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【全国高校ラグビー】きょう決勝 東海大大阪仰星「大阪桐蔭・常翔学園の思いも背負い、全員で戦いたい」 桐蔭学園「自分たちの強みを振り返り、できることをやりたい」

MBSニュース / 2025年1月6日 18時42分

 去年8月、北海道の支部大会から始まった第104回全国高校ラグビー大会もいよいよフィナーレ。きょう(1月7日)決勝が行われます。5日の準決勝、激戦を勝ち抜いてきたベスト4の激突は、2試合とも期待に違わぬ大熱戦となりました。

<桐蔭学園vs国学院栃木>手の内知り尽くす関東対決!優勝候補が“鉄壁のディフェンス”を打ち破る

 第1試合は、準々決勝で大阪桐蔭との優勝候補同士の激闘を制した桐蔭学園(神奈川)と、同じく準々決勝でAシード・石見智翠館を無得点に抑える堅固なディフェンスを見せた国学院栃木(栃木)が激突。

 手の内を知り尽くした関東勢同士の対戦は序盤、国学院栃木がペースを握ります。石見智翠館を封じ込めた、しっかりと前に出るディフェンスで桐蔭学園の攻撃を受け止めると、走力のあるランナーがゲインラインを突破し、桐蔭学園陣内に攻めこみます。そして開始7分、桐蔭陣内22mライン付近のスクラムから、しっかりポイントを作って左に仕掛けると、桐蔭学園ディフェンスのギャップをうまくついてWTB家登正宜選手が中央にトライ。ゴールも決めて7点をリードします。

 一方、申驥世主将が「正直、FWは大阪桐蔭戦の疲労が残っている中で、国学院栃木さんの当たりも強くて(序盤は)きつかった」と振り返った桐蔭学園。それでも、強い当たりで挑んでくる相手に対し、しっかり体を当てながら攻撃のリズムを作り出していきます。国学院栃木の面を作って前に出てくるディフェンスに対しては、SO丹羽雄丸選手が裏へのキックをうまく使ってチャンスを演出。16分には、敵陣ゴール前5m付近のラインアウトからモールを作ると、FW陣が一塊となって一気に押し込みます。申キャプテン自らのトライで5対7。22分にはPGのチャンスを丹羽選手が確実に決めて、前半のうちに8対7と逆転します。

 しかし、FW陣の当たりでは互角に戦えていると感じていた国学院栃木は、ここからぶれずに真っ向勝負の攻撃で敵陣深くまで攻め込んでいきます。前半ロスタイムに突入した終了間際、SO神尾樹凛選手が鋭い出足で丹羽選手のキックをチャージし、敵陣ゴール前でのチャンスにつなげると、FW陣が奮起。しっかりと前に出て、最後はFL下境洋選手がトライ。ゴールも決めて14対8と再逆転して前半を折り返しました。

 準々決勝同様、前半はリードを許した桐蔭学園。それでもキャプテンの申選手が「前半リードされている展開も想定していた」と語ったように、慌てず反撃します。後半に入っても、しっかり体を当てながら攻撃のリズムを作ると、コーチ陣がハーフタイムに伝えた「体を当てるだけでなく、どこで前に出るか、ポイントをみんなで共有して攻めていこう」というアドバイスをもとに、「ここぞ」というときに連動し圧力をかけ、徐々に国学院栃木を押し込んでいきます。そして後半7分、連続して攻撃を仕掛けた後、SH後藤快斗選手が判断よくディフェンスのタイミングをずらして左中間にトライ。14対13と1点差に迫ると、大事なキックを丹羽選手が鮮やかに決めて15対14。再びリードを奪い返しました。

 こうなると桐蔭学園の勢いは止まりません。国学院栃木のキャプテン笹本直希選手が「前半は桐蔭学園の強い当たりに対して互角に戦えていたが、繰り返し圧力を受けている中で、徐々に体力が削られて、後半はどうしてもディフェンスの対応が遅れてしまった」と言ったように、キックも交えながら繰り返しFWで圧力をかけ、国学院栃木自慢のディフェンスを打ち崩していきます。21分には、FW陣が押し込んだ後、右に素早く展開してFB古賀龍人選手がトライ。再び丹羽選手が確実にゴールを決めて22対14と、1チャンスで逆転不可能な8点差に突き放しました。

 残り時間8分あまり。国学院栃木も1年間ともに鍛え上げてきた仲間の思いを背に、懸命の反撃を試みます。しかし、吉岡肇監督が「後半はモールのチャンスが来たら死ぬ気で押し込もうと選手たちには伝えて送り出したが、チャンスが作れなかった。反則をせず守り切る桐蔭学園は強かった」と語ったように、この後は、冷静に集中してゲームを進めていく桐蔭学園の壁を打ち破ることが出ませんでした。後半は国学院栃木の攻撃を無得点に抑えた桐蔭学園。試合終了間際にはPGで3点を加えて25対14。2年連続10回目の決勝進出です。

 敗れはしたものの、優勝候補相手に最後まで死力を尽くした国学院栃木。笹本主将は「チームメートはもちろん、吉岡先生をはじめ指導者にも恵まれて本当に充実した3年間だった。先生には、(勝てずに)すいませんでしたと言ったら怒られるので、ありがとうございましたと言いたい」と涙を浮かべながら感謝の言葉を口にしていました。

<東海大大阪仰星vs常翔学園>最後まで目が離せない激闘!大阪対決を制したのは?

 続く第2試合は、3大会ぶりの決勝進出を目指す東海大大阪仰星(大阪)と過去5度の全国制覇を誇る名門・常翔学園(大阪)の大阪勢対決。この試合も、最後の最後まで目が離せない文字どおりの激闘になりました。

 先制したのは、東海大大阪仰星。今大会はなかなかいい形で攻撃につなげることができなかったラインアウトを見事に修正して、この試合最初のマイボールラインアウトを得点につなげます。開始6分、敵陣ゴール前5mのラインアウトできっちりとボールを確保すると、そのままモールを組んで一気に押し込みトライ。ボールを入れたHO濱田素良選手が自らインゴールにボールを持ち込んで、幸先よく5点をリードします。

 一方の常翔学園も反撃します。今大会チームを救ってきたスクラムで東海大大阪仰星のペナルティーを誘発し敵陣深くまで攻め込むと、その後は波状攻撃を仕掛けていきます。そして13分、力強い縦突進の連続攻撃から、最後はWTB藤間悠太選手がトライ。5対5の同点に追いつきました。

 その後は、両チームが強みを出し合う一進一退の展開。東海大大阪仰星が素早いパス回しでチャンスを作ると、常翔学園は力強い縦突破と一人一人がタックルを受けても倒れない強さを見せて対抗。両者のプライドがぶつかり合う時間が続きます。

 試合が動いたのは22分。東海大大阪仰星が常翔学園のペナルティーでチャンスをつかむと、SO吉田琉生選手が敵陣ゴールラインぎりぎりへの絶妙なタッチキックを見せて一気に常翔学園のゴールラインに迫ります。このチャンスに再びラインアウトからのモールをつくると、FW陣が固いバインドで押し込み、濱田選手がこの日2つ目のトライ。前半は、東海大大阪仰星が10対5とリードして折り返しました。

 サイドの変わった後半。同点そして逆転を狙い、開始から迫力十分な攻撃を仕掛ける常翔学園は、持ち前の突破を見せて東海大大阪仰星陣内深くまで攻め込みます。しかし大事なところでミスが出て得点につなげることができません。

 逆に東海大大阪仰星は後半4分、ダイレクトタッチのミスを犯した常翔学園の一瞬のスキをついて得点に結びつけます。エリアを戻す前に判断よくFB齊藤泰生選手がクイックスロー。パスを受けた吉田選手がそのまま30m以上を走り切って中央にトライ。ゴールも決めて17対5とリードをひろげました。

 思わぬ形で失点した常翔学園。それでも、常翔学園らしく愚直に体を当てながら、徐々に東海大大阪仰星を押し込んでいきます。そして後半13分、敵陣ゴール前まで攻め込むと、得意のスクラムから力強い攻撃を仕掛けて最後はHO矢富蓮選手がゴールポスト横にトライ。ゴールも決めて17対12。再び5点差に詰め寄りました。

 勢いに乗って攻め込みたい常翔と、試合の流れを引き戻したい仰星。明暗を分けたのは、常翔学園のペナルティーでした。大事なところで規律が乱れた後半17分、東海大大阪仰星にチャンスを与えてしまいます。このチャンスに、東海大大阪仰星はラインアウトからとっておきのデザインされた攻撃を仕掛けます。ラインアウトから素早く右に展開すると、吉田選手が常翔学園ディフェンスの裏へボールを蹴りこみます、このボールにバックス陣が複数で反応。1人で対応した常翔学園の選手を強烈なタックルで倒して乗り越えていくと、ボールを拾い上げたWTB隅田陸斗選手が中央に回り込んでトライ。ゴールも決めて24対12と突き放しました。

 さらに20分、またしてもキックで常翔学園ディフェンスを攻略します。ハーフウェイライン付近からパントキックをあげると、鋭いチェイスでボールに働きかけ、再びボールがこぼれたところに素早く反応したCTB東佑太選手が左隅にトライ。29対12となって、勝負は決したかと思われました。

 しかし、ここから常翔学園が驚異の反撃。伝統校の底力を見せます。残り時間が少なくなる中でも、ひたむきに、あきらめずに突進を繰り返していきます。常翔学園の圧力の前にたまらずペナルティーを連発する東海大大阪仰星。反則の繰り返しで、シンビンによる2選手の一時退場を余儀なくされます。

 そして後半29分。常翔学園がついに東海大大阪仰星ディフェンスを打ち破ります。FW陣が縦をついた後、最後は右に展開してCTB立花幹太選手がトライ。FB松井成悟選手が重要なゴールを決めて29対19。再び10点差に迫ります。

 場内に示されたロスタイムは4分。その後も常翔学園の攻撃は止まりません。自陣の深い位置からボールをつないで攻め続けると、32分にはSH元橋直海選手がトライ。再び松井選手がゴールも決めて29対26と、ついに3点差まで詰め寄りました。

 残り時間あとわずか。最後のチャンスにかけて、再び自陣から攻撃を仕掛ける常翔学園。一方の東海大大阪仰星も「常日頃から、相手の15人の攻撃に対して、14人、13人と少ない人数で守る練習もしてきた。最後は本当にきつかったが、全員が集中して守ることができた」と青野寛大主将が語ったように、懸命のディフェンスで常翔学園の圧力を防いでいきます。

 そして、ロスタイムのめどの4分が過ぎたところで、ついに常翔学園のノックオンを誘います。これで攻撃権は東海大大阪仰星へ。それでも、ノックオンのため、ラスト1プレーは東海大大阪仰星のスクラム。常翔学園は相手ボールのスクラムに圧力をかけてペナルティーを奪うことに全てをかけます。

 しかし、東海大大阪仰星のPR山下大輔選手が「大阪桐蔭や常翔学園、春からずっと強いスクラムをもつ両チームとわたりあってきた。最後の大事な場面では、フロントローの3人だけでなくFW全員がプライドをもって1つになって押し込んでくれた」と語ったように、逆に東海大大阪仰星が常翔学園自慢のスクラムに組み勝ってノーサイド。最後の最後まで目が離せない激闘は、29対26で東海大大阪仰星が競り勝ち、3大会ぶりの決勝進出。7度目の優勝に向けてあと一歩まで迫りました。

【準決勝】
 桐蔭学園(神奈川)25-14 国学院栃木(栃木)
 東海大大阪仰星(大阪)29-26 常翔学園(大阪)

決勝は桐蔭学園(神奈川)vs 東海大大阪仰星(大阪)

【決勝】1月7日(火)午後2時キックオフ
 桐蔭学園(神奈川)vs 東海大大阪仰星(大阪)
 
 (桐蔭学園 申驥世主将)「連覇がかかっているが、自分たちが新しい桐蔭の代表だと思っている。最後の試合、自分たちの強みをもう一度振り返って、自分たちのできることをやりたい」

 (東海大大阪仰星 青野寛大主将)「大阪桐蔭、常翔学園、大阪の代表として両チームの思いも背負って、最後の一戦、すべての思いをかけて、いつものように部員全員で準備して部員全員で戦いたい」

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