」と振り返ったとおり、一人ひとりが的確なタックルで高川学園の攻撃を寸断すると、風下の不利な条件の中でもしっかりと体を当てて前に出て、じわじわと前進していきます。

 そして後半の17分、FW陣が縦をついてできた高川学園ディフェンスのギャップをすり抜け、WTB川瀬雄介選手が再逆転のトライ。ゴールも決めて35対29と再び6点のリードを奪いました。このトライで試合の流れを引き戻した秋田工業は、その後、最後まで高川学園に主導権を渡しませんでした。残り時間が少なくなる中、ボールをつないで攻めようとする高川学園に対して、ディフェンスでも前に出てエリアをおし進めると、絶対的な自信を持つモールで攻め込みながら時間を使っていきます。最後は高川学園のゴールライン近くまで攻め込んだところで、冷静にボールをけりだしてノーサイド。開会式直後の第1試合は、大熱戦の末、秋田工業が伝統校の底力を発揮して新鋭の高川学園に競り勝ちました。

<京都工学院vs聖光学院>「赤黒ジャージは結果が求められている」9大会ぶりの花園の初戦を圧勝で飾る

 第3グラウンド第2試合では、9大会ぶりに花園への復活を果たした京都工学院(京都)が登場。詰めかけた大勢の観衆の前で「信は力なり」の文字を刻んだ、伏見工業の流れをくむ伝統の“赤黒ジャージ”に身を包んだ選手たちが、聖光学院(福島)相手に持ち前のランニングラグビーで右に左にとトライの山を築きました。

 開始2分、ディフェンスから素早く切り返し、SH片岡湊志選手が先制のトライを奪うと、その後は次々とトライを積み重ねていきます。BK陣がスピードの違いをみせつけてインゴールに飛び込むと、FW陣はモールからトライを量産。前半だけで9トライ、リザーブメンバーが数多く出場した後半にも9トライ、112対0の圧勝で2回戦進出を決めました。奇しくも、伏見工業を全国制覇に導いた山口良治監督が就任後の初めての公式戦となった京都府内の大会で当時全国でも有数の強豪校だった花園高校に敗れたときと同じスコアー(0対112で)で京都工学院が勝ち上がりました。

 注目のSO杉山祐太朗選手は「赤黒ジャージは結果が求められている。この結果に満足せず、シード校の中部大春日丘を撃破したい」と力強く宣言。チームをここまで導いてきた広川陽翔主将も「自分を信じて、仲間を信じる。自分たちがやってきたことを信じて、まずはシード校撃破に挑みたい」と、早くも次を見据えていました。果たして、伝統のジャージをまとった選手たちがどのような新たな歴史の1ページを刻むのか、この後の戦いに注目です。

<佐賀工業vs松山聖陵>「シード校に匹敵する」と評された実力校が好ゲームを制す

 第1グラウンド、第3試合では、シード委員会が「シード校に匹敵する力を有している」と評価した佐賀工業(佐賀)が登場。四国王者の松山聖陵(愛媛)と対戦しました。1回戦の中でも注目の実力校同士の激突。期待に違わぬ好ゲームとなります。

 佐賀工業が持ち味のFWを前面に、モールを押し込んで攻撃のリズムをつくると、松山聖陵はFW・BKが一体となってテンポよくボールをつないでいくラニングラグビーで対抗。両チームが得点を取り合い、10対7と、佐賀工業がわずか3点リードで試合は中盤に突入します。

 どちらに試合の流れが傾くか、一進一退の攻防が続いた前半終了間際の29分、佐賀工業自慢のモール攻撃が炸裂します。松山聖陵陣内30m付近のラインアウトからモールを形成すると、ここから一気に押し込みます。ゴールラインまでかなり距離がある中、右に左にモールを動かしながら、ディフェンスの薄いところをついて前進すると、そのまま30m近くを押し切ってトライ。ゴールも決めて17対7とリードをひろげ、前半を折り返します。

 後半に入っても、佐賀工のモールの勢いは止まりません。後半5分に追加点となるトライをモールから奪うと、松山聖陵に1トライを返された後の18分には再びモールを押し込んでトライ。松山聖陵も24分、意地のトライをモールから奪い返しますが、反撃もここまで。中辻大凱主将が「1日の練習の中で必ずモール練習の時間をつくって鍛え上げてきた。今日はFWで行けば勝てるという自信があった」と語った佐賀工業。粘る松山聖陵を29対19で下して、2回戦進出を果たしました。

 「昨年度の大会は、ベスト4敗退。今年度の目標はベスト8だが、1戦1戦戦って成長して、昨年度を超える成績を狙いたい」と締めくくった中辻主将、苦楽を共にしてきた仲間とともに強力なモール攻撃を携えて、2回戦はシード校、東海大大阪仰星に挑みます。

【1回戦・第1日の結果】

 1回戦、第1日(27日)の結果は、以下のとおり。報徳学園(兵庫)は、序盤こそ仙台育英(宮城)の思い切った攻撃に苦しんだものの、前半25分にFBタウファ テビタ悦幸選手からWTB大城健富選手への鮮やかな飛ばしパスが決まり、追加点となるトライを奪って12対3と突き放すと、後半はFW陣が前に出て仙台育英を圧倒。終わってみれば52対3の圧勝で2回戦進出を決めました。そのほか、日本航空石川(石川)も11トライを奪う快勝で鹿児島実業(鹿児島)を下し、被災地にうれしい1勝を届けています。

<第1グラウンド>
流通経済大柏(千葉) 60-7  富山第一(富山)
日本航空石川(石川) 73-8  鹿児島実業(鹿児島)
松山聖陵(愛媛)   19-29 佐賀工業(佐賀)

<第2グラウンド>
青森山田(青森)   0-43  山梨学院(山梨)
高鍋(宮崎)     31-5  札幌山の手(南北海道)
明和県央(群馬)   75-7  遠軽(北北海道)

<第3グラウンド>
高川学園(山口)   29-35 秋田工業(秋田)
京都工学院(京都)  112-0 聖光学院 (福島)
報徳学園(兵庫)   52-3  仙台育英(宮城)

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